6月は、暖地型の高麗芝(コウライシバ)にとって生育が一気に加速する季節です。一方、寒地型の西洋芝は梅雨の高温多湿によって勢いが衰え始め、病害虫のリスクも高まります。芝の種類によってこの時期の管理方法は大きく異なるため、自分の芝草に合った作業を正しく理解することが美しい芝生を維持する鍵となります。この記事では、6月の気候特性から芝刈り・水やり・施肥・病害虫対策まで、種類別に詳しく解説します。
この記事では、暖地型芝草の代表である高麗芝(コウライシバ)と寒地型芝草の代表である西洋芝を対象としています。気候条件は関東以西を想定していますので、ご自身の地域に合わせて参考にしてください。
6月の気候と芝生の生育状況
関東地方(東京)における6月の平均気温は約22度。5月と比べると数度の上昇にとどまりますが、最低気温が20度に近づき、最高気温が30度を超える日も現れ始めます。この気温変化が、芝草の生育に大きな影響を与えます。
暑さを好む高麗芝はこの時期から本格的な生育期に入り、地面を這う匍匐茎(ランナー)が盛んに伸び始めます。反対に、冷涼な気候を好む寒地型の西洋芝は気温の上昇とともに生育が鈍り、暑さへの耐性が低いため管理に注意が必要です。
| 項目 | 高麗芝(暖地型・夏芝) | 西洋芝(寒地型・冬芝) |
|---|---|---|
| 6月の生育状況 | 生育旺盛・ランナーが伸びる | 生育が鈍り始める |
| 好適温度 | 25〜35度(高温を好む) | 15〜25度(冷涼を好む) |
| 梅雨の影響 | 比較的適応しやすい | 病害虫リスクが高まる |
| 主な注意点 | 雑草・施肥管理 | ダラースポット・ラージパッチ |
また、6月後半になると梅雨入りが本格化し、雨による作業の中断も増えます。芝張りや植え付けを予定している場合は、5月のゴールデンウィーク〜6月上旬までに完了させておくのが理想です。梅雨入り後の芝張りは根付きが不安定になりやすく、病害の原因にもなりかねません。オーバーシーディングを行っている場合は、低刈りによって夏芝への切り替えを促すタイミングでもあります。
梅雨入り後の芝張りは根付きが不安定になるリスクがあります。新たに芝を張る場合は梅雨入り前の6月上旬までに済ませましょう。やむを得ず梅雨中に行う場合は、水はけの確保と病気予防の薬剤散布を徹底してください。
6月のコウライシバ(暖地型芝草・夏芝)の手入れ
高麗芝にとって6月は本格的な成長シーズンの幕開けです。ランナーが活発に伸び、密度が増す一方で雑草や害虫の活動も盛んになります。こまめな管理で美しい芝面をキープしましょう。
芝刈り
6月の高麗芝は成長が著しいため、月1〜2回(約2週間に1回)の芝刈りが目安です。芝丈が伸びすぎると密度が落ち、雑草が侵入しやすくなるため、こまめに刈り込むことが大切です。刈り高は一般的に20〜30mm程度に設定します。
刈り込みすぎに注意。一度に刈る量は葉の長さの1/3以内を目安にしましょう。過度な低刈りは芝を傷め、回復が遅くなる原因となります。









草取り・雑草対策
定期的な芝刈りによって茎の密度が高まると、芝生に雑草が侵入しにくい環境が整います。ただし、芝張り直後の目地には雑草が生えやすいので、早めに手で取り除くようにしましょう。
特にこの時期から猛威を振るうのが「メヒシバ」です。成長が速く、放置すると除去が難しくなる難防除雑草のため、小さいうちに抜き取ることが重要です。メヒシバやスズメノカタビラには除草剤「アージラン」が効果的です。
メヒシバは暖かくなる6月頃から急激に発芽・成長します。大きくなってから抜こうとすると根が深く張って困難になるため、発見したら即抜き取りが鉄則です。除草剤を使用する場合は、芝生に適合した製品を選んでください。



水やり
梅雨入り後は自然降雨が増えるため水やりの負担は軽減されますが、梅雨入り前の晴れた日が続く時期は適切な水やりが必要です。特に芝張り直後は根が浅いため、土が乾いたらすぐに水を与えるようにしましょう。
乾燥のサインを見逃さないこと。葉が針のように細く丸まってきたら水分不足のサインです。この状態が続くと芝が枯れてしまうため、速やかに水やりをしてください。



施肥
6月は生育最盛期である7〜8月に向けて芝に栄養を蓄えさせる重要なタイミングです。化成肥料を1平方メートルあたり30g程度施し、その後しっかり水やりをして肥料を土に浸透させましょう。
施肥後の水やりは、肥料の偏りによる芝の濃度ムラを防ぐためにも欠かせません。散布後にホースでまんべんなく水をかけることで、均一に栄養が行き渡ります。
- 施肥量:化成肥料 約30g/m²
- 施肥後は必ず水やりして肥料を土に浸透させる
- 肥料が偏っているとムラが出るため、均一に散布する
- 7〜8月の生育最盛期を見越した「準備施肥」として実施



病害虫対策
梅雨の長雨によって排水が悪化すると、葉枯病などの病気が発生しやすくなります。また、高温多湿の環境はコガネムシの幼虫などの害虫にとっても好条件です。予兆を早期に察知して対処することが重要です。
芝生に部分的な枯れや変色が見られたら、病気や害虫の可能性があります。放置すると被害が広がるため、早めに薬剤散布など適切な対処を行いましょう。



6月の西洋芝(寒地型芝草・冬芝)の手入れ
西洋芝は6月上旬まではまだ旺盛に生育しますが、気温が上がる中旬以降から徐々に勢いが落ちます。梅雨の高温多湿は西洋芝にとって最も厳しい環境の一つです。この時期の管理目標は「いかに芝を弱らせないか」にあります。
芝刈り
6月上旬はまだ生育が旺盛なため、週1回程度の芝刈りが必要です。オーバーシーディングを行っている場合は、低刈りすることで夏芝への転換を促します。低刈りにより冬芝の勢いを抑え、夏芝(コウライシバ)が伸びやすい環境を作ることが切り替えのポイントです。









草取り・雑草対策
西洋芝のエリアでも6月はメヒシバの発芽が本格化します。西洋芝の密度が高い場所には侵入しにくいですが、薄くなった箇所や際の部分には生えやすいため、見つけ次第小さいうちに抜き取ることが大切です。



水やり
梅雨入り後は自然降雨を利用できますが、晴天が続いて土が乾いた場合は適宜水やりを行います。西洋芝は水分が不足すると一気に弱るため、土の表面が乾いたらすぐに対応しましょう。朝の水やりが蒸れを防ぐためにも推奨されます。
施肥
化成肥料を1平方メートルあたり30g施した後、水やりをしっかり行います。肥料が局所的に偏ると芝の色ムラが生じますが、施肥後の十分な水やりで均一に溶かすことができます。過剰な施肥は夏場の病害を助長する場合もあるため、規定量を守ることが大切です。



病害虫対策
梅雨時期の西洋芝は病害虫のリスクが一年で最も高まります。特に「ダラースポット」や「ラージパッチ(春はげ症)」などの病気が発生しやすく、早期発見・早期対処が欠かせません。
ダラースポット・ラージパッチはどちらも高温多湿の環境で発生しやすい病気です。刈りカスの放置や排水不良が発生を招くため、芝刈り後のカス除去と水はけの改善が予防の基本です。症状が広がる前に殺菌剤を散布して対応しましょう。
- 刈りカスをそのまま放置する(病原菌の温床になる)
- 排水が悪い場所に水をたっぷり与えすぎる
- 夜間に水やりをして芝面が湿ったまま朝を迎える



6月の芝生管理:作業チェックリスト
6月に行うべき主な作業を種類別にまとめました。月初・月中・月末それぞれで確認しながら管理を進めると抜け漏れが防げます。
| 作業内容 | 高麗芝(夏芝) | 西洋芝(冬芝) | 頻度・タイミング |
|---|---|---|---|
| 芝刈り | 月1〜2回(2週に1回) | 週1回程度 | 芝丈に応じて調整 |
| 草取り | メヒシバ・スズメノカタビラを早めに除去 | メヒシバを早期除去 | 発見次第 |
| 水やり | 梅雨前は乾燥時に実施 | 土が乾いたら適宜 | 朝が理想 |
| 施肥 | 化成肥料30g/m² | 化成肥料30g/m² | 月1回程度 |
| 病害虫防除 | 葉枯病・害虫に注意 | ダラースポット・ラージパッチに注意 | 症状が出たら即対処 |
高麗芝は積極的に管理して生育を促進する時期。西洋芝は病気予防と環境改善を優先し、できるだけ芝を弱らせないことが目標です。梅雨入り前に芝張りや大規模作業は完了させておきましょう。
前後の月(5月・7月)の芝生の手入れ
6月の管理をより効果的にするためにも、前後の月の状況を把握しておくことが大切です。
- 5月の管理
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高麗芝は芽が出揃い、芝刈りを再開するタイミングです。西洋芝は春の生育最盛期を迎え、最も美しい緑が楽しめる季節です。5月中に施肥・芝張りを完了させておくと6月の管理がスムーズになります。
- 7月の管理
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梅雨明け後は真夏に入り、高麗芝の生育最盛期を迎えます。一方、西洋芝は高温によって一段と弱まるため、水やりの頻度を増やして芝を守ることが最優先事項となります。






よくある質問(FAQ)
- 6月に芝張りはできますか?
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梅雨入り前の6月上旬までであれば芝張りは可能です。ただし、梅雨入り後の芝張りは根付きが不安定になりやすく、病害のリスクも高まります。できれば5月のゴールデンウィーク〜6月初旬までに完了させることをおすすめします。
- 6月の芝生に除草剤を使っても大丈夫ですか?
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芝生用として適合した除草剤であれば使用可能です。メヒシバやスズメノカタビラには「アージラン」が効果的です。ただし、使用前に必ず製品ラベルを確認し、芝草の種類に適合した除草剤を選んでください。高温時の薬剤散布は薬害のリスクがあるため、涼しい時間帯(早朝・夕方)に行いましょう。
- 梅雨の時期は水やりしなくていいですか?
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梅雨入り後は基本的に自然降雨で補えることが多いですが、晴れの日が数日続いて土が乾燥した場合は水やりが必要です。特に芝張り直後や砂質の土壌では乾きやすいため、葉の状態をこまめに確認しましょう。葉が丸まってきたら乾燥のサインです。
- 6月に高麗芝の芝生が茶色くなってきました。原因は何ですか?
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主な原因として、水分不足・病気・肥料不足・害虫被害が考えられます。葉が細く丸まって茶色い場合は水不足、斑状に広がる変色は病気(葉枯病など)の可能性があります。まず水やりを試し、改善しない場合は薬剤散布を検討してください。
- オーバーシーディングしている場合、6月の芝刈りはどうすればいいですか?
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オーバーシーディングを行っている場合は、冬芝(西洋芝)を低刈りすることで夏芝(高麗芝)への切り替えを促します。低刈りにより冬芝の成長を抑制し、夏芝が伸びやすい環境を作ることが切り替え成功のポイントです。6月中に夏芝への転換を完了させることを目標にしましょう。






