競馬場やスポーツ競技場で通年緑の芝生を維持する手法「オーバーシーディング」。夏のバミューダグラスと冬のペレニアルライグラスなどで夏と冬でメインの芝草を切り替えます。秋口に冬芝の種をオーバーシードして、春に夏芝に戻すトランジション作業を行います。
一年中常緑の芝生にする選択肢
コウライシバなど日本芝が冬枯れるのは常識ですがゴルフ場や競馬場、サッカースタジアムなどのスポーツ競技場は一年中緑です。常緑にしたい場合冬も枯れない冬芝=寒地型西洋芝を使う方法と夏と冬でメインの芝を切り替えるオーバーシーディングの2つの選択肢があります。
ゴルフ場ではベントグラスなど冬芝=寒地型西洋芝を使いますが専門業者がメンテしているからできることで一般家庭で夏の暑さに弱い冬芝を太平洋沿岸など30度以上の真夏日が続く場所で使うのはおすすめできません。
夏と冬でメインの芝を切り替える「オーバーシーディング」
オーバーシーディングでは暑さに強い夏芝をメインにしつつ秋口に冬芝の種をまいて(=オーバーシードして)冬のメインの芝草にします。オーバーシーディング用の芝草には初期生育が早く耐暑性が弱いペレニアルライグラスが使われます。耐暑性が弱い特徴は翌春夏芝に切り戻すトランジション作業が楽になるメリットがあります。詳しくは冬でも緑に!芝生にオーバーシードする方法参照
▼ペレニアルライグラス
コウライシバでオーバーシードする場合の課題
既存の芝があって、一年中緑の芝生にしたい場合コウライシバ・ノシバにペレニアルライグラスをオーバーシードすることになりますが何年か継続すると日本芝の勢いが落ちてくる問題があります。
一般に日本芝より西洋芝の方が生長が早く、春先のトランジションの負荷で日本芝が負けてしまうためです。オーバーシーディングを継続したい場合、ティフトンやバミューダグラスなど暖地型芝草の西洋芝で生長が早い品種への切り替えを検討します。