7月は梅雨明けとともに気温が急上昇し、芝生の状態が大きく変わる時期です。高麗芝は生育の最盛期に入り、10日から1週間に一度の芝刈りが必要になる一方、西洋芝は梅雨明け後の高温乾燥で夏バテしやすいという、正反対の性質を見せます。2018年のように梅雨明けが記録的に早まる年もあり、地域や年による気候差を踏まえた管理が欠かせません。
7月に入って一気に暑くなってきました。芝生の手入れ、今まで通りでいいのでしょうか。




芝の種類で手入れが大きく変わる時期です。高麗芝は成長期に入るので芝刈りを増やし、西洋芝は夏バテ対策として水やりを増やす。この記事で具体的な頻度や見極め方をお伝えします。
芝生の管理方法は、その土地の気候によって変わります。本記事では暖地型芝草の代表である高麗芝と、寒地型芝草の代表である西洋芝を対象に、関東以西のエリアを想定して解説します。お住まいの地域が異なる場合は、気温の目安を参考に時期をずらして読んでください。
7月の気候と芝生の生育状況
東京の7月は平均気温が25度前後、日中の最高気温は30度を超え、夜間の最低気温も20度を下回らない日が続きます。この気温帯は暖地型芝草の生育適温にちょうど当たり、高麗芝は年間でもっとも勢いのある時期を迎えます。
一方で寒地型芝草の西洋芝には、この暑さがこたえます。梅雨明け後の高温と乾燥が重なると夏バテ状態に陥りやすく、水やりの頻度を上げなければ葉の色が抜けていきます。同じ7月でも、育てている芝の種類によって対応の方向がまったく違う点が、この時期の管理の難しさです。
7月の高麗芝(暖地型芝草・夏芝)の手入れ
高麗芝にとって7月は一年でもっとも成長する時期です。芝刈りの頻度が上がり、施肥や病害虫のチェックも忘れずに行いたいタイミングになります。以下では芝刈りから水やり、エアレーションまで、この時期に必要な作業を順に見ていきます。
芝刈り
7月は高麗芝の芝刈り頻度がもっとも多くなる月です。月に2〜3回、つまり10日から1週間に一度のペースで刈り込みます。刈るたびに茎の数が増え、芝生の密度が徐々に高まっていきます。
密度が上がった芝生は、地表に届く光や水分を先に奪ってしまうため雑草が入り込みにくくなります。頻繁な芝刈りは見た目を整えるだけでなく、雑草対策としての役割も兼ねています。



草取り
この時期は高麗芝そのものに勢いがあるため、草取りは基本的に不要です。ただ、メヒシバだけは例外的に注意が必要です。株が大きくなると除草剤が効きにくくなるので、見つけた段階で早めに抜き取っておきます。
- メヒシバは小さいうちに手で抜くか、株が育つ前に除草剤で処理する
- スズメノカタビラなど他の雑草は、密度を上げた芝生の管理と併せて対処する
- 高麗芝が元気な時期は、雑草より生育を優先させても大きな問題は起きにくい



水やり
梅雨の間は基本的に水やりを控えます。梅雨が明けて雨の降らない日が続くようになったら、そこから水やりを始めます。判断の目安は葉の様子です。針のように丸まってきたら、乾燥が進んでいるサインと考えてください。
葉がチリチリに細く巻いてしまったり、黒ずんで見えるようになった段階は、乾燥がかなり進んでいる状態です。ここまで進んでしまうと、水を与えてもダメージが残ってしまうことがあります。葉が丸まり始めた時点で早めに対応しておきましょう。



施肥
化成肥料を1平方メートルあたり30グラム程度与え、そのあとに水やりをします。水を与えることで肥料の濃淡が薄まり、ムラなく行き渡ります。芝生は他の植物と比べて肥料をあまり必要としないイメージを持たれがちですが、美しい仕上がりを目指すなら、生育が盛んなこの時期に肥料を与えて密度を高めておく手入れが効果を発揮します。



病害虫
春先に病気で傷んでいた箇所も、その後の生育でほぼ回復しているはずです。ヨトウやツトガの被害は出ますが、高麗芝自体に勢いがある時期なので、無理に対処しなくても問題ないケースが多いです。黒いハチやアブ、コガネムシといった成虫が羽化して目につくようになりますが、気になる場合のみ殺虫剤を使えば十分です。



エアレーション、サッチかき
数年経過した芝生や、人の出入りで踏み固められた土地では、排水性と通気性を回復させる更新作業が有効です。土に穴を開けるエアレーションと、たまった有機物を取り除くサッチかきを、1〜2年に一度の頻度でおこないます。
エアレーションもサッチかきも根を切って再生をうながす作業のため、芝生が傷みやすい時期に行うのは避けるべきです。真夏日が続く盛夏は控え、初夏や初秋のタイミングで実施しましょう。
7月の西洋芝(寒地型芝草・冬芝)の手入れ
西洋芝にとって7月は、一年でもっとも過酷な季節の入り口です。高麗芝とは対照的に生育が落ち込み、水切れによる枯れのリスクが高まります。水やりを軸に、芝刈りと病害虫のチェックを組み合わせて夏を乗り切る管理が求められます。
水やり
夏の寒地型西洋芝には、水やりがなによりも重要な作業になります。梅雨が明けたあとは2日おきを目安に水を与える必要があります。日照りが続く年は、それよりも間隔を詰めて様子を見てください。



芝刈り
生育が鈍っているため、芝刈りの頻度は高麗芝よりもずっと少なくて済みます。月に2回、2週に1度のペースで十分です。



施肥
この時期は生育が落ちているため、通常は肥料を与えません。ただし、夏芝をオーバーシードしている場合は例外です。夏芝の生育を助けるため、化成肥料を1平方メートルあたり30〜50グラム与え、そのあと水やりをします。
病害虫
ダラースポットやラージパッチといった病気が出やすくなります。ヨトウやツトガなどの害虫も発生するので、葉の変色や食害の跡を見つけたら早めに手を打っておきます。



高麗芝と西洋芝、7月の手入れ頻度の違い
同じ7月でも、高麗芝と西洋芝では手入れの方向がまったく逆になります。表で並べて比較すると、その違いがはっきり見えてきます。
| 項目 | 高麗芝(暖地型・夏芝) | 西洋芝(寒地型・冬芝) |
|---|---|---|
| 生育状況 | 最盛期 | 夏バテ気味 |
| 芝刈り頻度 | 10日〜1週間に1回 | 2週に1回 |
| 水やり | 梅雨明け後、乾燥時のみ | 2日おき |
| 施肥 | 30g/m2、生育促進目的 | 基本なし(オーバーシード時のみ30〜50g/m2) |
| 主な病害虫 | ヨトウ、ツトガ、コガネムシ成虫 | ダラースポット、ラージパッチ、ヨトウ、ツトガ |
この表からもわかる通り、7月は高麗芝を密に育てる時期であり、西洋芝を枯らさず持たせる時期です。同じ庭に両方を植えている場合は、片方の常識をもう片方に当てはめないよう注意してください。
7月の前後、6月と8月の芝生の手入れ
7月の作業は、前後の月の状態とつながっています。6月は高麗芝が芝刈りによって密度を高めていく準備段階で、西洋芝はすでに暑さの影響で生育が衰え始めます。8月になると高麗芝は依然生育最盛期を保ちますが、西洋芝は枯死のリスクがさらに高まり、毎日午前中の水やりが欠かせなくなります。
7月の手入れだけを単独で考えるより、梅雨明けからの一連の流れとして捉えたほうが、水切れや芝刈り忘れといったトラブルを防ぎやすくなります。






まとめ
7月は高麗芝と西洋芝で正反対の管理が必要になる月です。高麗芝は10日〜1週間に1度の芝刈りと施肥で密度を高め、雑草はメヒシバだけ早めに対処します。西洋芝は2日おきの水やりを軸に、芝刈りは2週に1度に抑えて夏バテを乗り切ります。エアレーションやサッチかきは盛夏を避け、初夏や初秋に実施するのが安全です。
芝の種類ごとに手入れの優先順位を切り替えられれば、梅雨明けの急な気温上昇にも慌てず対応できます。まずは自分の庭がどちらの芝なのか、あらためて確認してみてください。
よくある質問
- 7月の高麗芝は毎週芝刈りが必要ですか。
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毎週ではなく、10日から1週間に一度が目安です。月に2〜3回のペースで、生育の勢いに合わせて刈り込みます。刈る回数が多いほど密度が上がり、雑草が入りにくい状態を維持できます。
- 西洋芝の水やりを2日おきにする理由は何ですか。
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西洋芝は寒地型芝草で、梅雨明け後の高温乾燥に弱く夏バテしやすいためです。水切れが続くと枯れにつながるので、梅雨明け以降は2日おきを目安に水を与え、乾燥が強い年はさらに間隔を詰めて対応します。
- 芝生の葉が丸まっているのは何のサインですか。
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乾燥が進んでいるサインです。葉が針のように丸まってきたら早めに水やりをしてください。チリチリに細くなったり黒ずんでしまった状態まで進むと、水を与えてもダメージが残ることがあります。
- 7月にエアレーションをしても問題ありませんか。
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真夏日が続く盛夏のエアレーションは避けたほうが安全です。根を切って再生をうながす作業のため、芝生が傷みやすい時期に行うと回復が遅れます。初夏や初秋のタイミングで実施するのが基本です。






