幸運を呼ぶ「四葉のクローバー」は芝生に生えると除草しても除草してもすぐ再生する除去困難な雑草になります。種とランナー(匍匐茎)で増えるクローバー(シロツメクサ・アカツメクサ)の特徴と除草剤など芝生の対策。芝生の雑草としてのクローバーについて。
クローバーの特徴
クローバーはヨーロッパ原産のマメ科の雑草で多年草で明治時代に牧草として導入されたものが野生化しています。クローバーと言う場合はシロツメクサを指すことが多いようですが花が赤いアカツメクサもあります。繁殖力が旺盛で荒れ地にも耐えるため緑化などのグラウンドカバーとしても使用されます。
シロツメクサは種とランナー(匍匐茎)で増えます。ランナーは50cmにも及び地面を這うため刈り込みに強く切断されても節から出た根から独立した株として生育してしまいます。根や匍匐茎に蓄えた栄養からの回復力が強く芝生の刈り込みを増やして抑制はできても根絶はできません。開花期である6月以降に刈り込むと種子からの繁殖は抑えられます。
▼シロツメクサのランナー
アカツメクサは種で増えるため刈り込みで根絶可能です。
▼芝生に群生するアカツメクサ
クローバー対策の除草剤
「MCPP薬剤」がクローバー、カタバミ、スギナに効く除草剤として定評あります。適用できる芝生の品種に限りがあり日本芝、ケンタッキーブルーグラスには使用できるがベントグラス類、フェスク類、ライグラス類には使えません。その場合ハケで葉に直接塗布する方法があります。
「ザイトロンアミン液剤」は多年生広葉雑草に強い除草剤。ザイトロンアミン液剤は茎葉処理タイプの選択性除草剤で日本芝に使用可能です。雑草の茎葉から吸収され体内を移行し、その生理機能を阻害して枯死させます。西洋芝では薬害が生じますので使えません。
クローバーとカタバミ
クローバー由来だが実際にはカタバミの葉の形のマーク、という事例があります。有名なのはももいろクローバーZ、身体障害者標識。カタバミの葉はハート型を寄せ集めたような形で、クローバーの葉はハート型ではありません。
▼ハート型の葉を持ち、小さな黄色い花をつけるカタバミ
マメ科で似ている「ウマゴヤシ」
シロツメクサは別名オランダレンゲ、オランダウマゴヤシとも呼ばれますがシロツメクサはマメ科シャジクソウ属、ウマゴヤシはマメ科ウマゴヤシ属で別の種。馬肥やしの名前の通り肥料・牧草として江戸時代に入ってきた帰化植物。クローバーは遅れて明治以降に入ってきた帰化植物なので似た葉を持つ連想から来たもの。