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繁殖力旺盛なティフトンで芝生を作る

ティフトン

 

 

芝生の代表格といえば高麗芝ですが、近年は一般家庭でもティフトン芝が注目を集めています。ティフトンはバミューダグラスの改良品種で、「ティフトン419」は旧国立競技場のピッチにも採用された実績のある芝草です。ポット苗を植えるだけで数ヶ月のうちに庭全面が芝生で覆われる「鳥取方式」など、旺盛な繁殖力を活かした芝張り方法が広まっており、初期コストを抑えながら早く芝生を仕上げたい方に選ばれています。

目次

芝草の中で最も横方向の生長が早いティフトンとは

ティフトン(Tifton)は、西洋芝の一種であるバミューダグラスを品種改良した暖地性芝草です。暖地性芝草は夏に生育のピークを迎える「夏芝」に分類され、匍匐茎(ランナー)による横方向への生長スピードは芝草の中でも際立って速いことで知られています。一方で冬になると地上部は枯れて茶色くなり、地下部分だけが休眠して春の再生に備えます。

もとになっているバミューダグラスは、世界中の温暖な地域で広く利用されてきた芝草で、耐暑性や耐旱性に優れ、踏みつけや擦り切れに対する強さも折り紙付きです。ティフトンはこの丈夫さを受け継ぎながら、西洋芝らしい葉の細さと柔らかさを兼ね備えている点が大きな特徴です。

バミューダグラス自体もランナーの発達が良く生長が速い品種ですが、ティフトンはさらに葉が細く、刈り込みや踏圧からの回復も早いため、密度が高く見栄えの良い芝生を形成します。こうした特性から、旧国立競技場をはじめとするサッカー場などのスポーツターフに採用されてきました。日本国内では気候条件の関係で、主に関東以西で利用されています。

また、オーバーシーディングを行う際、春先のトランジション期には冬芝の勢いに負けない生長力を持つベース芝が必要になります。高麗芝ではこの時期に冬芝に押し負けてしまうケースがあるため、オーバーシーディングのベースとしてティフトンが選ばれることも少なくありません。

▼ティフトン芝

ティフトン

ポット苗で流通するティフトンと鳥取方式の植え方

ティフトンはバミューダグラスとアフリカギョウギシバの交雑種であり、染色体が三倍体という特殊な構成を持つ植物です。このため種子を作ることができず、種子での流通は行われていません。市場に出回っているのはポット苗やストロン苗といった形態が中心です。

この特性を逆手に取った植え付け方法が「鳥取方式」です。ティフトンの旺盛なランナーの伸長力に着目し、1平方メートルあたり4個程度のポット苗を植えるだけで、およそ3ヶ月ほどで庭全面が芝生に覆われるという施工法です。ベタ張りと比較すると資材コストは1/10程度まで抑えられる一方で、全面芝生に仕上がるまでの期間はさほど変わらないという、コストパフォーマンスに優れた方法といえます。植え付けの適期は6月下旬とされており、気温と地温が十分に上がったタイミングで作業を行うことが推奨されています。

ティフトンのメリットとデメリット

ティフトンを芝生づくりに採用する場合、メリットとデメリットの両方を把握しておくことが判断の助けになります。以下に主なポイントを整理しました。

項目 内容
初期費用 ポット苗の鳥取方式を用いれば、ベタ張りに比べて大幅にコストを抑えられる
生育スピード 横方向への生長が非常に速く、短期間で全面芝生に仕上がる
耐久性 踏圧や擦り切れからの回復力が高く、公園やスポーツ競技場など利用頻度が高い場所に適している
種子流通 三倍体のため種子を作れず、ポット苗やストロン苗での導入に限られる
管理の手間 生長が速い分、6月から9月にかけて週1回程度の芝刈りが必要になる

まとめると、ティフトンは「早く・安く全面芝生にしたい」というニーズに応えやすい芝草ですが、その反面、生育期の芝刈り頻度は他の芝種より高くなる傾向があります。管理にかけられる時間や人手も含めて検討することが大切です。

バミューダグラス「リビエラ」というティフトンに並ぶ選択肢

バルコニーで芝生チャレンジで使用されているバミューダグラスの仲間「リビエラ」は、ティフトンと同等の特質を持ちながら種子での流通が可能な品種です。種子から育てられるため、ポット苗やストロン苗の入手や施工手間を省きたい場合には有力な選択肢になります。

性能面でも見劣りしません。リビエラはティフトンよりも擦り切れへの耐性が高く、低刈りにも耐えられる丈夫さを持ちます。さらに日本芝と比較しても干ばつへの耐性が強く、長期間の滞水にも耐えるなど、環境変化に対する適応力の高さが際立ちます。ただし発芽後の初期育成のスピードはティフトンよりやや緩やかなため、根付くまでの養生期間はしっかり確保する必要があります。

ティフトンとリビエラの違いを整理すると、以下のようになります。

項目 ティフトン リビエラ
流通形態 ポット苗・ストロン苗のみ 種子で流通
擦り切れへの耐性 高い ティフトンより高い
低刈り耐性 良好 より優れる
干ばつ・滞水への耐性 優れる 日本芝より優れる
初期育成の速さ 速い やや緩やか

▼リビエラの種子は1kg(60〜100平米分)で1.2万円程度です。

ティフトンとリビエラ、どちらを選ぶべきか

短期間で低コストに全面芝生を実現したい場合や、公園・スポーツ施設のように踏圧への回復力を重視する場合は、ポット苗で施工できるティフトンが適しています。一方、種子から自分で育てたい場合や、干ばつ・滞水といった環境変化への耐性を優先したい場合はリビエラが候補になります。どちらも管理の手間が少なくない暖地型芝草である点は共通しているため、生育期の芝刈り頻度や養生期間を含めた維管理計画を事前に立てておくことをおすすめします。

 

 

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著者

「芝生の手入れ.com」のほぼ全ての記事を書いています。都内在住のブロガー/エディター。好きな芝はケンタッキーブルーグラス。育てている芝はコウライシバ・ノシバ、西洋芝のバミューダグラス・JターフⅡ。

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