芝生の除草剤は、芝の種類(日本芝か西洋芝か)と、雑草の種類(イネ科か広葉か)で選びます。高麗芝なら、シバキープやシバニードアップの粒剤で雑草が生えるのを抑え、生えてしまったクローバーなどの広葉雑草にはMCPPやMCPソーダ塩などの液剤を使うのが基本です。よく比べられるMCPP・MCPソーダ塩・ザイトロン(トリクロピル)の違いも表にまとめました。
- 雑草が生える前なら土壌処理型の粒剤(シバキープⅢ粒剤、シバニードアップ粒剤など)、生えた後なら茎葉処理型の液剤
- MCPP(シバキープAL、シバニードシャワーなど)とMCPソーダ塩は、日本芝とケンタッキーブルーグラスに使える広葉雑草用
- トリクロピル(ザイトロンアミン液剤)はクローバー・チドメグサに強いが、西洋芝には使えない
- イネ科雑草(メヒシバ・スズメノカタビラ)には、アージラン液剤や土壌処理型の粒剤を使う
- 使う前に、ラベルの適用芝種・使用量・使用回数を必ず確認する
MCPP・MCPソーダ塩・トリクロピルの違い(早見表)
| 成分 | 主な製品 | 効きやすい雑草 | 使える芝 |
|---|---|---|---|
| MCPP(メコプロップ) | シバキープAL、シバニードシャワー、MCPP液剤 | 一年生の広葉雑草(MCPP液剤はクローバーにも登録あり) | 日本芝、ケンタッキーブルーグラス(製品により異なる) |
| MCPA(MCPソーダ塩) | MCPソーダ塩 | チドメグサ、クローバーなどの広葉雑草。カタバミは枯れにくい | 日本芝、ケンタッキーブルーグラス |
| トリクロピル | ザイトロンアミン液剤 | クローバー、チドメグサなどの多年生広葉雑草と、一年生の広葉雑草。イネ科には効かない | 日本芝のみ(一時的に黄変することがある) |
3つとも、植物ホルモン(オーキシン)の働きをかく乱して雑草を枯らす茎葉処理剤です。イネ科である芝への影響は小さく、広葉雑草を選んで枯らします。MCPPとMCPソーダ塩は性質が近い成分で、トリクロピルは、フェノキシ系(MCPP・MCPA)では効きにくいチドメグサやマメ科・キク科の雑草によく効くのが特徴です。
芝生の中のスギナに登録があるのは、シバキープⅢ粒剤やシバニードアップ粒剤など、雑草の発生初期にまく土壌処理型の粒剤です。MCPP(シバキープAL・シバニードシャワー・MCPP液剤)やMCPソーダ塩もスギナへの登録はありますが、芝生ではなく、庭木の周りの空き地など「樹木等の周辺地」での使い方に限られます。









芝生の草取りの基本知識
スギナ、クローバー、スズメノカタビラ——これらは芝生を管理する上で特に厄介な雑草の代表格です。芝刈りに耐えるだけでなく、地上部を除去しても地下の根や地下茎から再生してしまうため、草取り鎌や草取りフォークを使って根ごと抜くことが基本となります。また、雑草は芝生エリア内だけでなく周辺からも侵入してくるため、見つけ次第予防として取り除くことが大切です。芝生の雑草の種類と対策についても事前に確認しておきましょう。
芝生の面積が広く手作業での草取りが追いつかない場合や、スギナ・クローバーのように根や地下茎から繰り返し再生する難防除雑草が発生している場合は、除草剤を積極的に活用することで管理の手間を大幅に削減できます。
除草剤を選ぶ際に必ず確認すべきなのが「適用芝種」です。同じ除草剤でも日本芝(高麗芝など)には使えても西洋芝には使えない場合や、その逆の場合があります。散布後に後悔しないよう、ラベルの適用範囲を事前にしっかり確認しましょう。なお、数本だけ生えた雑草は、草取りフォークや鎌(例:モンブラン 草取り一番百発百中)で根ごと抜くほうが早い場合もあります。
除草剤の種類と雑草を枯らす仕組み
芝生に使える除草剤を正しく選ぶためには、まず「選択性」と「非選択性」の違い、そして「茎葉処理剤」と「土壌処理剤」の違いを理解しておくことが重要です。
芝も雑草もまとめて枯らす「非選択性除草剤」
非選択性除草剤は、雑草だけでなく芝も同時に枯らしてしまうタイプです。主な使いどころは、芝張り・種まき前の更地での全面散布です。芝生の中の雑草に筆やハケで直接塗る方法は、ラベルに塗布の使い方が書かれた製品と芝種に限られます。たとえば薄めて使う原液タイプの「ラウンドアップマックスロード」は、日本芝(のしば)で5〜10倍液を雑草の茎葉に塗る使い方が登録されていますが、高麗芝(こうらいしば)や西洋芝はこの登録に含まれていません。
雑草だけに効く「選択性除草剤」
選択性除草剤は、芝への影響を小さく抑えて雑草を枯らすよう作られた除草剤です。芝草はイネ科の植物ですが、芝に安全な成分が開発されています。ただし「日本芝には使えるが西洋芝には使えない」ケースが多くあるため、必ず対応芝種を確認してから使用してください。
芝生に発生する雑草は大きく以下のように分類されます。イネ科雑草の代表はオヒシバ・スズメノカタビラ、広葉雑草ではスギナ・クローバー・カタバミ・タンポポなど。その他、ゼニゴケなどのコケ類や、一年生・多年生という生育サイクルによる分類も重要です。
除草剤が雑草を枯らす主な仕組み
- 光合成を阻害して植物を弱らせる
- 植物の成長ホルモンバランスを撹乱する
- 活性酸素を生成させて細胞を破壊する
- アミノ酸・脂肪酸などの栄養代謝を阻害する
- 細胞分裂を阻害して成長を止める
「茎葉処理剤」と「土壌処理剤」の違い
| 種類 | 使用タイミング | 効果の特徴 |
|---|---|---|
| 茎葉処理剤 | 雑草が生育している時期 | 葉・茎から成分が浸透し効果が早い。スプレー・液体タイプが多い |
| 土壌処理剤 | 雑草が芽生える前(春〜初夏・秋口) | 土中で効果が持続。粒剤タイプが多く、数ヶ月効果が続く |
効果的な雑草対策の組み合わせ
除草剤を最大限に活用するには、それぞれの特性を組み合わせた戦略が効果的です。単独使用よりもはるかに高い除草効果が期待できます。
芝を張る前の更地の状態で、ラウンドアップなどの非選択性除草剤を全面散布します。既存の雑草を根ごと枯らしてから芝張りに臨むことで、その後の管理が格段に楽になります。
春〜初夏の雑草発生シーズン前に、シバキープⅢ粒剤などの土壌処理剤を芝生全面に散布します。シバキープⅢ粒剤の効果は、メーカー表記で約4か月です。
それでも発生したクローバーなどの広葉雑草には、MCPP液剤やシバキープALなどの選択性茎葉処理剤でピンポイント対処します。イネ科雑草にはアージラン液剤を組み合わせるのが効果的です。
除草剤の使用時期と使い方のポイント
土壌処理剤は雑草が芽生える前の春〜初夏、または秋口の使用が適しています。茎葉処理剤は対象雑草の生育時期に合わせて散布します。
除草剤の剤型にはさまざまな種類があります。シャワー剤・スプレー剤・顆粒状の粒剤・微粒剤などそのまま使えるものと、乳剤・水和剤・液剤・水溶剤など水で希釈して使うものがあります。粒剤・微粒剤は効果が出るまで1〜2週間かかりますが、数ヶ月間効果が持続するのが特徴です。一方、シャワー剤やスプレー剤は葉に直接触れることで効果が早く現れます。
「展着剤」を茎葉処理剤と一緒に使うと、薬剤が植物から流れ落ちにくくなり付着効果が高まります。参考:展着剤の役割と使い方 | 日本農薬株式会社
目的の雑草から除草剤を選ぶ
除草剤選びは「どの雑草を退治したいか」から逆算するのが最も効率的です。雑草の種類ごとに効果的な成分・製品が異なります。
| 雑草の種類 | 代表的な雑草 | おすすめ除草剤 |
|---|---|---|
| イネ科雑草 | スズメノカタビラ、メヒシバ、オヒシバ、スズメノヒエ | アージラン液剤、シバニードアップ粒剤 |
| 広葉雑草 | クローバー、カタバミ、タンポポ、ヨモギ、チドメグサ | MCPP液剤、シバキープAL、MCPソーダ塩、ザイトロンアミン液剤(効きにくい雑草もあるので適用雑草を確認) |
| スギナ | スギナ(ツクシ) | シバキープⅢ粒剤、シバニードアップ粒剤(発生初期に土壌処理) |
| カヤツリグサ科 | ハマスゲ、ヒメクグ | シバゲンDF |
| コケ類 | ゼニゴケ | 専用のコケ対策剤 |
| 難防除雑草(複合) | イネ科とカヤツリグサ科の混在など | シバゲンDF+アージラン液剤の組み合わせ |
芝生の除草剤「シバキープ」シリーズの製品ガイド
「シバキープ」はレインボー薬品の芝生向け資材ブランドです。除草剤をはじめ、サッチ分解剤・液肥・殺虫剤まで芝生管理に必要な製品をシリーズで展開しています。ホームセンターやネット通販で入手しやすいのも魅力です。
シバキープⅢ粒剤:高麗芝など日本芝に使える土壌処理剤の定番
長く定番だった「シバキープⅡ粒剤」(シアナジン・メコプロップPカリウム塩)は、現在メーカーの製品一覧に掲載がなく、現行品は「シバキープⅢ粒剤」(メコプロップPカリウム塩・DBN)です。Ⅲ粒剤も日本芝(こうらいしば)専用の土壌処理剤で、メーカー表記の効果は約4ヶ月です。西洋芝には使えません。
- 雑草が生える前〜生え始めにまく土壌処理型の粒剤
- 一年生雑草に加え、スギナなどの広葉雑草の発生を抑える(適用雑草は製品ラベルで確認)
- 肥料は入っていない。肥料も一緒にまきたいなら、除草成分が同じで肥料入りの「シバキーププラスV」
- 大きく育った雑草には効きにくいため、生えてしまった雑草には液剤を使う
使用時期は雑草の生える前〜生え始め。芝生全面にムラなくまきます。使用量と回数は、必ず製品ラベルで確認してください。
「シバキーププラスα」は「シバキープⅢ粒剤」とは別の除草成分を使っており、メヒシバやスズメノカタビラ等のイネ科一年生雑草に効果があります。肥料も配合されており、除草・肥料効果ともに約4か月持続します(メーカー表記)。成分はトリアジフラムとDBNです。日本芝(こうらいしば)に対応しています。
シバキープAL:スポット除草に便利な液状茎葉処理剤
「シバキープAL」は液体の茎葉処理剤で、成分はMCPP(メコプロップ)です。日本芝(こうらいしば)とケンタッキーブルーグラスに発生した、シロザ・コニシキソウ・タデ類・イヌビユ・ブタクサなどの一年生の広葉雑草に使えます。スギナへの登録は、芝生ではなく庭木の周りなどの「樹木等の周辺地」に限られます。なお、イネ科雑草には効果がありません。
天気の良い日に散布してください。散布後6時間以内に雨が降ると成分が流されて効果が劣ることがあります。
西洋芝に使えるシバキープは「AL」
メーカーのシバキープ製品一覧のうち、西洋芝(ケンタッキーブルーグラス)にも使える除草剤は「シバキープAL」です。粒剤(Ⅲ粒剤・プラスα)や、エースシャワー・エース液剤・シャワープラスは日本芝用です。西洋芝の庭では、除草剤の適用芝種を必ずラベルで確認してください。
シバキープProサッチ分解剤:イデコンポ配合で微生物が分解促進
サッチ分解剤として定評のある出光興産開発の「イデコンポ21S」を配合したシリーズ製品です。バチルス菌の力でサッチを効率的に分解します。除草剤ではありませんが、芝生の総合管理に役立つシリーズとして紹介します。
スミフェート粒剤:シバツトガ・スジキリヨトウなどに使う殺虫剤
有機リン系のアセフェートを成分とする粒剤の殺虫剤です(除草剤ではありません)。芝ではシバツトガ・スジキリヨトウ・タマナヤガに登録があり、発生初期に芝生全面へそのまま散布します。使用量と回数はラベルで確認してください。
芝生の除草剤「シバニード」シリーズの製品ガイド
「シバニード」はKINCHO園芸(2025年7月に住友化学園芸から社名変更)の芝生向け資材ブランドです。家庭園芸向けの商品が中心で、園芸店・ホームセンター・ドラッグストアなど身近な場所で入手しやすいのが特徴です。芝生用の除草剤には「シバニードアップ粒剤」「マイターフ シバニードグリーン粒剤」「シバニードシャワー」「シバニードシャワーDX」などがあります。
しつこい雑草退治スプレー(販売終了)
トリクロピルを成分とする、スプレー式で雑草にピンポイントで吹きかける日本芝用の除草剤でしたが、現在はメーカーの販売終了品目に入っています。薄めずにそのまま使える芝生用の液剤を探すなら、同じトリクロピルを含む日本芝用の「シバニードシャワーDX」(アシュラム・トリクロピル。西洋芝には使えません)や、日本芝とケンタッキーブルーグラスに使える「シバニードシャワー」(MCPP)があります。
シバニードアップ粒剤:高麗芝など日本芝のイネ科雑草に効く粒剤
粒状で、容器からそのまままける土壌処理型の除草剤です。成分はシアナジン・DBNで、日本芝(こうらいしば)に使えます。「マイターフ シバニードグリーン粒剤」は、同じ成分に肥料を配合した製品です。
- メヒシバ・スズメノカタビラ等の一年生イネ科雑草に効果的
- オオアレチノギク・カラスノエンドウ等の一年生広葉雑草にも対応
- 散布後5〜10日で枯れ始め、雑草の発生を抑える効果は約4か月続く(メーカー表記)
高温時は芝生に薬害が出るおそれがあるため、夏場の散布は避けてください。メーカーは次の点にも注意するよう案内しています。
- 草丈の高い雑草には効きにくいため、雑草発生前や草丈5cm以下の時期に散布すること
- 高温期・異常乾燥時・芝生が弱っている時は薬害発生の恐れがあるため使用しない
- 砂土では薬害発生の恐れがあるため使用しない
シバニードシャワー:薄めずに使える広葉雑草用の液剤
シャワータイプで、薄めずにそのまま散布できる茎葉処理剤です。成分はMCPP(MCPPカリウム塩)で、日本芝(こうらいしば)とケンタッキーブルーグラスに発生した一年生の広葉雑草に使えます。スギナへの登録は、芝生ではなく庭木の周りなどの「樹木等の周辺地」に限られます。成分と濃度、登録の内容は「シバキープAL」とほぼ同じです。
MCPソーダ塩:クローバー・チドメグサなどの広葉雑草に
クローバーやチドメグサなど、芝生の中の広葉雑草に使われる除草剤です。成分はMCPA(MCPAナトリウム塩)で、日本芝とケンタッキーブルーグラスの一年生・多年生の広葉雑草に登録があります。液剤を水でうすめて噴霧器で散布します(日本芝では1㎡あたり本剤2gを200〜300mlの水でうすめる)。登録は日産化学で、KINCHO園芸が販売しています。メーカーの案内では、カタバミなど枯れにくい雑草もあるとされています。
シバゲンDF:ハマスゲなど幅広い難防除雑草に効く
「シバゲンDF」は石原産業が開発した除草剤で、アミノ酸生合成を阻害して雑草を枯らす仕組みです。日本芝・バミューダグラスに使用でき、茎葉処理効果と土壌処理効果を併せ持つ製品です。
シバゲンDFは雑草が完全に枯れるまで春夏期で20〜30日、秋冬期で30〜40日程度かかります。効果が出ていないと勘違いして撒き直さないよう注意しましょう。
- イネ科・カヤツリグサ科・広葉雑草(一年生〜多年生)まで幅広いスペクトラムをカバー
- 枯れにくいハマスゲ・ヒメクグにも高い効果を発揮
- 雑草発生前〜生育初期の幅広い時期に使用可能
- 薬剤処理後3〜5日で刈り込み可能
- グリーンアージラン液剤・ザイトロンアミン液剤との組み合わせで難防除雑草にも対応
有効成分フラザスルフロンは茎葉および根部から吸収され、植物特有の分岐アミノ酸生成を司るALS(アセトラクテート合成酵素)を阻害することで殺草作用を発揮します。特徴と使い方の詳細はシバゲンDFのページをご参照ください。
MCPP液剤:クローバーなど広葉雑草に使う定番の成分
「シバキープAL」「シバニードシャワー」はMCPP(メコプロップ)を成分とする液剤で、植物の成長ホルモンのバランスを乱して枯らす仕組みです。MCPP液剤は単体でも購入できます。なお「MCPソーダ塩」は、似た仕組みで働く別の成分(MCPA)の除草剤です。
MCPP液剤(丸和バイオケミカル)は日本芝と西洋芝(ブルーグラス)に使用でき、クローバーと一年生の広葉雑草に登録があるのが特徴です。スギナへの登録は、芝生ではなく「樹木等の周辺地」に限られます。イネ科雑草には効果がないため、イネ科雑草に効くアージラン液剤とセットで使用されることがあります。水で希釈して噴霧器で散布します。
真夏など高温時には芝生に薬害が生じることがあります。使用前に必ずMCPP液剤 | 丸和バイオケミカル株式会社グループのQ&Aを確認してから使用しましょう。
アージラン液剤:メヒシバ・スズメノカタビラなどイネ科雑草に効果的
理研グリーンから販売されている「グリーンアージラン液剤」などのアージラン液剤は、日本芝に使用でき雑草育成初期のイネ科雑草に特に効果的です。イネ科雑草とハマスゲなどカヤツリグサ科雑草が混在している場合は、シバゲンDFとアージラン液剤を組み合わせて使用します。
- 対象雑草
-
防除の難しいイネ科雑草(メヒシバ・スズメノカタビラ)に効果的。広葉雑草ではキク科(アレチノギク・ヒメジョオンなど)にも有効。
- 日本芝への安全性
-
生育期(春夏期、薬量0.4〜0.6ml/m²)から休眠期(秋冬期、薬量1.0〜1.25ml/m²)まで幅広く使用可能。
- 安全性・環境への影響
-
毒物に該当しない普通物で、散布後は植物体内または土壌中で比較的速やかに分解されます。人畜毒性・環境影響が少ない薬剤です。
DBN配合除草剤(カペレン粒剤・カソロン粒剤)
DBNは「シバキーププラスα」や「シバニードグリーン粒剤」にも配合されている除草成分で、カペレン粒剤・カソロン粒剤として単体でも販売されています。日本芝では、秋の雑草発生前〜発生始期に芝生全面にまく使い方で、一年生雑草と多年生の広葉雑草に登録があります。スギナへの登録は芝生ではなく「樹木等の周辺地」に限られます。
カペレン粒剤
DBNを成分とする粒剤の除草剤(登録名は「カペレン粒剤2.5」)で、そのまま芝生全面にまいて土の表面で効かせる土壌処理剤です。日本芝では砂の多い土ではなく、壌土〜埴土の土で使う決まりがあるので、ラベルで確認してください。
カソロン粒剤
アグロカネショウのDBNを成分とする除草剤です。カペレン粒剤と同様の効果が期待できる土壌処理型の粒剤です。
ザイトロンアミン液剤:クローバー・チドメグサに効く広葉雑草対策
トリクロピルを成分とする除草剤で、原液を水で薄めて散布します。日本芝に使用でき、クローバー・チドメグサなどの多年生広葉雑草と一年生の広葉雑草に登録があります。西洋芝には使えません。イネ科雑草には効かないため、イネ科雑草に効くアージラン液剤と組み合わせて使われます。
- トリクロピルは合成オーキシン系の除草剤で、茎葉から吸収されて植物体内の成長部位に移行し、植物ホルモン(オーキシン)の働きをかく乱して異常な生育を起こさせ、植物全体を枯らします
- フェノキシ系除草剤では一般に効きにくいチドメグサや、多年生のマメ科・キク科雑草に優れた効果を示します
ラウンドアップ:芝も雑草も枯らすグリホサート系の非選択性除草剤
ラウンドアップマックスロードは、日本では日産化学が登録・販売しているグリホサート系の除草剤です。成分のグリホサートは葉や茎から吸収されて根まで運ばれ、芝も雑草も区別せずに枯らします。土に落ちた成分は土に吸着されて除草の効果を失うため、枯れたあとに植え付けができるのも特徴です。
シリーズには、水で薄めて使う原液タイプの「ラウンドアップマックスロード」と、薄めずにそのまま使うシャワータイプの「ラウンドアップマックスロードAL」などがあります。適用雑草と使い方は、メーカーの適用雑草と使用方法|ラウンドアップマックスロードで確認できます。
芝生の中で使えるのは、原液タイプの「ラウンドアップマックスロード」を日本芝(のしば)で使う場合です。5〜10倍に薄めた液を、筆やハケで雑草の茎葉に塗ります(登録上の使い方は「雑草茎葉塗布」)。高麗芝(こうらいしば)や西洋芝はこの登録に含まれないため、芝生用の選択性除草剤を使ってください。シャワータイプの「AL」は薄めずに使う製品で、芝生の中で使う登録はありません。芝に液が付くと芝も枯れるので、液だれや、塗った雑草を踏んで広げないよう注意してください。
芝生の除草剤選び方まとめ
芝生の除草剤を選ぶ際は、必ず以下の3点を確認してください。
- ①「枯らしたい雑草の種類」は何か(イネ科・広葉・カヤツリグサ科・コケ類)
- ②「適用芝種」に自分の芝が含まれているか(日本芝・西洋芝の違いに注意)
- ③「使用時期」は適切か(土壌処理剤は発生前、茎葉処理剤は生育中)






よくある質問(FAQ)
- 芝生に使える除草剤と使えない除草剤の違いは何ですか?
-
除草剤には「選択性」と「非選択性」の2種類があります。選択性除草剤は芝への影響を小さく抑えて雑草を枯らすタイプで、芝生管理に適しています。非選択性除草剤(ラウンドアップなど)は芝も雑草もすべて枯らしてしまうため、主に芝張り前の更地で使います。芝生の中の雑草に筆やハケで塗る使い方は、ラベルに記載がある場合(原液タイプのラウンドアップマックスロードを日本芝(のしば)に使う場合など)に限られます。また選択性除草剤でも「日本芝専用」「西洋芝不可」など適用芝種が限られるものが多いため、必ずラベルを確認してください。
- クローバーやスギナに効く除草剤はどれですか?
-
芝生の中のクローバーには、MCPP液剤、MCPA系のMCPソーダ塩、トリクロピル系のザイトロンアミン液剤(日本芝のみ)など、クローバーや多年生の広葉雑草に登録がある液剤を使います。芝生の中のスギナには、「シバキープⅢ粒剤」や「シバニードアップ粒剤」など、スギナに登録がある土壌処理型の粒剤を発生初期にまきます。シバキープALやシバニードシャワーなどMCPP系の液剤のスギナへの登録は、芝生以外の場所(樹木等の周辺地)に限られます。西洋芝には使えない製品も多いので、ラベルの適用芝種を確認してください。
- スズメノカタビラやメヒシバ(イネ科雑草)に効く除草剤はどれですか?
-
イネ科雑草にはアージラン液剤やシバニードアップ粒剤、シバキープⅢ粒剤が効果的です。MCPP液剤はイネ科雑草には効かないので注意してください。イネ科雑草と広葉雑草・カヤツリグサ科雑草が混在している場合は、アージラン液剤とシバゲンDFの組み合わせが効果的です。
- 除草剤を散布するのに最適な時期はいつですか?
-
土壌処理剤は雑草が芽生える前の春〜初夏(梅雨前)や秋口が最適な時期です。茎葉処理剤は対象雑草が生育している時期に散布します。ただし、高温期(真夏)や異常乾燥時、芝生が弱っている時期は薬害が生じやすいため避けましょう。雨天・雨の直前も避け、晴れた日に散布するのが基本です。
- 西洋芝(ケンタッキーブルーグラス・ベントグラス)に使える除草剤はありますか?
-
西洋芝に使える除草剤は限られています。ケンタッキーブルーグラスには、MCPP系の液剤(シバキープAL・シバニードシャワー)や、MCPA系のMCPソーダ塩が使用可能です。ベントグラスに使える家庭向けの除草剤はさらに限られ、シバゲンDFはベントグラスなど寒地型西洋芝には薬害を生じるため使用できません。使用前に必ず製品ラベルの適用芝種を確認してください。









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