伸びすぎた芝草を短く刈り込む芝刈りで上への生長を抑えると新しい葉やランナーが出て密な芝生ができます。密な芝生には雑草の侵入を防ぐ予防効果もあります。何cmに刈り込むか日本芝と西洋芝で異なる「刈込み高」や芝刈りの頻度、面積で選ぶ芝刈り機と芝生バリカンの関係。
日本芝/西洋芝の刈り高と芝刈り頻度
日本芝と西洋芝ではどの長さになったら芝刈りするかが異なります。また西洋芝は日本芝より生長が早いので全体的に芝刈りの頻度は高くなります。
日本芝の刈り高と芝刈り頻度
高麗芝などの日本芝では手入れの工数が取れるなら低めの2〜3cm、刈込み回数を減らすなら高め3〜5cmの刈り高を目標に2倍の高さになったら芝刈りします。春・秋は月1回、生長が旺盛な7〜8月には週1回の刈込みが必要です。家庭向けのリール式芝刈り機では4cm以上の刈り高を設定できない物がありますのでどちらで管理するか先に決めておきましょう。
西洋芝の刈り高と芝刈り頻度
西洋芝は夏の暑さに弱い芝草が多いため日光を遮れるよう日本芝より長めに管理します。
具体的には2〜3cmを目標に2倍の高さになったら芝刈りします。春は月2回、4〜6月は週1回、7〜8月は暑さで生長がにぶるので2週に1回、9〜10月は週1回の芝刈り頻度の目安です。
芝刈りのコツ
サッカースタジアムで芝生に模様が付いているのを見たことがあると思います。同じ方向に刈ると葉が寝ることで模様になりますが、これは一般家庭の庭にも当てはまります。均一に芝刈りするには縦方向の次は横方向、最後に斜めなど色々な方向から刈り込むのがコツです。
面積と芝刈り機の関係
5坪、30坪、100坪あたりに境界線があり芝生バリカン、手動芝刈り機、電動芝刈り機、エンジン芝刈り機が適しています。芝刈りが1時間で終わらないなら電動芝刈り機やエンジン芝刈り機に切り替えましょう。


芝刈りに出てくる用語
ローメンテナンスとハイメンテナンス
頻繁に刈込みを行い2〜3cmと低い刈り高で維持することを「ハイメンテナンス」、刈込み回数を減らして3〜5cmとやや長めに維持する芝生を「ローメンテナンス」と言います。5cm内外に管理する「ローメンテナンス」では美観は多少劣るものの病害虫への抵抗力が上がり、雑草の侵入に強くなります。
軸刈り:芝生の成長点を刈ってしまい枯れてしまう原因
芝生には葉や茎が増える「生長点」があります。芝草は地表近くに生長点があるため低刈りに耐えますが芝草の生長に従って生長点もだんだん上の方に上がっていきます。
「生長点」を刈ってしまうと初夏など生長が旺盛な時期は回復できますがそのまま枯れてしまうこともあります。これが「軸刈り」です。伸ばしっぱなしの芝を芝刈りする場合は長めから徐々に短く刈っていくことで軸刈りを避けられます。
刈り高:ワンタッチで設定できるか
芝生の高さを何cmにするかの設定を「刈り高」と言います。5mm〜5cmくらいまで複数の高さを設定できる芝刈り機が多いようです。ワンタッチレバーなどで簡単に設定できる芝刈り機で刈り高3cm以上が設定できる機種が望ましいです。
マメな人は3cm以下で管理できますが5-6cmに伸びっぱなしの芝をいきなり2cm未満で刈ると「軸刈り」で芝を枯らしてしまうことがあります。「軸刈り」を避けるため1/3ルール、つまり3cmなら1cm切って2cm残すということが言われますが5cm以上に伸びている場合は3cm未満で刈らない方が良いでしょう。
▼リョービ(RYOBI)の電動芝刈機「LM-2310」は5mm〜5cmと刈り高設定が柔軟
刈込み幅(刈幅):広い方が効率良い
「刈込み幅」とは芝刈り機が一度に刈れる芝の横幅のことを指します。芝刈り機によって20cm〜40cm以上までありますが芝生を往復する回数を減らせるので庭が広い場合は30cm以上のものを選ぶと良いでしょう。
▼ゴルフ場でも使われる芝刈り機のブランド「バロネス」。手動芝刈り機「LM4D」は刈高は6mm〜35mmの8段階、刈込み幅30cmと1時間30〜45坪の芝刈り性能を持つ
壁際の「キワ刈り」「際刈り」
特に芝刈り機を使う場合、壁や土台際は芝刈りできないエリアになります。キワ(際)は芝草が伸びっぱなしになりがちですがエッジの綺麗さが芝生の印象を左右しますからきれいに手入れしたい所です。キワ刈りには芝生バリカンを使います。芝生バリカン各社は壁や刃を傷つけないよう保護するガード部品が付属しています。芝生のバリカン比較参照。
▼本体1万円弱のMUM604。刃の上の透明なパーツが「キワ刈りガイド」
▼芝生は放置すると10cm近くに伸びる
▼RYOBIの芝刈りバリカンのキワ刈りガイド。
はみ出した芝生はターフカッターで「エッジ切り」する
「壁際」などのキワに対して通路やアスファルトなど芝生が生えてほしくないエリアにはみ出している芝生の処理をエッジ処理といいます。ランナーが飛び出していると見苦しいですよね。
▼エッジが綺麗だと“手入れされた芝生”感が出る(新宿御苑)
▼日本庭園のエッジ処理。砕石による境界。小石川後楽園はかつての水戸藩屋敷跡。
砕石で芝生がそもそも進出できないようエッジ処理している例。レンガやコンクリートブロック、根切版を使うのが一般的。
体重をかけて押し込むことで芝草の根まで切れるターフカッターです。境界から3〜5cm内側を切り落とし芝生を剥がします。段差・溝には縁と同じ高さまで目土を補充します。