芝生を作るとき、切り芝を敷き詰める「芝張り」が一般的ですが、種まきを選べば初期コストを大幅に抑えられるメリットがあります。この記事では西洋芝・日本芝など芝草の種類ごとに最適な種まきの時期と正しい方法を詳しく解説します。バミューダグラスやケンタッキーブルーグラスといった品種の選び方から整地・播種・発芽後の管理まで、初めての方でも実践できるよう手順を整理しました。地域別の適期カレンダーや失敗しないためのコツも網羅しています。
種まきと芝張り、コスト以外に何が違うの?どちらが自分の庭に向いているか判断したい。




コスト・管理の手間・気候条件の3つで判断するのが基本です。この記事でそれぞれのポイントを整理しますので、ぜひ参考にしてください。
種まきvs芝張り——コストと特徴の比較
関東以西で最もよく使われている高麗芝は種子が市販されておらず、切り芝のみが流通しています。一方で西洋芝は種から育てられる品種が多く、切り芝と比べてコストが格段に安い点が大きな魅力です。面積が広くなるほどこのコスト差は顕著に表れます。
例えば高麗芝の切り芝は1束で1〜1.2平米相当です。高麗芝 (コウライシバ) 10束 グランドカバー ポピュラーな日本芝は10束12,500円なので平米単価は約1,250円。ホームセンターのジョイフル本田では600円程度、安い店舗でも500円程度ですから、切り芝の平米単価は500〜1,000円程度が目安になります。
一方、カネコ種苗 西洋芝のタネ_503_J.ガーデングラス_1L(カネコ種苗)のような種子商品は1リットル1,500円で10〜20平米に対応します。品種によって差はありますが、種まきなら切り芝の半額以下で済むというのが大まかな結論です。
| 比較項目 | 種まき | 切り芝(芝張り) |
|---|---|---|
| 初期コスト(平米あたり) | 100〜300円程度 | 500〜1,250円程度 |
| 使える芝草の種類 | 西洋芝・ノシバなど | 高麗芝・西洋芝など幅広く |
| 養生期間 | 長い(発芽〜定着まで数週間) | 比較的短い |
| 雑草リスク | 高い(土が露出する期間が長い) | 低め |
| 作業の手軽さ | 整地・播種・管理が必要 | 敷き詰めるだけでOK |
ランナー(匍匐茎)の伸長が活発なティフトンは地面を覆うスピードが早く「鳥取方式」として注目されていますが、ティフトンは3倍体のため種子を形成しません。同様の旺盛な生育特性を持ちながら種子から育てられるのが、バミューダグラスの品種「リビエラ」です。コストと管理の両立を求める方に特に適しています。
なぜ種まきが一般的にならないのか——3つのデメリット
コストが安いにもかかわらず、実際には切り芝による芝張りが主流です。その理由を正直に解説します。
デメリット1:西洋芝は夏枯れリスクがある
日本の高温多湿、特に30度超えが連続するような地域では、寒地型西洋芝は夏枯れしてしまい使い物になりません。暑さに強い日本芝の中ではノシバが種子でも育てられますが、葉が広くチクチクするため家庭の庭には高麗芝が好まれます。高麗芝は発芽率が低いため種子が市場に出回っていないのが現状です。
関東以西で寒地型西洋芝を春に種まきした場合、最初の夏を乗り越えられずに枯れてしまうリスクがあります。秋まきが基本です。
デメリット2:管理の手間が多い
西洋芝は成長が早いため、芝刈りや水やりの頻度が高くなります。芝生の種類と特徴でも触れているように、特に夏場は毎日午前中の水やりが欠かせません。広い面積を管理するにはスプリンクラーなどの設備投資も必要になってきます。ゴルフ場のグリーンが一年中美しい状態を保てるのは、専門業者が工数とノウハウを惜しまずメンテナンスしているからです。
デメリット3:養生期間中に雑草が繁茂する
種から育てる場合、土が露出している期間が長くなります。その間に芝生の雑草も旺盛に生えてきます。芝生の雑草対策に出てくるスギナ・ハマスゲ・クローバーなど、根から再生する雑草は特に厄介です。切り芝に比べて養生期間が長い分、雑草対策の手間も増えます。
- 夏の高温多湿で寒地型西洋芝が枯れる
- 成長が早く芝刈り・水やりの頻度が高い
- 養生中に雑草が侵入しやすい
- 定着するまで庭に入れない期間が生じる
芝生の種まきに適した時期——芝草の種類と地域別ガイド
種まきの成否を大きく左右するのが播種のタイミングです。芝草は大きく「夏芝(暖地型)」と「冬芝(寒地型)」に分かれ、それぞれに発芽・生育に必要な気温が異なります。
夏芝(暖地型):ノシバ・バミューダグラスなど。発芽適温20度以上、生育適温25〜35度。
冬芝(寒地型):ケンタッキーブルーグラス・ベントグラス・ライグラス・フェスクなど。発芽適温15度以上、生育適温15〜25度。
| 芝草の種類 | 地域 | 春まき | 秋まき | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| バミューダグラス(夏芝) | 中間・暖地 | 4〜5月 | 8月下旬〜9月上旬 | 高麗芝の代替として注目 |
| ケンタッキーブルーグラス(冬芝) | 北海道・高冷地 | 5〜8月 | 秋まき不可 | 北海道の主流品種 |
| ケンタッキーブルーグラス(冬芝) | 中間・暖地 | 3〜6月 | 8月下旬〜10月上旬 | 関東以西は秋まきが安全 |
| ノシバ(夏芝) | 中間・暖地 | 4〜5月 | 8月下旬〜9月上旬 | 発芽促進処理種子あり |
芝生の種まき——準備から発芽後の管理まで完全手順
西洋芝の種まきした実例では3月中旬の種まきで既に芝が生えそろっています。以下の手順を参考に、確実な発芽を目指しましょう。
必要な道具と資材
- 芝草の種子
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ホームセンターやガーデニング専門店では複数品種を混合した種子が手に入ります。特定品種を求める場合はタキイ種苗・雪印種苗・サカタのタネ・カネコ種苗などの大手から通販または取り寄せが便利です。芝草 | 【タキイネット通販】、芝生種子・苗・肥料の購入|雪印種苗株式会社、種・苗の通販はサカタのタネ 園芸通信オンラインショップ | 芝草、芝草 | カネコ種苗などが代表的な商品です。
- レーキ(熊手)
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床土を耕す・ならす・溝を掘るなど多目的に活躍します。レーキでサッチングなど日常の芝管理にも継続して使えます。

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- フルイ
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種まき後に目土(目砂)を均一に数mm覆うために使います。手で撒くよりもムラなく仕上がります。

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- 床土・目土(目砂)
-
いずれも水はけの良いものを選びます。芝生の目土・目砂で紹介しているように、ホームセンターでは洗い砂に肥料や土壌改良材を配合した芝生専用品が便利です。

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種まきの手順——整地から発芽後管理まで
芝張りに比べて土が長期間露出する種まきでは雑草が入り込みやすくなります。スギナ・ハマスゲ・クローバーなど根から再生する種類は特に念入りに除去しましょう。根ごと取り除けない場合は非選択性除草剤の使用も選択肢です。
レーキで地面を5cm程度耕し、平らに均します。土塊・石・雑草の根を除去し、粘土質や硬い地面は表土を取り除いて芝生用床土(床砂)を入れます。排水対策として1mあたり1〜2cm低くなる緩やかな傾斜をつけると、芝表面の水はけが改善します。
整地した土壌をレーキで引っかき、1cm程度の浅い溝を作ります。各品種の指定播種量に従い種を撒きます。ムラなく撒くコツは「種を2〜3等分して、縦・横・斜めと方向を変えて撒く」こと。等分した種はペットボトルに入れると作業がしやすくなります。
種まき後はレーキで土を崩して種に薄く土をかぶせます。目土の厚みは3〜5mm程度が目安です。フルイを使うと均一に仕上がります。その上から透水性不織布(


発芽して芽が1cm程度に育ったら不織布を外します。芝生に踏み入らないよう養生を続け、草丈が5cm程度になったら最初の芝刈りと施肥を行います。以降は月1回を目安に、5cmになったら3cmに刈り込むサイクルを維持します。
種まき後2〜3週間で一通り発芽が完了します。まばらに生えた箇所には「追いまき」が有効です。芝が5cm程度に伸びて1回目の芝刈りを終えた後に、芽のない部分へ種を撒いて目土で覆うだけでOKです。追いまき後もしばらくは芝生に入らないよう養生してください。
種まきのポイントを整理——失敗しないためのチェックリスト
- 芝草の種類(夏芝・冬芝)と居住地域の気候を確認した
- 播種前に雑草(スギナ・ハマスゲ等)を根ごと除去した
- 水はけを考慮した床土・目砂を用意した
- 種を2〜3等分し、方向を変えてムラなく撒いた
- 目土の厚みを3〜5mmに調整し、不織布で保護した
- 発芽まで毎日水やりを続けた
- 草丈5cmで最初の芝刈り・施肥を行った
よくある質問——芝生の種まき時期と方法
- 春は芝生の種まきに適した時期ですか?
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春は芝生の種まきに適した時期です。夏芝・冬芝ともに発芽適温の15〜20度に達するからです。家庭での作業はゴールデンウィークが目安になります。梅雨入りの数週間前に発芽が完了するよう逆算してスケジュールを立てましょう。ただし関東以西での冬芝は、春まきだと最初の夏を乗り越えられないリスクがあるため、秋まきの方が確実です。

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- 夏や冬でも芝生の種まきはできますか?
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夏芝(暖地型)を真夏・冬に種まきするのは避けてください。真夏は酷暑で種まき後の管理が困難になり、冬は発芽適温に達しないため発芽しない可能性が高いです。梅雨入り前に種まきを済ませると水やりの負担が軽減されます。冬芝(寒地型)についても同様に夏・冬の播種は避けます。北海道や高冷地では暑い時期が短いため、8月まで種まき可能です。
- 秋はいつまで芝生の種まきができますか?
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夏芝なら9月上旬、冬芝なら10月上旬が目安です。気象庁|過去の気象データ検索によれば関東では9月後半に平均気温20度を下回る日が出るため、夏芝(暖地型)の種まきリミットは9月上旬となります。冬芝(寒地型)は10月後半に平均気温15度を下回る地域が多いため10月上旬が目安です。8月最終週から9月のシルバーウィークにかけてが家庭での秋まきに最も適した時期といえます。関東以西の冬芝は夏枯れリスクを回避できる秋まきが春まきよりも安全です。
- 11月・12月でも発芽しそうですが種まきして良いですか?
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ノシバ・バミューダグラスなどの夏芝は発芽適温に達しないためNGです。冬芝(寒地型)は発芽する場合もありますが、関東以西では多くの地域で生育に必要な15〜25度の適温を確保できません。11月の最高気温は15度前後、平均気温は10度前後になる地域が多く、防寒対策ができる設備がない限り翌春まで待つことを強くおすすめします。
- 北海道での芝生の種まきに適した時期はいつですか?
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北海道では冬芝(寒地型)のケンタッキーブルーグラスが主流で、5月上旬〜8月下旬が種まきの適期です。高麗芝の生育適温は25〜35度のため北海道には不向きです。ケンタッキーブルーグラスは種子から育てられるため、切り芝が手に入りにくい地域でも安心して導入できます。参考として北海道の芝生は違う!? – 北海道ファンマガジン [ファンマガ]も確認してみてください。

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- 高麗芝でも種まきできますか?
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高麗芝の種まきはできません。高麗芝は発芽率が低く種子が市販されていないため、切り芝を購入して張る方法のみとなります。日本芝でも種まきしたい場合は、発芽促進処理を施したノシバの種子(発芽率80%程度)が流通しています。

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種まきは切り芝の半額以下で芝生を作れるコストメリットがある一方、養生期間の雑草管理・水やりの手間・夏枯れリスクへの対策が必要です。関東以西で冬芝を育てるなら秋まきが基本。北海道ではケンタッキーブルーグラスの5〜8月まきが定番です。整地・均一な播種・不織布による保護の3点を押さえれば、初めての方でも確実に発芽を促せます。








