後楽園、若草山、本州最南端の潮岬「望楼の芝」などの芝焼きについて。春の芽生え前に芝生のサッチを燃やして病害虫の防除や新芽の新芽育成を目的に行われる芝焼きは古来広い芝生を持つ庭園や山で行われてきました。近年では祭りや防災訓練と組み合わせて観光イベントにする例が見られます。今年の芝焼き開催情報。
2018年の芝焼きイベントは奈良・若草山と和歌山・串本町潮岬「望楼の芝」の芝焼きが1/27に開催済、岡山後楽園が2/7(水)、つくば「平沢官衙遺跡歴史ひろば」が2/3(土)、渡良瀬遊水地ヨシ焼きが3/18を予定しています。
芝焼きイベントの時期
芽吹く前の枯れた芝生の地表をサッチごと焼くと病害虫の防除、雑草や不要な樹木の除去につながり春の芽生えが良くなる効果があります。多くは積雪がなく芝の芽生えより早い1末〜2月に開催されるようです。
岡山・後楽園の芝焼き
岡山・後楽園は奈良・若草山の山焼きと並び芝焼きの代表例。岡山後楽園は岡山藩主の庭園に由来し金沢の兼六園、水戸の偕楽園と並び江戸時代の面影を伝える日本三名園と呼ばれます。
早春の恒例行事芝焼きは2月1冒頭に行われます松明で園内を順番に焼いていきます。2018年は2月7日(水) 13〜15時を予定しています。
芝焼き:岡山後楽園 – 日本三名園の一つ、岡山後楽園は、世界に誇る文化財です。
奈良・若草山(三笠山)の芝焼き
山全体が芝生で覆われ菅笠を3つ重ねたような姿の三笠山。若草山のノシバは近畿唯一の自生地と言われています。
恒例の芝焼き(山焼き)は発祥は定かでありませんが江戸時代以前に遡るとされ近年は1月第四土曜日に開催しています。花火を皮切りに18時過ぎから火が付けられます。花火や寺社との共演はカメラマンの腕の見せ所。
2018年の若草山 山焼きの様子
2018年は1月27日(土)に無事若草山の山焼きが開催されました。各メディアでも「古都の夜を彩る」と季節行事として紹介されています。2018年の若草山 山焼きは主催者発表で観覧者18万人、奈良新聞などによると明治33年から110年続く伝統行事で今年は18:15から10分間2000発近い花火を打ち上げた後消防団員約300人が約33ヘクタールの草地に火を付けました。
想像以上に一気に焼けてる。#若草山山焼き pic.twitter.com/Wp3UNox9Cp
— 因達羅(いんだら)大将 (@indara_taisho) 2018年1月27日
枯れ草(サッチ)を燃やしているので延焼予防に際は予め刈られています。
今日は若草山山焼きですね✨
残念ながら仕事で行けないのですがいかれる方は楽しんでください。
寒そうですので防寒対策は厳重に。先日撮影したものですが延焼を防ぐため?端の草を枯れ刈り取られた若草山と大とんど火床に侵入する鹿さん😁 pic.twitter.com/Hyh2RtSi8h
— nara deer channel (@naradeerchannel) 2018年1月27日
和歌山・串本町潮岬「望楼の芝」の芝焼き
和歌山・串本町の潮岬は熊野地方を代表する観光地で“本州最南端の岬”。「望楼の芝」は潮岬の先端に広がる10万平米の芝生広場でかつて海軍の望楼=物見櫓が由来。潮岬観光タワーからは芝生ごしに太平洋が望め緩やかに弧を描く様子は地球が丸いことを実感できる観光名所です。
望楼の芝焼きは2001年から「本州最南端の火祭り」として名物「しょらさん鍋」「串本節保存会・岬節保存会・トルコ民俗舞踊団の表演」「芋餅販売」「芝焼き」と合わせ丸一日楽しめるイベント化したもの。毎年1月最終土曜に開催されています。
2018年は1月27日、会場は串本町潮岬 望楼の芝一帯、イベント全体は午後1時〜で火矢による芝点火は1730を予定しています。
まだまだ知らないイベントは関西にもありますね。本州最南端の芝焼きに行って来ました。目の前で凄い速さで広がる炎🔥は想像以上の光景でした。 pic.twitter.com/KzsPv13dCb
— H.manabe (@Hmanabe2) 2017年1月29日
2018年の串本町潮岬「望楼の芝」の芝焼き
1月27日(土)和歌山県串本町の本州最南端の岬「潮岬」周辺の「望楼の芝」で芝焼きが行われ約4000人(主催者発表)が見守りました。串本町の観光協会が主催し町、古座観光協会、町商工会が後援しています。サッチを焼いて害虫駆除と新芽育成を目的としていますが1997年から観光向けにシフトし開催も夕方に変更しています。
規模は若草山より小さいものの至近距離の迫力が凄いですね!
若草山の山焼きがナンボのもんぢゃいッ!
こっちは本州最南端、和歌山県串本町潮岬の「望楼の芝焼き」ぢゃーーいッ!!( *°∀°* ) pic.twitter.com/69ZmvTSfGs— 淀川ペンギン (@zgmf38) 2018年1月27日
その他の芝焼き
大規模に例年芝焼きしている所では観光地化したり春の訪れを告げるニュースとして親しまれています。
新潟競馬場の芝焼き
新潟競馬場では病害虫防除、新芽育成を目的に毎年3月に野芝をバーナーで焼く「芝焼き」が行われます。他より季節が遅いのは雪の影響で積雪期間が長い年は行われないこともあります。
新潟以外の競馬場は西洋芝主体でオーバーシードなどで通年緑化しているため芝焼きしませんが、新潟競馬場は春・夏の開催が主体で冬芝がないため可能という背景が有ります。今年の日程は出ていませんが例年3月に2日かけて芝焼きされます。
つくば「平沢官衙遺跡歴史ひろば」の芝焼き
つくば市の「平沢官衙遺跡(ひらさわかんがいいせき)」は奈良・平安時代の群の役所跡で数十棟の建物群が発掘されています。国の史跡に指定され高床式倉庫など一部の建物が復元されています。
「平沢官衙遺跡」は2003年から歴史公園として一般開放されています。例年1/26の「文化財防火デー」に防火訓練と芝焼きを行います。場所は「平沢官衙遺跡歴史ひろば」でその年にちなんだ「芝文字」が現れる趣向。
2018年の「新春芝文字と文化財防火訓練」は積雪の影響で2/3(土)に延期されました。芝焼きの会場は平沢官衙遺跡歴史ひろばで10時〜火入れされる予定です。当日受付で無料、駐車場は近隣の平沢駐車場を推奨。
2017年の芝文字は「ジオパーク」でした。
愛知県長久手市 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)の芝焼き
愛知最大級の公園モリコロパークでは春を呼ぶ日本古来の風物詩として例年芝焼きを実施しています。今年は2/3(土)で11時〜モリコロパーク日本庭園主庭を会場に行われ参加費は無料、先着30名は火付け体験ができます。
渡良瀬遊水地ヨシ焼き
芝草ではありませんが類似例として。渡良瀬遊水地ヨシ焼きはカメラマンが集う観光イベント。ヨシは簾(すだれ)より大きく海の家で立てかけてあるのを見かける葦簀(ヨシズ)の原材料になります。渡良瀬遊水地のヨシ焼きはヨシズ生産が盛んになった1955年から行われています。ヨシ焼きは病害虫の駆除、芽生えの促進が目的です。その他野火や樹木化の防止=ヨシ原の維持にもつながっています。
今年は2018年3月18日(土)を予定していて周辺に1000台規模の駐車場が用意されています。
平成29年 渡良瀬遊水地ヨシ焼きのお知らせ | 渡良瀬レポート | 渡良瀬遊水地 WATARASE YUSUICHI
その他の芝焼き事例
特に案内は出していませんが箱根の彫刻の森美術館でも例年芝焼きしているそうです。
2月28日(火) 曇り。
冬の野外美術館の風物詩。芝焼きを行いました。
来館者のみなさまも、芝焼きの様子をまじまじと見つめていました。
このように毎年この時期から、春を迎える準備を進めています。#彫刻の森美術館 #Hakone pic.twitter.com/Cr7QExtrbu— 彫刻の森美術館 (@hakone_museum) 2017年2月28日