バルコニーに設置したプランターでバミューダグラスを育てています。西洋芝でありながら夏芝の性質を持つバミューダグラス(リビエラ)の種を撒き、発芽から2ヶ月目の経過レポートです。11月に入り気温が急落したことで、保温対策・黄変トラブル・ピシウム菌の再発など次々と課題が浮上しました。冬の到来前にどこまで芝を育てられるか、実録形式でお伝えします。芝生の種まきの一般論はこちらも合わせてご覧ください。
これまでの振り返り
このシリーズは、バルコニーでの芝生栽培に挑戦した実録です。屋内で冬でも芝生チャレンジでノシバの栽培を記録していますが、本記事では比較対象として西洋芝のバミューダグラスをプランターで育てています。これを「バルコニーで芝生プロジェクト」と呼んでいます。
バミューダグラスは西洋芝に分類されますが、生育サイクルは夏芝(暖地性芝草)です。つまり、ノシバや高麗芝と同様に冬になると地上部が枯れ込み、翌春に再び萌芽するという特性があります。冬前にいかに根と株をしっかり育てるかが、翌年の回復力に直結するため、秋の管理が特に重要です。
【11/8】気温低下でプランターをプチプチ保温。新たな発芽は見込めるか?
11月に入ると、バルコニーの気温は最低5〜10度、最高15〜20度で推移するようになりました。バミューダグラスの発芽適温は約20度、生育適温は25度前後とされており、この時期はどちらの条件も大きく下回っています。紅葉の色づきは美しいものの、芝生の生育にとっては厳しい季節の到来です。
10月1日に種を撒いてから発芽まで通常12〜20日かかりますが、すでにその期間を過ぎているため、新たな発芽はほぼ期待できない状況です。プランターの中でもっとも密度が高いエリアでも、草丈は1cm未満にとどまっています。屋内で育てているノシバをプランターに植えて2ヶ月目と比べると生長の鈍さは一目瞭然で、屋外の低温がいかに芝生の生育を妨げているかがよくわかります。



バミューダグラス(リビエラ)はランナー(匍匐茎)で横に広がりながら密度を上げていく性質を持っています。発芽数は限られていても、ランナーによる増殖が期待できるため、保温して少しでも長く生育期間を確保しようと考えました。ちょうどプランターにぴったりのサイズのプチプチ(緩衝材)があったので、覆いをかけてダブルクリップで枠に固定しました。



【11/15】保温が奏功。11月でも新芽の発生を確認
プチプチで保温を始めてから約1週間、嬉しいことに新たな発芽が確認できました。1cmにも満たない小さな新葉が複数増えており、保温による温度確保が効果的だったようです。プランターをよく見ると、紫色の小粒がちらほら見えます。これはバミューダグラス(リビエラ)の種で、まだ発芽していない種が残っていたことがわかります。



11月でも適切に保温することで発芽・生育が促せるという手応えを感じた一方、この後すぐ新たなトラブルが発生することになります。
【11/15】目土の偏りを修正。水やりの勢いに注意
保温によって新芽が確認できたのはよかったのですが、実は保温を始める前の段階で、半ば諦め気分になっていたため水やりが雑になっていました。その結果、水の勢いで目土が偏り、プランター表面がでこぼこになってしまいました。また、目土が流れたことで種が地表に露出している箇所も見受けられました。芝生のでこぼこの直し方についての詳細はこちらをご覧ください。



修正作業として、不足している部分に目土を足し、大きなレーキは使いにくいためフォークを使って表面を平らに均しました。このとき重要なのは、すでに生えている芝の葉が土に埋もれないよう、葉先が地表から顔を出している状態を維持することです。芝の葉を埋めてしまうと光合成ができなくなり、生育が大幅に遅れてしまいます。



【11/16】葉が黄変。日照不足か過湿か、病気の可能性も視野に
目土を整えた翌日、一部の芝の葉が黄色く変色しているのに気づきました。プチプチで覆ったことによる日照不足、あるいは密閉状態で水分が蒸発しにくくなったことによる過湿が原因として考えられます。
芝生の黄変には大きく2つの原因があります。
- 生育不良による黄化:肥料不足・日照不足・過湿・根腐れなど
- 病原菌による黄化萎縮病:ウイルス性の病害で株が矮小化・異常分げつを起こす
まずはプチプチを一時的に外して日照量を増やし、風通しを確保することにしました。その後も改善が見られず、株の萎縮や異常分げつが起きるようであれば黄化萎縮病を疑う必要があります。いきなり農薬に頼るのではなく、環境の改善から試みることが基本です。



【11/21】黄変が落ち着く。屋内移動を検討
日中は覆いを外して風通しを確保した結果、黄変は徐々に解消されました。前回黄変していた箇所(写真右上あたり)も、完全には枯れずに緑が戻っています。菌の繁殖が収まったのだと思われます。
ただし、生長のペースはほとんど変わっていません。もっとも大きな葉でも草丈は1cm程度で、屋内管理の屋内ノシバが5cm近くに伸びているのとは対照的です。11月中旬の外気温は最低5度・最高15度前後で、生育適温の20度以上を屋外で確保することは現実的に難しい状況です。このままバルコニーで管理を続けるか、思い切って屋内に移すかを検討し始めました。



【11/26】追いまきと屋内移動を実施
外気温のさらなる低下と、今後も大きな生長が見込めないことを考慮し、プランターを室内の窓際に移動させることにしました。あわせて、種の追いまきも実施しました。
バミューダグラス(リビエラ)の種は春まきにも使えるほど余裕があります。フォークで軽く目土(目砂)を掘ってから種をまき、目土(目砂)で薄く覆って水をやりました。室内の窓際でも気温は15度前後のため、プチプチによる保温は継続しています。種の発芽適温(約20度)には届いていませんが、屋外と比べれば格段に条件が良くなりました。



【11/28】ピシウム菌が再発。保温と水やりの管理が鍵
屋内移動と追いまきを行った翌々日、懸念していた事態が起きました。朝プランターを確認すると、ピシウム菌特有の白い雲状の菌糸が広がっていました。
ピシウム菌(Pythium)は芝生に常在する病原菌で、高温多湿などの条件が整うと菌糸が急増します。今回は「水やり直後に保温した」ことで密閉空間の湿度が高まり、菌の増殖を促してしまったと考えられます。この点は保温開始時から懸念していたリスクで、予感が的中してしまった形です。
発見後すぐに薬剤を散布して経過を観察しています。下の写真は薬剤散布後の状態ですが、白い菌糸の塊が残っているのが確認できます。ピシウム菌は一目で「カビが生えた」とわかる見た目が特徴的で、早期発見がしやすい点だけが救いです。



11月の管理まとめと今後の課題
11月の2ヶ月目は、保温・黄変・ピシウム菌再発と、想定以上にトラブルの多い月となりました。各課題を振り返ると、以下のような教訓が得られます。
| 発生した問題 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 生長の鈍化 | 外気温が生育適温(25度)を大幅に下回る | プチプチによる保温・屋内移動 |
| 目土の偏り | 水やりの勢いが強すぎた | フォークで均し、目土を補充 |
| 葉の黄変 | 保温による日照不足・過湿 | 日中は覆いを外して通気確保 |
| ピシウム菌の再発 | 水やり後の保温による高湿度 | 薬剤散布・水やりタイミングの見直し |
冬に向けて地上部の生育は期待しにくくなりますが、根の維持と翌春への備えを意識しながら管理を続けていきます。屋内の窓際管理でどこまで緑を保てるか、引き続き経過を記録していく予定です。








