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芝生の選び方

芝生

 

芝生を選ぶとき、「どの品種が自分の庭に合っているのか」と迷う方は少なくありません。芝草には大きく分けて寒地型(冬芝)と暖地型(夏芝)の2種類があり、地域の気候・利用目的・管理にかけられる手間によって最適な品種は大きく変わります。この記事では、地域ごとの特性を踏まえながら、あなたの庭に最も合った芝生の品種を選ぶための考え方を詳しく解説します。

読者

庭に芝生を植えたいんですが、高麗芝と西洋芝のどちらがいいか、正直よくわからなくて…。

専門家

まずはお住まいの地域と「冬も緑を保ちたいか」「管理の手間を減らしたいか」という2点を決めると、品種選びがぐっとスムーズになりますよ。

目次

芝生選びの基本:地域→条件→品種の順で決める

芝の品種を選ぶ第一歩は、「どの地域に植えるか」を明確にすることです。気温で変わる植えられるエリアで触れているように、芝草には品種ごとに適した生育温度の範囲があり、気温が高すぎても低すぎても健全に育ちません。

たとえば、北海道のような寒冷地では暖地型の日本芝(高麗芝など)はほとんど育ちません。逆に、連日30度を超える太平洋沿岸では、寒地型の西洋芝を夏越しさせることは非常に困難です。地域の気候を起点に、以下の3ステップで品種を絞り込んでいきましょう。

STEP
地域(気候帯)を確認する

北海道・東北北部、東北南部〜高標高地、関東以西〜沖縄の3つのゾーンに自分の地域が当てはまるかを確認します。年間の最高・最低気温が大きなヒントになります。

STEP
利用目的と管理工数を整理する

「1年中緑を保ちたいか」「公園・スポーツ施設など踏圧が多い場所か」「手入れにかけられる時間はどのくらいか」を事前に決めておくと、品種の候補が絞られます。

STEP
品種を決定する

地域と条件が揃えば、自然と使うべき品種が見えてきます。以降のセクションで地域別の具体的な推奨品種を詳しく紹介します。

地域別・芝生の選び方ガイド

以下では、日本を大きく3つの気候ゾーンに分けて、それぞれの地域に適した芝草の品種と選び方のポイントを解説します。お住まいの地域に合うゾーンを確認してみてください。

地域ゾーンおすすめ品種常緑の可否管理の手間
北海道〜東北北部ケンタッキーブルーグラス可能中〜高
東北南部〜高標高地ケンタッキーブルーグラス・ノシバ西洋芝なら可能品種により異なる
関東以西〜沖縄高麗芝・バミューダグラスオーバーシードで可能低〜中

北海道〜東北北部:寒地型西洋芝が基本

この地域は夏でも気温が20度前後にとどまるケースが多く、暖地型芝草(日本芝)の生育には適していません。寒地型の西洋芝が主役となり、なかでもケンタッキーブルーグラスが広く使われています。

この地域のポイント

ケンタッキーブルーグラスは耐寒性に優れ、密度の高い美しい芝面を形成します。人がよく踏む場所や日陰には、発芽・生育が速いペレニアルライグラスを混ぜると補完効果が得られます。

  • 夏の最高気温が25度前後に収まる地域
  • 1年を通じて緑の芝を楽しみたい
  • 美しい芝面を維持するための管理が可能

東北南部〜本州の高標高地:選択肢が広がる移行帯

夏には20度を超える日もあるこのゾーンは、寒地型と暖地型の両方が使える「移行帯」です。管理の手間を抑えたい場合はノシバ、美しい芝面を優先するなら寒地型西洋芝という使い分けが基本になります。

ノシバは日本芝の中でも特に丈夫で、踏圧や乾燥にも強い品種です。手間をかけずに維持できる実用性の高さから、公園や法面緑化などでも広く採用されています。

東北南部〜高標高地で1年中常緑にしたい場合

常緑を目指す場合は、耐寒性に優れたブルーグラス類(ケンタッキーブルーグラスなど)をメインに組み合わせます。踏圧が多い場所や日当たりが悪い場所では、発芽・回復が早いペレニアルライグラスを混植するのが効果的です。

一方、冬に枯れても問題ない場合は、ノシバや高麗芝で十分です。手入れの工数が大幅に下がるため、忙しい方や初めて芝生を作る方にもおすすめです。

  • 常緑にしたい→ケンタッキーブルーグラス+ペレニアルライグラスの混植
  • 冬枯れOKで手間を省きたい→ノシバ・高麗芝

関東以西〜九州・四国・沖縄:高温多湿に強い品種を選ぶ

夏の高温多湿が厳しいこのゾーンでは、高麗芝・ノシバ・暖地型西洋芝のバミューダグラスが中心になります。特に太平洋沿岸部では寒地型西洋芝の夏越しが難しく、暑さに強い日本芝をメインにするのが安全です。

この地域でのメリット

高麗芝は日本の一般家庭で最も多く使われている品種で、高温多湿への耐性が高く、比較的手間なく維持できます。バミューダグラスはゴルフ場や公園でも使われる実績ある暖地型西洋芝で、踏圧にも強いのが特徴です。

関東以西で1年中常緑にしたい場合

すでに芝が生えている場合と、これから芝を造成する場合とで対応が変わります。

既存の芝がある場合(日本芝・西洋芝を問わず):ペレニアルライグラスを種まきオーバーシードする方法が一般的です。秋にまいた種が冬の間は主役となり、初夏に暑さで自然に枯れると、もともとの芝が再び活躍するサイクルを作れます。

既存の芝がない場合:管理に十分な時間をかけられるなら寒地型西洋芝も選択肢に入りますが、手間を減らしたい場合はバミューダグラスをメインに設置し、冬のみペレニアルライグラスをオーバーシードする方法が効率的です。


ウィンターオーバーシードとは?仕組みと活用方法

前のセクションで何度か登場した「ペレニアルライグラスをオーバーシードする」という手法。これは、冬でも緑を保つための実践的なテクニックです。仕組みを理解しておくと、品種選びの幅がさらに広がります。

ウィンターオーバーシードの仕組み

暖地型芝草(高麗芝など)は冬になると地上部が枯れて休眠します。この枯れた芝の上にペレニアルライグラスの種をまくことで、冬の間も緑の芝面を維持できます。ペレニアルライグラスは耐暑性が弱いため、気温が上がる初夏には自然に枯れて、再び暖地型芝草がメインになるサイクルが完成します。

この手法はゴルフ場や公園など、年間を通じて緑の管理が求められる施設で広く採用されています。一般家庭でも、適切なタイミングで種まきを行えば同様の効果が得られます。

オーバーシードは秋口(気温が25度以下になったころ)に行うのが目安です。種まきが遅すぎると発芽・定着が不十分なまま冬を迎えることになるため、タイミングの管理が重要です。


目的・条件別:芝生品種の選び方まとめ

ここまでの内容を、シーン別にまとめました。自分の状況と照らし合わせて品種選びの参考にしてください。

目的・状況推奨品種・手法
寒冷地(北海道〜東北北部)で常緑を維持したいケンタッキーブルーグラス(+ペレニアルライグラス混植)
管理の手間を最小限に抑えたいノシバ・高麗芝
温暖地で冬も緑を保ちたい(既存の芝あり)既存の芝+ペレニアルライグラスのオーバーシード
温暖地で冬も緑を保ちたい(新規造成)バミューダグラス+冬のみペレニアルライグラス
踏圧が多い場所(公園・通路など)バミューダグラス・ペレニアルライグラス
記事のまとめ

芝生の品種選びは「地域の気候」「1年中緑を保ちたいか」「管理にかけられる手間」の3点を整理するところから始まります。寒冷地では寒地型西洋芝、温暖地では日本芝や暖地型西洋芝が基本となり、冬も常緑を望む場合はペレニアルライグラスのオーバーシードを組み合わせることで対応できます。


よくある質問(FAQ)

関東地方でも冬に緑の芝生を楽しむことはできますか?

はい、可能です。関東地方では冬になると高麗芝などの暖地型芝草が枯れて休眠しますが、秋口にペレニアルライグラスをオーバーシードすることで冬の間も緑を保てます。この方法はゴルフ場でも広く採用されており、一般家庭でも比較的簡単に取り入れられます。

手入れが最も楽な芝生の品種はどれですか?

ノシバや高麗芝が手入れのしやすさで定評があります。どちらも高温多湿・踏圧・乾燥に強く、肥料や水やりの頻度が低くても比較的きれいな状態を維持できます。特に東北南部〜九州にかけての地域では高麗芝が最もポピュラーな選択肢です。

北海道で日本芝(高麗芝)を育てることはできませんか?

北海道では夏でも高温が続きにくいため、暖地型芝草である日本芝(高麗芝・ノシバなど)の生育には適していません。北海道での芝生造成には、ケンタッキーブルーグラスをはじめとする寒地型西洋芝を選ぶのが基本です。

バミューダグラスはどのような場所に向いていますか?

バミューダグラスは暖地型の西洋芝で、高温・踏圧・干ばつに強い丈夫な品種です。関東以西の温暖地で日当たりが良い場所に向いており、公園やスポーツ施設など利用頻度が高い場所でも活躍します。冬は休眠しますが、ペレニアルライグラスをオーバーシードすることで常緑を維持できます。

ペレニアルライグラスをオーバーシードする最適な時期はいつですか?

気温が25度以下になった秋口(目安として9月下旬〜11月上旬)が適期です。気温が高い時期に種まきをするとペレニアルライグラスの発芽・定着が難しくなるため、気温が落ち着いてきたタイミングを狙って種まきを行うのがポイントです。

 

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著者

「芝生の手入れ.com」のほぼ全ての記事を書いています。都内在住のブロガー/エディター。好きな芝はケンタッキーブルーグラス。育てている芝はコウライシバ・ノシバ、西洋芝のバミューダグラス・JターフⅡ。

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