8月は日本各地で猛暑日が続き、最低気温でも熱帯夜になる日が珍しくない季節です。暖地型の高麗芝(コウライシバ)にとっては繁殖の最盛期である一方、寒地型の西洋芝にとっては夏枯れリスクが最も高まる時期でもあります。同じ「芝生」でも、種類によって8月の手入れ方針はまったく異なります。この記事では、コウライシバ・西洋芝それぞれの8月の作業内容と注意点を、芝刈り・水やり・施肥・病害虫対策まで網羅して解説します。
暖地型芝草の代表として高麗芝(コウライシバ)、寒地型芝草の代表として西洋芝を取り上げます。対象エリアは主に関東以西を想定しています。お住まいの地域の気候に合わせて適宜読み替えてください。
8月の気候と芝生の生育状況
東京の8月は平均気温27度、最低気温でも23度前後で推移します。暖地型芝草の生育適温は25〜35度であるため、コウライシバはまさに旺盛な生長期を迎えます。一方、寒地型芝草の生育適温は5〜15度であり、8月の気温はそれより10度以上高くなります。水分管理を怠ると夏枯れを起こしやすい点に注意が必要です。
| 項目 | コウライシバ(暖地型) | 西洋芝(寒地型) |
|---|---|---|
| 生育適温 | 25〜35度 | 5〜15度 |
| 8月の生育状況 | 繁殖の最盛期 | ほぼ生育停止・夏枯れリスク大 |
| 水やり頻度 | 雨不足時のみ | 毎日午前中に必須 |
| 芝刈り頻度 | 週1〜2回程度 | 月1回程度 |
| 施肥 | 化成肥料30g/m²推奨 | 不要 |
北海道などの寒冷地では西洋芝(ケンタッキーブルーグラスなど)が一般的です。寒冷地では8月でも気温が落ち着くため、関東以西と比べて夏枯れのリスクは低くなります。
8月後半〜9月は芝生の種まき(秋まき)の適期
暑さが和らいでくる8月後半から9月にかけては、芝生の種まきに最適な時季です。芝生の播種には春まきと秋まきの2種類がありますが、暑さに弱い寒地型の西洋芝には秋まきが推奨されています。春まきだと夏の暑さを苗の状態で迎えることになり、定着前に枯れてしまうリスクがあるためです。
秋まきの理想的なスケジュールは、最高気温が30度を下回りはじめた頃に播種し、発芽・定着した状態で冬を迎えることです。冬の休眠期を経て翌春に旺盛な生長が始まるため、長期的に健全な芝生を育てやすくなります。
最高気温が連日30度を下回るようになってから播種を開始するのがベストです。8月後半の残暑が厳しい年は、無理に早めず9月上旬まで待つのが安全です。



8月のコウライシバ(暖地型・夏芝)の手入れ
コウライシバにとって8月は一年で最も生育が活発な時期です。適切に管理すれば密度が高まり、雑草も侵入しにくい強い芝生に仕上がります。主な作業は下記のとおりです。
- 芝刈り(週1〜2回)
- エアレーションなどの更新作業(真夏は避ける)
- 雑草の除去
- 乾燥時の水やり
- 施肥(化成肥料30g/m²)
- 害虫・病気の確認と防除
芝刈り
コウライシバの8月は生育が旺盛なため、週1〜2回程度の芝刈りが目安です。定期的な刈り込みは横への伸長(ランナー)を促し、傷んだ部分の回復を早める効果があります。一方で、長期間放置したまま一度に大きく刈り込むと「軸刈り」が発生し、葉のない茎だけが残って茶色く枯れたように見えてしまいます。
伸びすぎている場合は無理に低く刈らず、翌シーズンの生育開始時に低刈りしてリセットするのが安全です。軸刈りは回復に時間がかかるため、できる限り避けましょう。



エアレーションなどの更新作業
エアレーション(穴あけ)や根切りといった更新作業は芝生に一時的なダメージを与えます。作業後は回復期間が必要なため、真夏日が続く盛夏は避け、気温が落ち着いた時期に逆算してスケジュールを組むのが賢明です。8月に行う場合は月の前半か、暑さが少し和らいだ月末を狙いましょう。
草取り
コウライシバが勢いよく生育している8月は、芝自体の密度が高まるため雑草が入り込みにくい時期です。ただし取り残した雑草があれば見つけ次第除去しておきましょう。特に秋以降に勢力を伸ばすスズメノカタビラなどは、この時期にしっかり除いておくことが予防につながります。



水やり
コウライシバは乾燥に強い芝ですが、雨が降らない乾燥した日が続く場合は水やりが必要です。葉が針のように細く丸まってきたら乾燥が進んでいるサインです。近年は猛暑が長期化する傾向があるため、週2〜3回の水やりを目安にするとよいでしょう。



施肥
化成肥料を30g/m²を目安に施し、散布後は水やりで土中に浸透させます。生育ピークの7〜8月に適切な施肥を行うと芝の密度がさらに高まり、雑草が侵入しにくい状態を作れます。



病害虫
生育旺盛な8月のコウライシバは、病気の発生リスクは低い時期です。春先に傷んでいた箇所もランナーによって回復が進みます。ヨトウやツトガが発生することがありますが、芝の生長力のほうが勝るため深刻になりにくいのが一般的です。ただしツトガは年に数回発生するため、オルトランなどの殺虫剤を適宜使用して予防的に管理しましょう。






芝刈りを週1〜2回継続しながら、施肥と乾燥時の水やりで密度を高めましょう。更新作業は盛夏を避け、病害虫は必要に応じて殺虫剤で対処します。
8月の西洋芝(寒地型・冬芝)の手入れ
西洋芝にとって8月は最も過酷な時期です。高温と乾燥が続く中で芝を生き延びさせることが最優先の目標になります。コウライシバとは逆に、作業量を最小限に抑えて芝へのストレスを減らすことが管理の基本方針です。
西洋芝の夏はどれくらい大変なのでしょうか?




夏の西洋芝管理は水やりが肝心です。毎日の散水を怠ると数日で枯れ込んでしまうことがあります。スプリンクラーを活用して確実に水分を補給しましょう。
芝刈り
8月の西洋芝はほぼ生育が停止しています。芝刈りは月1回程度で十分です。刈り込みによる余計なストレスを与えないよう、最低限の管理にとどめましょう。



病害虫
芝が弱っている8月は、病害虫が発生しやすいタイミングです。ダラースポットやラージパッチなどの病気が出やすくなります。また、ヨトウやツトガなどの食害害虫も活動するため、変色や枯れ込みが見られたら早めに対処することが大切です。
- ダラースポット(円形の黄変・枯れ込み)
- ラージパッチ(大型の輪状枯れ)
- ヨトウムシ・ツトガの食害






草取り
病害虫の被害で枯れや裸地が生じると、そこに雑草が侵入してきます。放置すると秋以降に雑草が広がるため、見つけ次第早めに除去しましょう。



水やり
西洋芝の夏越しで最も重要な作業が水やりです。毎日午前中に水やりすることを基本とし、日中の高温時は地表が蒸れて芝が傷む原因となるため避けてください。また、湿る程度の少量散水では根に届かないため、一度にたっぷりと根まで水が届く量を与えるほうが効果的です。
スプリンクラーを活用すると散水の手間が大幅に省けます。タイマー設定で早朝自動散水が可能になり、夏の水やり管理を楽にしてくれます。





施肥
西洋芝は8月の高温期に肥料を施す必要はありません。生育が停止している時期の施肥は肥料焼けや病気のリスクを高めるだけです。施肥は涼しくなって生育が再開する9月以降を待ちましょう。
8月の西洋芝管理は「夏を生き延びること」が最優先です。毎日の水やり・病害虫の早期発見・施肥ゼロのシンプルな方針で乗り切りましょう。秋になれば自然と生育が回復します。
8月前後(7月・9月)の芝生の手入れとの比較
8月の手入れは前後の月とどう違うのかを把握しておくと、年間スケジュールが立てやすくなります。7月は梅雨明けとともにコウライシバが一気に生長期に入り、西洋芝は暑さで水やり頻度を増やす時期です。9月下旬になると気温が下がり始め、コウライシバの勢いが落ち着く一方で、西洋芝は生育を再開します。
| 月 | コウライシバ | 西洋芝 |
|---|---|---|
| 7月 | 梅雨明けで生育加速。芝刈り頻度を上げる | 暑さで弱り始める。水やり頻度を増やす |
| 8月 | 繁殖の最盛期。施肥・芝刈りを継続 | 生育ほぼ停止。毎日水やりで夏越しを図る |
| 9月 | 下旬から生長が落ち着いてくる | 気温低下とともに生育が再開 |






よくある質問(FAQ)
- 8月にコウライシバが茶色くなってきたのですが、枯れていますか?
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原因が乾燥か軸刈りかによって対応が異なります。葉が針状に丸まっている場合は乾燥サインなので水やりで改善します。芝刈りで緑の葉がなくなった軸刈り状態の場合は、刈り込みを一時停止して回復を待ちましょう。どちらでもない場合は病害虫の可能性もあるため、葉の状態をよく観察してください。
- 8月に西洋芝の水やりを忘れてしまいました。対処法はありますか?
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数日程度であれば、たっぷりと水やりを再開することで回復する場合があります。葉色が黄みがかってきた程度なら回復の見込みがあるため、早朝にしっかり散水してください。完全に枯れ込んでしまった場合は秋以降の種まきや張り替えを検討する必要があります。
- 8月に芝生の種まきをしてもよいですか?
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コウライシバの種まきは夏が適期ですが、西洋芝は最高気温が30度を下回る8月後半〜9月以降に行うのが推奨です。高温期に西洋芝の種をまくと発芽しても暑さで枯れてしまうリスクが高いため、残暑が続く場合は少し待ってから播種するのが安全です。
- 8月のコウライシバへの施肥はどのように行えばよいですか?
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化成肥料を30g/m²を目安に均一に散布し、施肥後すぐに水やりして肥料を土中に浸透させます。液体肥料の場合はパッケージの希釈倍率に従って水やりと同時に施します。高温期は肥料焼けが起きやすいため、過剰施肥には注意してください。
コウライシバは週1〜2回の芝刈りと施肥で密度を高める最盛期。西洋芝は毎日の水やりを欠かさず、施肥ゼロで夏越しに集中する時期です。種類によって方針がまったく異なるため、自分の芝の種類を正確に把握した上で管理しましょう。





