桜が散り、春本番を迎える4月は、芝生の変化がとくに大きい時期です。暖地型のコウライシバは一斉に芽吹き、1ヶ月ほどかけて緑の芝生へと姿を変えていきます。すでに生育が盛んになっている寒地型の西洋芝は、週に一度の芝刈りが必要になるほどの伸びを見せ始めます。
日本芝と西洋芝のどちらを育てているかで、4月にやるべき作業はかなり違います。越冬していた芝生の雑草が伸びる時期でもあるため、早めの除草がその後の管理の手間を大きく左右します。この記事では、芝刈り・水やり・施肥・除草・目土入れといった作業を、日本芝と西洋芝それぞれの視点から整理しました。
芝生の管理はその土地の気候によって変わります。ここでは暖地型芝草の代表である高麗芝(コウライシバ)と、寒地型芝草の代表である西洋芝を取り上げ、関東以西のエリアを想定して解説します。
4月の気候と芝生の生育状況
東京の4月の平均気温はおよそ15度です。この気温を目安に、コウライシバは一斉に芽吹きます。芽が出てから完全に緑一色になるまでには、1ヶ月ほどの時間が必要になります。
寒地型芝草の西洋芝は、春と秋を生育適温の時期とする芝草です。4月はまさにその適温期に入っており、旺盛に生長します。芝刈りの頻度も、この時期から一気に増えていきます。
4月は芝生の種まきに適した時期か
種まきの適期は、芝草の種類によって発芽適温が違うため一律には決まりません。日本芝のノシバや西洋芝のバミューダグラスなど暖地型芝草は、25度以上でようやく発芽します。一方、西洋芝のケンタッキーブルーグラス、ベントグラス類、ライグラス類、フェスク類といった寒地型芝草は、15度以上あれば発芽します。
| 芝草のタイプ | 代表的な品種 | 発芽適温 |
|---|---|---|
| 暖地型芝草(夏芝) | ノシバ、バミューダグラス | 25度以上 |
| 寒地型芝草(冬芝) | ケンタッキーブルーグラス、ベントグラス類、ライグラス類、フェスク類 | 15度以上 |
関東以西であれば、4月の平均気温15度を超えてくるため、寒地型西洋芝の種まき適期に入ります。夏芝である暖地型芝草にはまだ気温が足りません。
4月に西洋芝の種をまいても大丈夫でしょうか。




発芽適温には入っていますが、寒地型西洋芝は夏に枯れやすい特性を持っています。4月にまいた芝は真夏を迎える前にしっかり根を張れないことも多く、定着しやすいのは秋まきです。まくなら秋まきを優先し、4月はあくまで補助的なタイミングと考えるのが安全です。
寒さに強い品種を含む混合西洋芝は、10度から15度以上あればいつまいても発芽するとされています。ただし夏枯れのリスクを避けたいなら、やはり秋まきが優先です。



種まきと並行して、西洋芝の播種方法や品種選びについては3月中旬に植えた西洋芝の発芽具合も参考になります。適した品種を選べば、その後の管理の負担を減らせます。
4月のコウライシバ(暖地型芝草・夏芝)の手入れ
暖地型芝草のコウライシバにとって、4月はまだ本格稼働前の準備期間です。芝刈りや水やりはほとんど不要ですが、芝張りや除草、目土入れ、施肥といった作業は今のうちに済ませておきたいところです。作業ごとに優先度を見ていきます。
芝刈り、水やり
まだ芝丈が伸びていないため、芝刈りは不要です。水やりも基本的には必要ありませんが、乾燥が続く場合は水やりによって芽生えが促進されます。
芝張り、張替え、補修
4月は芝張りや張替え、補修の適期です。気温の上昇にあわせて根付きやすくなるため、剥げてしまった部分の補修や、新規の芝張りを検討しているなら、この時期に動くのが理にかなっています。






雑草対策の除草剤と草取り
越冬していた雑草が伸びる時期なので、早めの除草が肝心です。とくに手を焼くのがスギナです。抜こうとしても茎がすぐ折れてしまい、地下に残った地下茎から再生してくるため、芝刈りや草取りではほとんど効果が出ません。
春に出るツクシは風情のある植物ですが、実はスギナの生殖器官で、芝生の雑草としては難防除雑草として扱われています。効果的なのは、茎葉に塗って吸収させ、地下茎まで浸透させるMCPP液剤という除草剤です。
- MCPP液剤をハケなどで茎葉に塗布し、地下茎まで薬剤を浸透させる
- 伸びてきた早い段階で対処し、群落が広がる前に処理する
- 手で引っ張って地上部だけを取り除く
- 芝刈りの頻度を上げるだけで対処しようとする



目土入れ
葉が伸びてくると、地表の凹凸がわかりづらくなります。冬の間に低い場所を見当付けておき、そこが埋まるように目土(目砂)を入れておくと、あとからの作業がスムーズです。



肥料を施す
芝生は肥料が要らないというイメージを持つ方も多いのですが、成長期にきちんと肥料を与えることで芝の密度が濃くなり、結果的に雑草の侵入を防いで管理が楽になるという利点があります。
化成肥料を1平方メートルあたり20グラムほど与えたあと、水やりをします。肥料が偏ると芝草の濃淡に差が出ますが、水やりによってその偏りは緩和できます。
成長期の施肥は、単に芝を濃い緑にするだけではありません。密度が上がることで雑草が根を張るスペースが減り、除草の手間そのものを軽くする効果も期待できます。



病害虫
春先には春ハゲ病などによるパッチ状の変色が出ることがあります。これは気温上昇とともに自然に回復していくため、特別な対処は必要ありません。
4月の西洋芝(寒地型芝草・冬芝)の手入れ
コウライシバがまだ準備期間にある一方、西洋芝は4月からすでに本格的な管理が始まります。生育が旺盛になる分、芝刈り・除草・施肥のいずれも早めの対応が求められます。
芝刈り
旺盛に生育する時期に入るため、週1回程度の芝刈りが必要になります。伸びすぎてから刈ると芝への負担が大きくなるので、伸びる前のペースで刈っていくことが大切です。
雑草対策の除草剤と草取り
コウライシバと同様、越冬していた雑草が伸びる時期です。西洋芝は密になるスピードが早い分、雑草に隠れて発見が遅れることもあるため、早めの除草を心がけます。
芝生に肥料を施して水やり
西洋芝は日本芝と比べて全般に生長が早い芝草です。芝刈りをしていれば、刈りカスの多さからその生長の速さを実感するはずです。この速い生長を支えるためには、肥料が欠かせません。
化成肥料を1平方メートルあたり20グラム与えたあと、水やりをします。肥料が偏ると濃淡の差が出ますが、水やりで緩和できる点はコウライシバと同じです。






芝刈りが多い西洋芝
西洋芝は日本芝より生長が早く、芝草で地表が覆われるのも早いというメリットがあります。ただし、その分芝刈りの回数が増えるというデメリットも抱えています。
日本芝も西洋芝も、最盛期には週1回の芝刈り頻度になります。日本芝はこの頻度が7月と8月のみですが、西洋芝は4月、5月、6月、7月、9月、10月と続くため、年間の作業量には数倍の差が生まれます。
| 芝草のタイプ | 週1回の芝刈りが必要な月 |
|---|---|
| 日本芝(コウライシバなど) | 7月、8月 |
| 西洋芝(寒地型) | 4月、5月、6月、7月、9月、10月 |
見た目の美しさや生長の早さに惹かれて西洋芝を選ぶ場合は、芝刈りの手間が増える点もあわせて考えておくと、あとで負担に感じにくくなります。
4月の前後3月、5月の芝生の手入れ
4月だけを切り出して考えると作業内容が見えにくくなります。前後の月とつなげて眺めると、芝生の季節の移り変わりがよくわかります。
気温が上がり始めるこの時期、コウライシバは芽が出始めます。西洋芝は生育を再開し、鮮やかな緑色を取り戻していきます。
コウライシバが一斉に芽吹き、緑化が進みます。西洋芝は週1回の芝刈りが必要になるほど旺盛に生育し、除草と施肥のタイミングでもあります。
コウライシバの芽も出揃い、芝刈りを再開する時期です。西洋芝は春の生育最盛期を迎え、管理の手間がもっとも増える時期のひとつになります。






- コウライシバは芝張り・除草・目土入れ・施肥を中心に、芝刈りと水やりはほぼ不要
- 西洋芝は週1回の芝刈りを基本に、除草と施肥を早めに進める
- スギナなどの越冬雑草は伸びる前に除草を済ませておく
- 種まきをするなら寒地型西洋芝が対象だが、定着させたいなら秋まきが優先
4月は、コウライシバが芽吹きに向けて準備を進め、西洋芝は生育の最盛期に入っていく時期です。日本芝は芝張りや除草、目土入れを中心に動き、西洋芝は芝刈り、除草、施肥をこまめに続けていくことになります。どちらの芝を育てているかによって手順は変わりますが、越冬雑草の早期除草と成長期の施肥は共通して重要な作業です。
よくある質問
- 4月にコウライシバの芝刈りはしなくてよいのですか。
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4月時点ではまだ芝丈が伸びていないため、芝刈りは基本的に不要です。芝刈りが必要になるのは5月以降で、芽が出揃ってからです。乾燥が続く場合は、芽生えを促すために水やりを検討してください。
- 西洋芝はなぜ芝刈りの回数が多いのですか。
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西洋芝は日本芝より生長が早い性質を持つためです。日本芝の芝刈り適期は7月と8月のみですが、西洋芝は4月から10月まで断続的に週1回の芝刈りが必要になり、年間の作業量に大きな差が出ます。
- スギナはなぜ抜いても再生するのですか。
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スギナは地下茎で増える植物で、地上部の茎を抜いても地下茎が残っていれば再生します。芝刈りや草取りでは地下茎まで除去できないため、茎葉から吸収させて根まで効かせるMCPP液剤などの除草剤が有効です。
- 4月の施肥はどのくらいの量が目安ですか。
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日本芝、西洋芝ともに、化成肥料を1平方メートルあたり20グラム程度与えるのが目安です。施肥後は水やりを行うことで、肥料の偏りによる芝草の濃淡差を緩和できます。
- 4月に西洋芝の種をまいても発芽しますか。
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寒地型西洋芝の発芽適温は15度以上のため、関東以西の4月であれば発芽自体は可能です。ただし夏に枯れやすいというリスクがあり、定着させるなら秋まきのほうが安全です。







