冬でも常緑!芝生にオーバーシードする方法

冬は地上部が枯れる夏芝。ゴルフ場のように一年中緑の芝生に憧れますよね。サッカースタジアムなど常緑が求められる場所では夏と冬でメインの芝草を切り替えるオーバーシーディングしています。ペレニアルライグラスなど冬芝=西洋芝の種をオーバーシードする方法について。

競馬場から生まれた!オーバーシードで一年中緑を保つ方法

年間を通して常緑とするには最初から冬も緑な冬芝=西洋芝を使えば良いように思いますがそう簡単ではありません。

関東以西の太平洋側は夏は真夏日が続きますから耐暑性が低い西洋芝は枯れてしまうリスクがあります。これを夏枯れと言いますが枯れてしまったら一から芝生を作ることになります。冬枯れしても春また芽が出る夏芝(主に高麗芝、バミューダグラス)と比べデメリットの方が大きい訳です。ですから関東以西では夏は夏芝をメインにするのが普通です。

(日本芝、バミューダグラスなど一部の西洋芝)は寒くなると地上部が枯れ地下部分は休眠する特徴を持ちます。そこで寒さに強い西洋芝の種をまいて季節ごとにメインの芝生を入れ替える「」はJRAが開発し競馬場以外にスポーツ競技場やゴルフ場に広まりました。

西洋芝など芝生の種まき 時期と方法

2017.11.08

JRAに通年緑化を決意させたきっかけは、ジャパンカップの苦い教訓です。
第1回ジャパンカップが開催された1981年当時の東京競馬場の芝馬場は、野芝単独であり、11月末には冬枯れして茶色になっていました。そのため、外国の招待者には「どこに芝馬場があるの」などと言われてしましました。それ以来、冬期も青々とした芝馬場で競馬をしたいという関係者の悲願を達成するため、調査試験に着手することになりました。
通年緑化とオーバーシード法の技術開発

オーバーシードに使われる芝草の組み合わせ

既存の芝がある場合はその芝に定番品種「」をオーバーシーディングします。暑さに弱いペレニアルライグラスを秋にまき、夏芝の地上部が枯れ休眠する冬のメイン芝にします。ペレニアルライグラスは初夏には枯れるのでまた夏芝メインに戻せる仕組みです。なお芝草はオーバーシーディング専用品種を使ってください。普通の冬芝=西洋芝を使う「混植」の場合夏は夏芝と冬芝が混じりますのできれいな芝生にはなりません(が手入れの手間は抑えられます)。

既存の芝がない場合十分手入れの工数を割けるなら寒地型芝=、工数を減らしたいなら暖地性西洋芝草のバミューダグラスをメインに冬はペレニアルライグラスをオーバーシードします。ティフトンもバミューダグラスの仲間でオーバーシーディングのベースに使われます。

▼夏芝と冬芝が混在している様子。右下の紫の茎が夏芝でライグラスをオーバーシードしてある。
オーバーシード

芝生のオーバーシーディングのベースとして高麗芝よりバミューダグラスが推奨されるのは切り替え=トランジションの際に両品種が競合する関係で生育が旺盛で回復力に優れた品種の方が楽だからです。「トランジションがスムーズ」という言い回しがされます。

オーバーシードの時期と芝生の切り替え方法

オーバーシーディングに使うペレニアルライグラスの種まきの時期は9月中旬〜10月上旬です。発芽率を上げるため種まきの前に夏芝の芝刈りサッチ取りします。サッチに引っかかって種が地面に付かないと無駄になるからです。

また種をまいて終わりではなく春には元の夏芝メインに戻す切り替え=トランジション作業が必要です。具合的にはペレニアルライグラスの刈高を2cm以下に低くして夏芝の生長の邪魔にならないようにします。冬芝が低くなれば夏芝に光が当たり生育が促進されます。

初夏になればペレニアルライグラスは枯れますので以降毎年種をまいてオーバーシードします。

オーバーシーディングの失敗原因

たまに芝が枯れたなどの失敗例を聞きます。

冬芝の芽が出なかった
種まきの時期が遅かった、サッチが多く発芽率が悪かった、目土で覆わなかった、など色々考えられます。

種まきにむらがあり汚くなってしまった
発芽にむらがあり汚い芝生になってしまった場合は追いまきします。追いまき用の種は予め除けておきましょう。

ムラなく種をまく方法は1.少しずつ、2.方向を変えてまくことです。具体的には種を二等分あるいは三等分し、縦と横の2方向あるいは縦横斜めの3方向に種まきします。何等分かした種子はペットボトルに入れると作業が楽です。
芝生の種まきのコツ

初年度からオーバーシーディングしてしまった
春には冬芝とベースの夏芝が混在し競合することになります。競合で負けた夏芝側が枯れてしまう場合があります。ベースとなる夏芝が定着して優勢な状況が必要です。芝生を作って数年はオーバーシードを避けましょう。

トランジションに失敗した
春はペレニアルライグラスなどの冬芝が優勢なので夏芝が芽を出したら冬芝を低く刈って終わらせるトランジション作業が必要です。冬芝を伸ばしっぱなしにしていませんでしたか?

高麗芝が負けた
一般に西洋芝は高麗芝など日本芝より生長が早いため生育期に邪魔された高麗芝が年々勢いがなくなる現象も聞きます。オーバーシードを続けるならどこかで芝を剥がしてティフトンなどのバミューダグラス系にするのも一案です。

まとめ:オーバーシードのメリットとデメリット

一年中緑の芝生というメリットに対して毎年種をまかなければならない、冬も手入れが必要になる、トランジション作業が必要、ティフトンやバミューダグラスを使う場合生育が旺盛な一方手入れ工数が増えるデメリットも無視できません。ご自分がどれだけ手間をかけられるか見定める必要がありそうです。

プロフィール

「芝生の手入れ.com」のほぼ全ての記事を書いています。都内在住のブロガー/エディター。好きな芝はケンタッキーブルーグラス。育てている芝はコウライシバ・ノシバ、西洋芝のバミューダグラス・JターフⅡ。

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