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芝生の害虫駆除(種類と殺虫剤)

芝生の害虫:スジキリヨトウ

芝生は好きだけど害虫は嫌い…芝生によく出る害虫の特徴と対策、害虫駆除の方法。スジキリヨトウ、シバツトガ、コガネムシの3種類が芝生を代表する害虫。害虫対策の殺虫剤はスミチオンとオルトランが定番です。

芝生に現れる謎の黒い虫、ぴょんぴょん跳ねる虫に芝生の下にいる幼虫の正体、蜂や蚊の退治方法もあります。

スミチオン:芝生の害虫駆除に使われる殺虫剤

芝を適用対象とした農薬でスジキリヨトウ、シバツトガ、コガネムシいずれにも効くのが「スミチオン乳剤」。使用方法は水でうすめて散布します。芝のコガネムシ類幼虫には、散布液が土壌中に十分しみ込むようジョウロ等で1平米当り3リットル散布してください。スミチオンは芝生の害虫駆除の定番農薬です。

適用対象:コガネムシ類幼虫、シバツトガ、スジキリヨトウ、シバオサソウムシ。

オルトラン粒剤・水和剤

芝を適用対象とした農薬で成分は有機リン系のアセフェート。葉や茎から吸収されて植物体内にゆきわたり、広範囲の害虫に対して効果が持続する優れた浸透移行性殺虫剤です。水和剤は薄めて散布、粒剤の方が効果が持続します。アセフェート(オルトラン)は農業、園芸分野でもアブラムシに使われる害虫駆除の定番農薬です。

適用対象:スジキリヨトウ、シバツトガ、タマナヤガ、ケラ、シバオサゾウムシ成虫、アカフツヅリガ。

住友化学園芸の「オルトラン」商品には農薬の芝登録がありません。また「オルトラン液剤」と「オルトランDX粒剤」がありDXの方がコガネムシに効くとの評判です。

ヨトウムシ, スジキリヨトウ:蛾の仲間で芝生の茎・根を食害する害虫

害虫の特徴と芝生の被害:芝生を歩いているのを見かける蛾の幼虫です。俗称「ヨトウムシ」。スジキリヨトウの幼虫のイモムシは日中は土中に潜み夜間に出てきて葉や茎を食害します。園芸品種や農作物の茎を食い荒らし嫌われている俗称「ネキリムシ」はヤガの仲間の幼虫でこちらも日中土中に潜みます。

  • 対象:高麗芝などの日本芝、西洋芝両方に発生。
  • 発生時期:5月〜10月。被害が大きいのは梅雨明け以降。大発生することがある。
  • 対策と駆除:MEP乳剤=スミチオン乳剤などシバで登録された農薬を撒く。

▼スジキリヨトウの幼虫
芝生の害虫:スジキリヨトウ

ツトガ, シバツトガ:蛾の仲間で芝生の茎・根を食害する害虫

害虫の特徴と芝生の被害:蛾の幼虫です。俗称「ツトガ」。シバツトガの幼虫のイモムシは日中は地表に苞(つと)と呼ばれる芝生や砂粒で作った巣に潜み夜間出てきて葉や茎を食害します。

  • 対象:高麗芝などの日本芝、西洋芝両方に発生。
  • 発生時期:5月〜10月。被害が大きいのは梅雨明け以降。
  • 対策と駆除:MEP乳剤=スミチオン乳剤などシバで登録された農薬を撒く。

▼シバツトガの成虫は頭を下にお尻を上げた姿勢で止まっているこげ茶色の蛾

コガネムシ類:芝生の根を食害する害虫

害虫の特徴と芝生の被害:マメコガネやスジコガネなど。西洋芝の株が部分的に枯れます。日本芝は面で生育不良になります。コガネムシの幼虫はカブトムシの幼虫を小さくしたようなイモムシで地中の茎や根を食害します。成虫は照明に寄ってきます。

  • 対象:高麗芝などの日本芝、西洋芝両方に発生。
  • 発生時期:5月〜10月。被害が大きいのは秋。
  • 対策と駆除:MEP乳剤=スミチオン乳剤などシバで登録された農薬を撒く。

マメコガネ

胸部が緑色で羽根は緑〜茶色。金属光沢のある小型のコガネムシで成虫は7-8月に活動します。北アメリカでは農業に大きな被害をもたらす「Japanese Beetle」として侵略害虫になっています。河原など成虫が群れている様子も見られる普通種。

スジコガネ

成虫は4-5月に活動しマメコガネより大型です。背中の羽根の縦筋が特徴的。

ミミズ

害虫の特徴と芝生の被害:ミミズ自体は直接芝生に悪さはしません。ゴルフ場のグリーンでは糞塚が美観を損ねたり、ミミズを餌とするモグラを呼ぶ原因になります。具体的な被害がなければ放置して構いません。

  • 対象:高麗芝などの日本芝、西洋芝両方に発生。
  • 発生時期:被害は春先〜梅雨、秋が多い。
  • 対策と駆除:ミミズが多いということは有機物が多く湿気が有り日当たりが良くない環境です。砂を多めにするなど土壌を改良します。

以下にその他被害は大きくない害虫、気にはなるが芝生に被害はない昆虫を紹介していきます。

オケラ、ケラ

童謡「手のひらを太陽に」の「ミミズだって オケラだって♪」のオケラです。大きくはバッタの仲間で雑食性、地中で暮らします。地表近くに掘る穴が芝生の根が持ち上げて枯らします。

芝生を掘り返す「モグラ」

川原や公園の芝生にはモグラが現れることもあります。モグラはミミズやコガネムシの幼虫など小昆虫を餌とし芝生に地下トンネルを掘り所々に土の盛り上がった「モグラ塚」を作ります。臭いや音に敏感な性質を利用して追い払う装置、また捕獲器などがありますがモグラを含む農林業駆除目的以外での動物捕獲には鳥獣保護法により環境省または各都道府県の許可が必要なので注意してください。

モグラ被害の実例は別記事にしました→芝生のモグラ被害

▼モグラのトンネルで盛り上がってしまった芝生
芝生のモグラ被害

芝生にマダニは現れるか

昨今マダニ経由の感染症で死亡例が出ていることはご存知かと思います。マダニは郊外の山や森の草むら、公園や河川敷の草むらなどで待機し、そばを通りがかった鹿や猪、ペットの犬や猫に反応して飛び移ってきます。つまり都市部のご家庭の芝生のような出入りが管理された所ではまず問題ありませんが草むらに近いような所はリスクがある、ということです。犬が出先から持ち帰ってしまうことも考えられます。

マダニ対策としてはディート・イカリジンなどの忌避剤を使う、長袖長ズボンで肌を露出しないなどがあります。国立感染症研究所の集計によれば関西以西で5〜8月の報告事例があり関東以北では神経質にならなくて良さそうです。(重症熱性血小板減少症候群(SFTS))。

2013年時点では”芝生地で実質的なリスクは小さいものと思われる。芝生地でのマダニ被害報告
例は見つからない。”とされています(参考:マダニからのSFTS感染症について-1 | 特定非営利活動法人 日本芝草研究開発機構)。

マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者数が増加している。今年は、今月1日時点で85人と過去最多になった。先月には初めて、イヌからヒトへの感染例も報告されている
マダニにかまれ発症…増える「SFTS」患者 野良猫から感染も 有効な治療薬なく – 産経ニュース

芝生に蜘蛛の巣→虫ではなくピシウム菌の病気を疑おう

葉に蜘蛛の巣のような白いもやもやした糸が張っている場合蜘蛛ではありません。病原菌によるピシウム病の可能性が高いです。病原菌自体はあちこちに常在し、水分が多く芝が弱っている時期に発症します。

芝生にヤブ蚊が多い場合

まず芝生が原因でヤブ蚊が多くなることはありません。ヤブ蚊はボウフラが水溜まりに湧きますから近くに発生源があるということです。ヤブ蚊は大きな水場よりも車止め用の古タイヤ、詰まりかけの側溝や雨樋・雨水桝、ジョウロや古バケツ、空き缶や植木鉢の鉢受け皿、お墓の花立てなど小さなたまり水で成長します。庭や近所を見回ってこれらのヤブ蚊発生源がないかチェックしましょう。

文京区のパンフレットが具体例が多く参考になります。こんなところが蚊の発生源

ハグロケバエ:芝生に現れる黒い虫・黒くて羽根があって飛び回る虫

春先に黒い虫が大量発生して飛び回る…不快ですよね。ハグロケバエというハエの仲間です。ハグロケバエは幼虫の芋虫も落ち葉の下にまばらに毛が生えた毛虫がうじゃうじゃいる全体に気持ち悪い生態ですが芝生に実害はないため不快昆虫と言えます。

閲覧注意:ハグロケバエの幼虫

芝生に現れるムカデとヤスデ

特に芝生を好むムカデはいないのですが草むらより見通しが良いので目に付きやすい、ということはあるかもしれません。また肉食で噛むこともあるムカデと有機物や枯れ葉を食べるヤスデを混同している可能性もあります。ヤスデは特に害のない不快昆虫ですので大量発生したのでなければ無視して大丈夫です。

ムカデとヤスデの見分け方としては大雑把には「頭だけ色が赤色など異なる」「単独ですばしこい」のがムカデ、「赤〜黒色で頭も体と同じ色」「群れる(密集する)こともあり動きはゆっくり」なのがヤスデです。

芝生に現れる狩りバチ・土蜂

芝生に現れる蜂で人間に害のあるものはいません。芝生をセカセカ歩き回る様子が気になる蜂は狩りバチ・土蜂の仲間です。ジガバチなど狩りバチは芋虫やクモなどを捉えて地中に掘った巣穴に運び込み卵を産んで幼虫の餌にします。つまり餌の昆虫を探しているか巣穴を掘ろうとしているかどちらかです。大量発生することはないと思いますので害虫駆除してくれる存在として放置しましょう。

▼ジガバチが地面の巣穴を埋めている様子

芝生をアブがパトロールしている

上の土蜂・ジガバチと見間違えている場合があります。また抜け殻が見つかったり新成虫が見つかったりすることがあるのは大型の「シオヤアブ」と思われます。シオヤアブはスズメバチすら捉えることがあるムシヒキアブの仲間です。他の昆虫を取ってくれる益虫で敢えて捕まえようとしたりしなければ人を襲うこともありません。

モリチャバネゴキブリ:芝生に出るゴキブリ

実はいるんです。芝生に出るゴキブリが。もちろん家の中で出るゴキブリとは別の種です。「モリチャバネゴキブリ」は小型のゴキブリで雑木林の枯れ葉の下などにいます。基本的に家の中には侵入してきませんが不快害虫と言えるでしょう。枯れ葉やサッチなど隠れる場所を取り除くのが良いでしょう。

閲覧注意:葉っぱの上にいる姿もよく見かけるモリチャバネゴキブリ

ナメクジ対策

せっかく芝生を植えたのにナメクジが気になって遊べないことも。ナメクジ誘引駆除剤などナメクジ向け駆除剤が出ています。

芝生をぴょんぴょんしている小さい虫はノミではなく「ヨコバイ」

芝生を歩く度に小さな虫がぴょんぴょん跳ねますよね。子供やペットを遊ばせるのにノミだったら、と気になる方もいるでしょう。これはカメムシの仲間の「ヨコバイ」という昆虫です。植物の汁を吸いますが実害はないため放置して大丈夫です。

まとめ:芝生の害虫の種類と害虫対策

沢山の虫をご紹介しましたが多くが不快害虫です。芝生の害虫はスジキリヨトウ、シバツトガ、コガネムシが代表的な3種類でスミチオン、オルトランなどの殺虫剤で対策してください。