9月に入っても真夏日が続く年は多いですが、下旬になると気温は着実に下がってきます。この気温変化に合わせて芝生の手入れも切り替えていく必要があります。コウライシバは上旬まで生育の勢いを保ちつつ、気温が下がるとともに徐々に落ち着いていきます。一方の西洋芝は、涼しくなる9月下旬にかけて生育を再開する時期にあたります。
まだ暑い日もあるのに、9月から手入れを変えたほうがいいんでしょうか?




そのとおりです。コウライシバと西洋芝は9月の気温変化への反応が正反対なので、どちらを育てているかで芝刈りや水やりの頻度、種まきのタイミングまで変わってきます。
芝生の管理方法は地域の気候によって変わります。この記事では、暖地型芝草の代表である高麗芝(コウライシバ)と、寒地型芝草の代表である西洋芝を対象に、関東以西のエリアを想定して解説します。
9月の気候と芝生の手入れの変化
東京の9月は平均気温がおよそ24度で、下旬になると真夏日が減り、最低気温も20度を下回る日が増えてきます。コウライシバは下旬にかけて生育がやや落ちてきますが、変化のタイミングは年や地域によって差があるため、実際の芝の様子を見ながら判断します。西洋芝は、気温が下がる下旬から勢いを取り戻します。こちらも具体的な時期は栽培環境によって差が出ます。
この生育傾向の変化に合わせて、芝刈りの頻度や水やりの間隔を切り替えていくのが9月の手入れの基本方針です。2つの芝草でまったく逆の動きをする点をまず押さえておきましょう。
| 項目 | コウライシバ(暖地型) | 西洋芝(寒地型) |
|---|---|---|
| 9月の生育傾向 | 上旬は活発、下旬にかけて落ち着く | 下旬にかけて再び盛んになる |
| 芝刈り頻度 | 2週に1回〜月1回に減らす | 10日〜2週に1回(月2〜3回) |
| 水やり | 基本不要、乾燥時のみ | 3日に1回程度 |
| 種まきの適期 | 該当なし(春が適期) | 9〜10月ごろ(残暑が落ち着いてから) |
2018年9月の実況としては、関東で最高気温が30度に届かない日が続く予報が出た年もありました。最低気温も20度台前半まで下がり、平均気温でいえば25度程度まで落ち着いた時期です。こうした猛暑の一段落は、芝生の種の秋まきに適した条件が整うタイミングでもあります。この年の気温の下がり方は、関東一気に涼しく 都心は気温7度もダウン(日直予報士 2018年09月10日) – 日本気象協会 tenki.jpで解説されています。
コウライシバは9月に入っても葉色は濃く、踏んだ感触もしっかりしています。上旬に撮影された渋谷区の管理事例では、まだ夏の勢いを残した緑が広がっている様子が確認できます。
8月から9月は芝生の種をまく秋まきの適期
暑さが和らぐ8月下旬から9月にかけては、芝生の種まきにとって一年で最も重要な時期のひとつです。種まきには春まきと秋まきがありますが、寒地型の西洋芝については秋まきが推奨されています。理由は単純で、暑さに弱い西洋芝は真夏の高温にさらされると枯れてしまい、夏を越せないリスクが高いからです。発芽して根が定着した状態で冬を迎えられれば、翌春以降の生育も安定しやすくなります。
発芽までには2週間ほどかかり、その後は芝刈りができるほどの高さまで生長させる期間も必要です。本州での西洋芝の秋まきは9〜10月ごろが適期とされます。この逆算から、残暑が落ち着いたらなるべく早くまき、遅くとも10月中には終えるのが目安です。
種まきのタイミングを逃すと、根が十分に張らないまま冬を迎えることになり、翌年の生育に影響が出かねません。播種量や下地づくりなど具体的な手順は事前に確認しておくと安心です。



夏枯れしてしまった芝を復活させるには
暑さが厳しかった年は、西洋芝はもちろんコウライシバでも枯れてしまう箇所が目立ちます。土がむき出しになっていると気になるものですが、対処法自体はそれほど難しくありません。
補修の考え方は大きく2つに分かれます。ハゲが小さい場合は、周囲の芝からランナー(地下茎や地上茎)が伸びてくるのを待つ方法で十分です。一方、面積が大きい場合や今シーズン中に直したい場合は、物理的に新しい芝を増やす方法が向いています。
直径10〜20cm程度の小さなハゲなら、周囲の芝からランナーが自然に伸びてきて時間をかけて覆われることが多いです。まずは慌てず様子を見ましょう。
ハゲが大きい、または今シーズン中に直したい場合は、切り芝を張るか、西洋芝であれば種を「追いまき」して新しい芝を増やします。既存の芝でなんとかしたいという気持ちは分かりますが、張り直したほうが早く確実に仕上がります。
種まきや切り芝は、根が張るまで乾燥させないよう水やりを続けます。冬前にどこまで定着させられるかで、翌春の仕上がりが変わってきます。






9月のコウライシバ(暖地型芝草・夏芝)の手入れ



コウライシバは暖地型芝草に分類される夏芝で、9月は生育のピークを過ぎて徐々に落ち着いていく時期にあたります。芝刈りの頻度から病害虫対策まで、上旬と下旬で意識するポイントが変わってきます。
芝刈りの頻度
2週に1回のペースから、月1回程度まで徐々に落としていきます。一般的には暑さが例年より厳しい年ほど生育が落ちやすいといわれますが、逆に猛暑が一段落して生育が再開するケースもあります。芝の伸び方を見ながら、頻度は柔軟に調整してください。



草取り
夏雑草がちょうど種をつける時期なので、取り漏らして株化してしまったものがあれば早めに取り除きましょう。



水やり
基本的には不要です。ただし雨が降らず乾燥した日が続く場合は、水やりを行ってください。



肥料
生育期はまだ続いていますが、この時期の施肥は控えます。芝生の生育が落ちた後に肥料が残ると、雑草を増やす原因になるためです。



病害虫
ツトガが発生することがありますが、被害が小さければ特に対処は不要です。秋の長雨で湿度が上がると、さび病やカーブラリア葉枯病が出やすくなります。定期的な芝刈りを続けることで、これらの被害はある程度低減できます。
- 芝刈りは頻度を落としつつも間隔を空けすぎない
- ツトガの被害は範囲が広がっていないか定期的に確認する
- 秋の長雨シーズンはさび病・カーブラリア葉枯病の発生に注意する






9月の西洋芝(寒地型芝草・冬芝)の手入れ
西洋芝は寒地型芝草に分類される冬芝で、真夏は生長が止まっている状態です。9月に入り気温が20度台まで下がってくると、再び生長が盛んになる時期を迎えます。種まきや補修を計画するなら、まさにこの時期が本番といえます。
芝刈りの頻度
真夏日が連日続くような盛夏には、西洋芝は生長を停止しています。気温が下がる秋に向けて再び生長が盛んになる時期を迎えるため、10日から2週間に1回、つまり月2〜3回程度の芝刈りペースに切り替えます。



ケンタッキーブルーグラスやトールフェスクなどの寒地型の西洋芝は、猛暑が和らぐと同時に葉の色や密度が変わり、秋に向けた生長の勢いを感じ取りやすくなります。
種まき、オーバーシーディング
寒地型芝草である西洋芝は、春と秋の2回が種まきの適期とされています。本州では9〜10月ごろが秋まきの適期で、気温が下がって生育適温の15〜25度が続く期間に定着が進みます。春にまいても夏を越せずに枯れてしまうことがあるため、総じて秋まきのほうがリスクは低いといえます。



芝生の補修
日本の太平洋沿岸のような暑い地域では、夏に西洋芝が枯れてしまう箇所が出やすくなります。冬までに自然に覆い直せないほど大きな箇所は、種まきをして新しい芝で補修しておくのが確実です。






草取り
コウライシバと同様、夏の雑草が種をつける前に除草を済ませておきましょう。
水やり
夏のピーク時よりは減らして、3日に1回程度で問題ありません。



肥料
化成肥料を1平方メートルあたり20g程度与えます。芝生専用肥料の施用量は製品によって20〜30gの範囲で案内されていることが多いため、購入した肥料のパッケージや公式サイトの表示も確認しながら量を調整してください。



病害虫
ダラースポットなどが発生することがありますが、症状を見つけたらその都度対処すれば大きな問題にはなりにくいです。
- 秋の種まきは9〜10月ごろ。遅れると定着が不十分になる
- 肥料は施用量の目安を製品表示で確認してから与える
- ダラースポットなど病斑を見つけたら早めに対処する









9月前後、8月と10月の芝生の手入れ
9月単体だけでなく、前後の月の動きも知っておくと手入れの計画が立てやすくなります。コウライシバにとって8月は生育のピークにあたり、芝刈りの回数が最も増える時期です。西洋芝は逆に夏枯れのリスクが最も高まる時期で、毎日午前中に水やりが必要になることもあります。10月に入ると、西洋芝は9月に続いて生育が盛んな状態が続き、種まきの適期もまだ続いています。






現地で撮影した写真



まとめ
9月はコウライシバと西洋芝で生育の方向がまったく逆になる、切り替えの月です。どちらの芝を育てているかによって、芝刈りの頻度も水やりの必要性も変わってきます。
- コウライシバは生育が落ち着き始め、芝刈りは月1回程度まで頻度を減らす
- 西洋芝は下旬にかけて生育が盛んになり、芝刈り頻度を月2〜3回に増やす
- 西洋芝の種まきやオーバーシーディングは9〜10月ごろが適期。残暑が落ち着いたら早めに準備を進める
- 夏枯れした箇所はハゲの大きさで補修方法を選び、大きい箇所は張り直しか追いまきで対処する



よくある質問
- 9月に肥料を与えても大丈夫ですか?
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コウライシバは生育が落ち着き始める時期のため、この時期の施肥は基本的に控えます。肥料が残ると雑草が増える原因になりやすいためです。西洋芝は生育期に入るタイミングなので施肥自体は行いますが、量は製品パッケージの表示を確認しながら調整してください。
- 西洋芝の種まきは9月のいつまでに行うべきですか?
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本州では9〜10月ごろが秋まきの適期なので、9月中に終えなければならないわけではありません。ただし、発芽までに2週間ほど、その後芝刈りができる高さまで生長する期間も必要です。冬までに定着期間を確保するため、残暑が落ち着いたら早めにまき、遅くとも10月中には終えるのが目安です。
- 夏に枯れた芝生はどうすれば復活しますか?
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ハゲが小さい場合は、周囲の芝からランナーが伸びてくるのを待つだけで自然に覆われることが多いです。範囲が大きい場合や今シーズン中に直したい場合は、切り芝を張るか、西洋芝であれば種の追いまきで新しい芝を増やす方法が確実です。
- 9月のコウライシバと西洋芝で水やりの頻度は変わりますか?
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変わります。コウライシバは基本的に水やりが不要で、乾燥した日が続く場合のみ対応します。西洋芝は夏のピーク時より頻度を減らしつつも、3日に1回程度の水やりを続けるのが一般的です。




