「庭に芝生を張りたいけど、どの方法を選べばいいのかわからない」——そんな疑問を持つ方に向けて、本記事ではホームセンターで購入できる切り芝を使った芝張りの全手順を丁寧に解説します。張り方の種類(目地張り・ベタ張り・市松張り・すじ張り)から、芝張り前の下準備、適切な時期の選び方、さらにコストを劇的に抑えられる「鳥取方式」まで、初心者でも迷わず実践できる情報をまとめました。
切り芝って何枚用意すればいいの?張り方によって何か違いはある?




張り方によってコストや仕上がりまでの期間が大きく変わります。この記事で自分の庭に合った方法を選んでみてください。
芝張りに適した季節・時期
芝張りは一年中いつでもできるわけではなく、成功率を高めるためには適した時期を選ぶことが重要です。暑すぎる真夏や寒い冬は根付きが悪くなり、養生期間も長くなってしまいます。
関東以西で広く普及している高麗芝の生育適温は25〜35度で、15度を下回ると成長がほぼ止まります。この生育リズムを季節に当てはめると、芝張りに最適な時期は4月〜5月。初秋(9月上旬)も選択肢に入ります。関東・関西では6月前半には梅雨入りしますが、梅雨入り前に張り終えておくと水やりの手間が大幅に省けます。
4月〜5月に張れば根付きが安定しやすく、梅雨の雨を利用して水やりの手間も軽減できます。梅雨入りを考慮すると、根付きに必要な約1ヶ月の余裕を見て5月中旬までに作業を完了させるのが理想的です。
重ねた切り芝が傷む原因の一つが「蒸れ」です。段ボールも劣化するため、雨の日は出荷しない芝産地もあるほど。作業日まで日数がある場合は芝を立てかけて保管し、蒸れを防いでください。
芝張りに必要な切り芝の量の計算方法
切り芝は芝生の販売形態と購入方法で触れているように、およそ30cm角の切り芝を9〜10枚束ねたものを1単位(1束)として販売されています。使用する張り方(目地の広さ)によって必要量は変わりますが、基本的には1束=約1〜1.2平米で計算すると購入量の目安が立てやすくなります。
| 張り方 | 必要な切り芝の量(ベタ張り比) | 全面芝になるまでの目安 |
|---|---|---|
| ベタ張り | 100%(基準) | 最短・即時に近い仕上がり |
| 目地張り | 約80% | 4月張りで8月ごろ全面 |
| 市松張り | 約50% | 4月張りで10月ごろ全面 |
| すじ張り | 約50% | 目地張りより時間がかかる |
切り芝は少し多めに購入しておくと、部分的な補修にも対応できて安心です。
芝張り前の下準備:草取り・整地・排水対策
芝張りの出来栄えと長期的な維持管理のしやすさは、張り付け前の下準備の丁寧さで決まると言っても過言ではありません。一度芝を張ると土を掘り起こすことが難しくなるため、この段階で徹底的に対処しておきましょう。
芝張りが完了すると土を掘り起こせなくなるため、事前に雑草を根ごと徹底的に除去します。芝生の雑草対策に登場するスギナ・ハマスゲ・クローバーなど、地上部を刈り取っても根から再生する種類は特に注意が必要です。手作業での除去が困難な場合は非選択性除草剤の使用も選択肢の一つです。なお除草剤使用後は有効成分が土中に残らないよう、使用から芝張りまで適切な期間を空けてください。商品例:


レーキなどで地面を5cm程度耕し、平らに均します。土の塊・石・雑草の根なども丁寧に取り除きましょう。地面が硬い・粘土質といった場合は表土を取り除き、芝生専用の床土(床砂)を入れると根の張りが改善します。家庭用には肥料と水はけを考慮した専用商品が便利です。例:


特に西洋芝は水はけの悪い土壌に弱く、粘土質の場所では洗い砂などで土壌改良が必要です。排水対策として、1mあたり1〜2cm低くなる程度のゆるやかな傾斜をつけ、芝表面を水が流れるようにしましょう。芝植え付け後の目土には、土よりも水はけのよい目砂が好まれます。例:


芝生の張り方4種類:特徴と選び方
切り芝を使った芝張りには、大きく分けて4つの方法があります。それぞれコスト・仕上がりの美しさ・全面緑化までの期間が異なるため、予算と目的に合わせて選択することが重要です。
目地張り:コストと仕上がりのバランス型
目地張りはもっとも一般的な芝張り方法で、切り芝同士の間に3〜5cmの隙間(目地)を設け、レンガ積みのような模様に並べていきます。隙間には目土を充填します。4月に張れば成長が進み、8月ごろには全面が緑で覆われます。使用する切り芝の量はベタ張りの約80%で済むため、コストを抑えながら比較的早く仕上げたい方に向いています。
ベタ張り:仕上がり重視のプレミアム張り
ベタ張り(平張り)は切り芝を隙間なく全面に敷き詰める方法です。面積が広い場合はロール芝でも同様の効果が得られます。目地がないため仕上がりが最も美しく、公園や観光地など美観が求められる場所でも採用されています。デメリットは切り芝のコストが目地張りの1.5〜2倍近くかかること。予算に余裕があればベタ張りが最もおすすめです。
ベタ張り・目地張りに共通する注意点として、切り芝の継ぎ目が「十字路」にならないよう、レンガ積み模様に並べることが鉄則です。継ぎ目が十字路になると雨で目土・床土が流れやすくなります。レンガ積みにすると芝同士が接する面積も増え、全面が早く埋まるメリットもあります。
市松張り:コストを半分に抑える節約型
市松張り(いちまつばり)は1枚おきに芝を張る方法で、使用する切り芝の量をベタ張りの約50%に抑えられます。4月に張れば10月ごろに全面が緑になります。コストを大幅に削減したい方に向いていますが、隙間に雑草が生えやすいため、全面緑化までの管理に手間がかかる点は覚悟が必要です。
すじ張り:傾斜地に強い省コスト張り
すじ張り(条張り)は5〜10cm幅に切った芝草を5〜10cmの隙間をあけて1列ずつ並べる方法です。切り芝を切らずにそのまま並べても同様の効果が得られます。法面など傾斜地でも無理なく施工できるのが大きなメリットで、使用量は市松張り同様、ベタ張りの約50%で済みます。ただし全面が芝になるまでの時間は目地張りより長くかかります。
傾斜のある庭や法面にはすじ張りが最適。施工のしやすさと省コストを両立できます。
4つの張り方を徹底比較
| 張り方 | コスト(切り芝量) | 仕上がりの美しさ | 全面緑化の速さ | おすすめの場面 |
|---|---|---|---|---|
| ベタ張り | 高い(100%) | 最高 | 最速 | 公園・傾斜地・美観重視 |
| 目地張り | やや高(80%) | 良好 | 4月→8月 | 一般家庭の庭(定番) |
| 市松張り | 安い(50%) | 普通 | 4月→10月 | 広い面積・予算を抑えたい |
| すじ張り | 安い(50%) | 普通 | 遅め | 傾斜地・法面 |
ポット苗を使った鳥取方式とは?低コストで早期緑化を実現
鳥取県は茨城・鹿児島と並ぶ日本屈指の芝草大産地です。その鳥取発祥の芝生管理手法が「鳥取方式」で、NPO法人グリーンスポーツ鳥取が登録商標を取得し普及活動を行っています。
鳥取方式の特徴は、繁殖力が極めて旺盛なバミューダグラスの一種「ティフトン419」のポット苗を1平米あたり4株植えるという手法にあります。ティフトン419は暖地性芝草の中で最も匍匐茎(ほふくけい)の成長が盛んな品種で、わずか3ヶ月程度で全面が覆われるという驚異的なスピードを誇ります。
ベタ張りと比較してコストが約1/10と劇的に安く抑えられる上に、全面緑化までの速度も非常に早いのが特徴です。校庭や広い空き地の緑化プロジェクトで実績があり、維持管理費の削減にも貢献しています。植え付けは6月下旬が推奨されています。
芝張りの成功率を上げるチェックリスト
- 芝張りの時期は4月〜5月(または9月上旬)を選んでいる
- 雑草(特にスギナ・ハマスゲ・クローバー)を根ごと除去した
- 地面を5cm程度耕して平らに均し、石や土の塊を取り除いた
- 粘土質の場合は床土(床砂)を入れて土壌改良した
- 1mあたり1〜2cmの排水用傾斜をつけた
- 切り芝の継ぎ目がレンガ積み模様(十字路にならない配置)になっている
- 隙間には目土(目砂)をしっかり充填した
- 芝張り後は十分な水やりと踏み固め(養生)を行った
まとめ:自分の庭に合った芝張り方法を選ぼう
芝張りの成功は、適切な時期の選択・丁寧な下準備・自分の予算と目的に合った張り方の選択、この3点が揃ってこそ実現します。ここで改めて要点を整理しましょう。
芝張りに最適な時期は4〜5月(初秋も可)。切り芝は1束=約1〜1.2平米で計算する。張り方はベタ張り・目地張り・市松張り・すじ張りの4種類があり、コストと仕上がりのバランスで選ぶ。最も一般的なのは目地張りで、予算に余裕があればベタ張りが最もきれいに仕上がる。低コストで広い面積を緑化したい場合は、ティフトン419を使った鳥取方式も有力な選択肢となる。
よくある質問(FAQ)
- 芝張りに最適な時期はいつですか?
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高麗芝などの暖地型芝草の場合、芝張りに最適な時期は4月〜5月です。生育適温(25〜35度)に入り始めるこの時期に張ると根付きが早く、梅雨の雨を利用して水やりの手間も省けます。初秋(9月上旬)も植え付け可能ですが、その後の涼しい期間を考慮すると春の方が安定しています。
- 切り芝は何枚(何束)用意すればよいですか?
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一般的に切り芝は1束(30cm角×9〜10枚)で約1〜1.2平米をカバーします。張り方によって必要量が変わり、目地張りなら面積÷1.2、ベタ張りなら面積÷1で計算するとよいでしょう。補修用に少し多めに購入しておくことをおすすめします。
- ベタ張りと目地張りはどちらがよいですか?
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予算に余裕があり、すぐにきれいな芝生を楽しみたいならベタ張りが最適です。コストを抑えたい場合は目地張りがおすすめで、4月に施工すれば8月ごろには全面が緑で覆われます。仕上がりの美しさ重視か、コスト重視かで選んでください。
- 芝張り前に除草剤を使っても大丈夫ですか?
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非選択性除草剤はスギナ・クローバーなど根から再生する強い雑草に有効です。ただし使用後は土中の成分が分解されるまでの期間(商品によって異なりますが通常1〜2週間〜1ヶ月程度)を空けてから芝を張る必要があります。商品ラベルの指示に従って使用してください。
- 鳥取方式(ティフトン419)は一般家庭でも使えますか?
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鳥取方式は主に校庭や広い空き地の緑化を目的として普及した手法ですが、一般家庭の庭でも活用できます。ティフトン419は繁殖力が非常に強いため、隣地へのランナー(地上走出茎)の広がりを管理できる環境であれば、コストを大幅に抑えながら早期に緑化できる魅力的な選択肢です。植え付けは6月下旬が推奨されています。







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