芝張り、種まき、サッチング、エアレーションなど、目土を必要とする芝生の手入れは数多くあります。さらに、芝生を元気に保つために年に1回は目土入れを行うことが推奨されています。この記事では、目土入れの目的・具体的な方法・注意点をわかりやすく解説します。これを読めば、初めての方でも正しい目土入れができるようになります。
目土入れって何のためにするの?土をかぶせるだけ?と思っていました。




目土入れには芝生の活性化・でこぼこ修正・根の保護など複数の役割があります。ただ土をかぶせるのとは全然違いますよ。正しい方法を知っておくことが大切です。
目土入れの目的とは
芝生は一度植えると土を掘り返す機会がほとんどありません。年月が経つにつれて、サッチが堆積したり、地面がでこぼこになったりして、通気性や水はけが悪化します。こうした環境は芝生の生育に悪影響を与えるだけでなく、カビやキノコの発生原因にもなります。
また、目土が流出したり、踏み固めによって地下茎(ランナー)が地表に露出してしまうこともあります。このように露出した根・浮いたランナー・成長点を目土で覆って保護し、芝生を再活性化させることが目土入れの最大の目的です。でこぼこを修正して平坦な芝面を維持する効果もあります。
- 露出したランナー・根・成長点の保護
- 地表面のでこぼこ修正・平坦化
- 通気性・水はけの改善
- 芝生全体の活性化と根の伸長促進
芝生の成長のしくみを知っておこう
目土入れを正しく行うためには、芝生がどのように成長するかを理解しておくことが重要です。日本で最もよく使われている高麗芝(コウライシバ)の場合、地上・地中にランナー(匍匐茎)を伸ばして増えていきます。ランナーの「節」から新たな葉や根が出て、少しずつ陣地を広げていきます。また日本芝・西洋芝ともに、地表近くにある「成長点」から新しい葉が生長します。
露出したランナーを目土で覆うことで根が出やすくなり、踏圧による成長点へのダメージも軽減できます。目土の量の目安は、光合成に必要な葉が完全に埋まらない3〜6mm程度です。入れすぎると葉が光合成できなくなり、芝が枯れる原因になるので注意しましょう。
芝生が伸びすぎたので思い切って刈ったら枯れてしまった、という経験はないでしょうか。芝の茎が成長すると成長点の位置も高くなります。成長点ごと刈り取ってしまうと、生育が旺盛な時期なら回復しますが、夏以降はそのまま枯れてしまうことがあります。これが「軸刈り」です。成長点を目土で保護することは、こうしたリスクへの備えにもなります。
目土入れの方法:シーン別に解説
サッチング後の目土入れ
目土入れの前には必ずサッチング(古い枯れ草の除去)を行いましょう。厚いサッチの層が残ったまま目土を入れると、通気性の悪い層を土で固めてしまうことになり逆効果です。
高麗芝などの夏芝(日本芝)は冬季に地上部が枯れ、その葉やランナーがサッチとして堆積します。分解途中の層が積み重なると通気性・水はけが著しく低下し、芝生の生育が悪化するうえ、カビやキノコの温床にもなります。
年1〜2回、レーキを使って枯れ草・堆積物を丁寧に掻き出します。適期は4〜10月。湿気がこもりやすい梅雨前には必ず行いましょう。レーキで引っ掻くと根が露出したりランナーが浮いたりします。
サッチング後、露出したランナーや根を保護するように目土を薄く(3〜6mm程度)撒きます。レーキの背やトンボを使って芝の隙間に刷り込むように広げます。
目土入れ後はたっぷり水やりをして土を芝の根元になじませます。水やり後に葉が出ている状態を確認しましょう。
なお、常緑芝を維持するために冬芝でオーバーシーディングを検討している場合も、先にサッチングを行う必要があります。サッチが残っていると種が地面まで届かず、発芽率が大幅に下がってしまいます。
サッチングに使うレーキはこちらが定番です(


芝生のでこぼこを目土で修正する方法
芝生の表面が凸凹になると見た目が悪いだけでなく、水たまりができて水はけが悪化します。でこぼこの修正にも目土・目砂が活躍します。芝の葉がある程度ある状態で、低い部分を埋めるように目土を入れましょう。芝生のデコボコを直して整地する方法(目土・転圧)
レーキの背やトンボを使って砂や土を地面に広げ、芝生の隙間に刷り込みます。面積が小さい場合はふるいを使って均一に撒く方法も効果的です。
深さ5cm以上のへこみや、粘土質の土が露出している箇所に一度に大量の目土を入れると、芝の葉が完全に埋まって枯れる原因になります。目土入れは複数回に分けて少しずつ行いましょう。状態がひどい場合は芝を剥がして目土で埋め、芝を張り直す方が結果的に早く回復できます。
表面からだけでなく、鎌などで芝生に切れ目を入れて持ち上げ、凸部の下の土を掻き出したり、凹部の下に目土を入れる方法もあります。切れ目には目土を施してなじませましょう。目土には刀川平和農園の平和 芝の目土・床土 25リットル×2袋セット (約50リットル)(


芝生を植えた後の目土には、土よりも水はけに優れる目砂がおすすめです(


エアレーション後の目土入れ
芝生を植えて3〜5年が経過すると、踏み固めや根詰まりで土中の通気性・透水性が低下してきます。そこで定期的にローンスパイクなどの道具で穴を空け、土壌環境を改善する「エアレーション」が必要になります。
ローンスパイクには5〜10cm間隔で刃が付いており、体重をかけて押し込み前後左右に揺さぶることで穴が開きます。この穴に目土を入れ、肥料も与えて約1ヶ月養生します。エアレーションの適期は2〜3月。根切りによって根詰まりが解消され、新たな根が伸びて芝生が活性化します。
専用道具としてはキンボシのゴールデンスター 芝生手入具 ローンスパイクJr 4011(





- 穴への目土充填で土壌の通気性・透水性が向上
- 根切り効果で根詰まりが解消され新根の伸長を促進
- 肥料の浸透率が高まり芝生全体が活性化
- 約1ヶ月の養生後に芝生の密度・色味が改善
目土の選び方:土・砂・市販品を比較
目土には市販の専用品のほか、砂(目砂)や一般的な黒土など複数の選択肢があります。それぞれの特徴を把握して、用途に合ったものを選びましょう。
| 種類 | 水はけ | コスト | おすすめシーン | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 市販の目土(専用品) | 良好 | 中〜高 | 全般的な目土入れ・でこぼこ修正 | 特になし |
| 目砂(川砂・山砂) | 非常に良好 | 低〜中 | 芝張り後・水はけ改善 | 栄養分がほぼない |
| 黒土・畑の土 | やや悪い | 低 | 緊急用途 | 雑草の種が混入しやすく、長期的に水はけが悪化 |
芝を植えた後の目土は水はけに優れる目砂が適しています。黒土や畑の土は安価ですが雑草の種が混入しているリスクがあり、長期的には水はけも悪化するため、できるだけ専用品か目砂を使うことをおすすめします。
目土入れで失敗しないための注意点
正しい目土入れでも、いくつかのポイントを押さえないと芝生を傷めてしまいます。よくある失敗例と対策をまとめました。
- 目土を入れすぎて芝の葉が完全に埋まり、光合成ができなくなる
- サッチングをせずに目土を入れ、通気性の悪い層を固めてしまう
- 黒土や畑の土を使い、雑草が大量発生する
- 深いでこぼこを一度に埋めようとして芝を枯らしてしまう
- 目土は3〜6mmを目安に薄く均一に撒く
- 目土入れの前にサッチングを行う
- 目土・目砂は芝生専用品または清潔な川砂を使用する
- 深いでこぼこは複数回に分けて少しずつ補修する
目土入れ後に水やりをしても、必ず芝の葉が地表に出ている状態を確認してください。葉が完全に覆われていると光合成ができず、芝が枯れてしまいます。
目土入れは芝生の健康を長期的に維持するための基本作業です。目的(サッチング後・でこぼこ修正・エアレーション後)に合わせた手順で行い、適切な目土を選び、入れすぎに注意することが成功の鍵です。年1回の定期的な目土入れを習慣にして、美しい芝生を育てましょう。
よくある質問(FAQ)
- 目土入れはいつ行うのがベストですか?
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サッチングを兼ねた目土入れの適期は4〜10月です。特に梅雨前(5〜6月)に一度行っておくと、蒸れやカビの予防に効果的です。エアレーションを伴う目土入れは2〜3月が適期とされています。
- 目土と目砂はどちらを使えばいいですか?
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芝生を新たに植えた後や、水はけの改善が目的の場合は水はけに優れる目砂がおすすめです。でこぼこ修正や一般的な目土入れには、芝生専用の市販目土が使いやすく便利です。黒土や畑の土は雑草の混入リスクや水はけ悪化の恐れがあるため、避けることをおすすめします。
- 目土を入れすぎたらどうなりますか?
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芝の葉が完全に目土に埋まってしまうと、光合成ができなくなり芝が枯れてしまいます。目土の量は3〜6mm程度を目安にし、水やり後も葉が地表に出ている状態を保つことが重要です。入れすぎた場合は早めに余分な土を取り除きましょう。
- ランナー(匍匐茎)が露出しているとどうなりますか?
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ランナーが地表に露出したままだと乾燥や踏圧によるダメージを受けやすくなります。目土を薄くかけてランナーの節が地面に接した状態にすることで、節から根や葉が伸びやすくなり芝生が活性化します。ランナーが完全に埋まるほど目土を入れる必要はなく、節が接地する程度で十分です。








