ティフトン芝は、バミューダグラスを改良した品種で、芝の中でも横に広がる力と踏まれ強さがとくに優れています。校庭やスポーツ施設で使われる一方、家庭の庭では「芝刈りが大変」「花壇まで広がる」と後悔する声もあります。特徴とメリット・デメリット、高麗芝との違いを解説します。
- ティフトン芝はバミューダグラスの改良品種。成長がとても早く、傷んでもすぐに回復する
- 後悔しやすい点は、芝刈りの回数が多い、花壇や砂利に侵入する、冬は茶色く休眠する、日陰に弱いこと
- 広い庭・子どもが走り回る庭には向くが、手入れの時間が取れない小さな庭なら高麗芝のほうが扱いやすい
- 植えるなら、花壇との境に根止め板を入れておくと広がりすぎを防げる
ティフトン芝と高麗芝の違い(早見表)
| 比べる点 | ティフトン芝 | 高麗芝 |
|---|---|---|
| 横への広がり | 非常に速い | ふつう |
| 踏まれ強さ・回復力 | とても強い | 強い |
| 芝刈りの回数 | 多い(夏はこまめに) | ティフトンより少ない |
| 冬の色 | 茶色くなる(休眠) | 茶色くなる(休眠) |
| 日陰 | 弱い | やや弱い |
| 花壇などへの侵入 | 起こりやすい | 起こりにくい |
| 向いている場所 | 広い庭、校庭、運動場 | 一般的な家庭の庭 |
「後悔した」という声の多くは、成長の早さによる手入れの負担と、花壇や家庭菜園への侵入です。植える場合は、境界に根止め板を入れておくと安心です。
以下では、ティフトン芝の性質と植え方、よく比べられるバミューダグラス「リビエラ」との違いを解説します。
ティフトン芝とは(バミューダグラスとの関係)
ティフトン(Tifton)は、西洋芝の一種であるバミューダグラスを改良した暖地型の芝です。夏に生育のピークを迎える「夏芝」で、匍匐茎(ランナー)で横に広がる速さは芝の中でもとくに速い部類に入ります。冬になると地上部は茶色くなって休眠し、春に再び芽を出します。
もとになったバミューダグラスは、世界の温暖な地域で広く使われている芝で、暑さや乾燥、踏みつけ・すり切れに強いのが特徴です。ティフトンはこの丈夫さを受け継ぎながら葉がより細く、刈り込みや踏みつけからの回復も早いため、密度の高い芝生になります。代表的な品種の「ティフトン419」は、旧国立競技場のピッチにも使われていました(冬は寒地型のペレニアルライグラスをオーバーシード)。国内では主に関東以西で使われています。
冬芝をオーバーシードする場合、春に冬芝から夏芝へ切り替わる時期(トランジション)に、ベースの夏芝が冬芝に押されて回復が遅れることがあります。生長力の強いティフトンは、オーバーシードのベースの芝としても使われます。
▼ティフトン芝



ポット苗で植えるティフトンと「鳥取方式」
ティフトン419は、バミューダグラスとアフリカギョウギシバの交雑種で、染色体が三倍体のため種子ができません。そのため種では売られておらず、ポット苗やストロン(匍匐茎)の苗で植えます。
この広がる力を生かした植え方が「鳥取方式」です。普及を進めるNPO法人グリーンスポーツ鳥取によると、ティフトン419のポット苗を50cm間隔(1㎡あたり4株)で植え、植え付けの最適期は6月中旬〜下旬です。3〜4か月ほどで芝生化できるとされています。苗は1株25円(同NPOの価格、送料・税別)なので、苗代は1㎡あたり100円ほど。切り芝のベタ張りに比べて、材料費を大きく抑えられます。
ただし、全面が覆われるまでは苗のあいだに土が見えているため、雑草取りと水やりが欠かせません。植えてから3か月ほどは、激しく踏んだり走り回ったりする使い方は避けます。
ティフトンのメリットとデメリット
ティフトンを選ぶ前に、よい点と手間がかかる点の両方を確認しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期費用(メリット) | ポット苗の鳥取方式なら、ベタ張りに比べて材料費を大きく抑えられる |
| 広がる速さ(メリット) | 横方向への生長が非常に速く、短い期間で全面が芝生になる |
| 踏まれ強さ(メリット) | 踏みつけやすり切れからの回復が早く、公園や運動場など利用の多い場所に向く |
| 種がない(デメリット) | 三倍体のため種子ができず、ポット苗やストロン苗で植えるしかない |
| 芝刈りの手間(デメリット) | 生長が速いぶん、6〜9月は週1回程度の芝刈りが必要になる |
ティフトンは「早く・安く全面を芝生にしたい」という目的に合う芝ですが、生育期の芝刈りの回数はほかの芝より多くなります。芝刈りにかけられる時間も含めて検討しましょう。
種から育てられるバミューダグラス「リビエラ」
バルコニーで芝生チャレンジで使っているバミューダグラス「リビエラ」は、種子で売られている品種です。種から育てられるので、ポット苗やストロン苗を手配する手間がかかりません。
種苗メーカーのタキイ種苗の品種カタログでは、リビエラの芝の質は「ティフトンにほぼ匹敵する」とされ、すり切れへの強さはティフトンよりかなり強く、耐寒性も強いと説明されています。一方で、春の芝の密度はティフトンにやや劣るとされています。播種の適期は中間地・暖地で4〜7月と8月下旬〜10月中旬、播種量は1㎡あたり10〜15gです。1kgの種子で、およそ70〜100㎡分になります。なお、タキイ種苗では後継品種の「リオ」も扱っています。
ティフトンとリビエラの違いを整理すると、以下のようになります。
| 項目 | ティフトン(419) | リビエラ |
|---|---|---|
| 流通のかたち | ポット苗・ストロン苗のみ | 種子 |
| 植える・まく時期 | 6月中旬〜下旬(鳥取方式) | 4〜7月、8月下旬〜10月中旬(中間地・暖地) |
| すり切れへの強さ | 強い | ティフトンよりかなり強い |
| 春の芝の密度 | 高い | ティフトンにやや劣る |
| 耐寒性 | ― | 強い(従来のバミューダグラスが越冬できなかった地域にも適応) |
リビエラの種子は、通販でも購入できます(バミューダグラス リビエラの種子をAmazonで探す)。
ティフトンとリビエラ、どちらを選ぶべきか
短い期間で、費用を抑えて全面を芝生にしたい場合や、公園・運動場のように踏まれても早く回復することを重視する場合は、ポット苗で植えるティフトンが向いています。一方、種から自分で育てたい場合や、寒さへの強さを重視する場合はリビエラが候補になります。どちらも生育期の芝刈りが多い暖地型の芝なので、芝刈りの回数や、根付くまでの養生期間を含めた維持管理の計画を事前に立てておきましょう。
- 天井裏や床下で物音がする・小さなフンが落ちている:寒くなると、ネズミなどが暖かい屋根裏や床下に入りこむことがあります。→ 足跡・フンで動物を見分ける方法/ネズミ対策/ハクビシン対策
- 芝生や花壇に猫のフンをされる:フンや尿は、芝生が丸く枯れる原因にもなります。→ 猫よけ対策
- 庭にフンをされる・ゴミを荒らされる:ハクビシンやアライグマの可能性があります。→ アライグマ対策










コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 今回植えたのは、西洋芝のティフトン芝。国立競技場に使われており、耐潮性に富み海浜公園などにも適しているとか。ここ萩市大井は海が近いので、ティフトン芝が適しているのです。 […]