西洋芝で夏芝のバミューダグラスを種から育てて3ヶ月目の経過観察です。現在2〜3cm程度で分けつも少なく芝刈りは1回もしていません。屋外で育てていましたが種を追いまきして発芽適温を確保するため屋内に入れました。保温すると再発する白カビと戦っています。芝生の種まきの一般論はこちら。
これまでの振り返り
「屋内で冬でも芝生チャレンジ」でノシバを植えましたが比較用に屋外でバミューダグラスを育てています。こちらは「バルコニーで芝生プロジェクト」とします。バミューダグラスは西洋芝ですが夏芝(暖地性芝草)ですのでノシバや高麗芝同様冬になると地上部が枯れます。
- 屋内なら冬でも芝生が枯れないのでは?!【DAY0】
- 【10月】プランターに西洋芝(バミューダグラス)を植えバルコニーで育てる【DAY1】
- 【10月】プランターに芝生を植えバルコニーで育てる【DAY12〜1ヶ月】
- 【11月】プランターに芝生を植えバルコニーで育てる【2ヶ月目】
バルコニーで芝生プロジェクトは屋外で夏草のバミューダグラスを育ててきましたが冬に入り生育適温を下回っていることから屋内に入れる方向転換しました。
低温と大雪に関する異常天候早期警戒情報(気象庁11月30日発表).12月5日(火)頃からの約1週間,各地で低温となって日本海側中心に平年より降雪量が多くなりそう.除雪の準備等はできていますか?一家に一本雪かきスコップ!です.スタッドレスタイヤに替えていない方は早急に.冬に備えましょう. pic.twitter.com/aE716gLnnO
— 荒木健太郎 (@arakencloud) 2017年12月1日
【12月1日】バミューダグラス(リビエラ)3ヶ月目、ピシウム菌再発!
11月後半にプチプチで保温するようになってから地際に白い蜘蛛の巣のような菌糸が広がるピシウム菌が発生しています。ピシウム菌は土壌に常在していて高温多湿などの条件が揃うと菌糸が出ます。表面上菌糸が消えても感染は続いているので再発してしまうんですね。窓際は18度くらいなので発芽適温を維持するため保温が必要で保温すると湿度も上がってピシウムが出てしまうという繰り返しです。
ピシウム菌の対策としては殺菌剤をまきますが発生期間が長く頻度も高いため機序が異なる薬剤のローテーションが推奨されています。家庭用の小さなサイズは余り売っていないのですが三井化学アグロの殺菌剤「タチガレエースM液剤」を購入しました。成分はヒドロキシイソキサゾールとメタラキシルMで育苗稲の苗立枯病、蒸れ苗に効き根の生育促進効果もあります。使用方法は数百倍に希釈してまきます。
【12月2日】ピシウム菌の対策に殺菌剤「タチガレエース」を散布
Amazonから早速「タチガレエースM液剤」が届きました。ちょっと困ったのは手のひらサイズの薬剤100mlでも稲の苗箱1枚辺り「タチガレエースM液剤」1ml=100枚分もあるんですね。稲の苗箱はだいたい30cm☓60cm☓高さ数cmなので芝生のプランターとだいたい同じサイズでタチガレエースM液剤1mlを500倍に希釈する必要があります。1mlを測るには…。
▼三井化学アグロのチラシより
希釈率を安定させるには大容量作った方が良いですが1ml測れるスポイトで霧吹きの容器に500mlに希釈して散布しました。霧吹きを使ったのはジョウロだと散布にムラが出ると聞いたためです。
【12月3日】クロバネキノコバエ?小さな黒い虫が芝生に発生
芝生で羽根のある虫と言えばハグロケバエだったら面白かったのですが、もっと小さくて羽根が透明な虫が数匹発生しています。羽根が黒いのでクロバネキノコバエだと思います。ネギ及びニンジンには被害があるようですが芝生に害のない不快昆虫。キノコバエ対策には表土の入れ替えが有効ですが芝生ではできないので成虫をできるだけ駆除していきます。
地中のウジには殺虫剤のダントツ水溶剤も有効です。
【12月6日】ピシウム菌、収まらず
芝生にカビの菌糸が出ている件で12月2日に殺菌剤「タチガレエース」をまきました。が、明らかにカビが復活して広がっているような…。全面が湿るほど霧吹きしたので薬剤のムラということはないと思います。もうすこし様子を見ますがこの一角の芝は枯れて来てしまいました。実はピシウム菌ではない、という線が考えられます。
【12月13日】ピシウムではなかった?新たな除菌剤を購入
結局地表の白カビは収まらず「ピシウム菌ではない」従って「タチガレエースMも効かない」という判断をしました。イネ科ということで「稲 苗 カビ」で検索してみるとカビの見分け方の良さそうなページを見つけました。種まきをして保温・保湿している状況は高温多湿になりがちで「苗立枯病」と総称される菌類による病気が発生しがちです。「苗立枯病」の原因菌は複数あってフローチャートに従ってYES/NOしていくと病原菌を簡易判定できます。
「苗が立ち枯れあるいは、腐敗症状が見られ、菌叢が表面に発生」→YES→「菌叢の色」→「白色〜淡紅色」ならトリコデルマ菌による「苗立枯病」、菌叢の色が「白色」で「種をまいた直後の高温時に発生する場合が多い」で床全面に各色ないし灰白色のカビが発生、ならリゾクトニア菌となっています。プランターに生えているのは白色のカビですのでトリコデルマ菌かリゾクトニア菌が原因のようです。
#菌叢=キンソウと読み菌の集合体のことで目に見える大きさのものは「コロニー」と呼びます。
更に「病原菌と効果の期待できる農薬」という表も載っていますが「タチガレン液剤」はフザリウム菌、リゾクトニア菌、ピシウム菌に効くとありトリコデルマ菌かリゾクトニア菌には効きません。「タチガレン液剤」が効かない消去法からしても怪しそうです。芝生が枯れた?6つの原因と対策で症状が似た病気は原因特定が大事、と書いた通りの結果になっております。
苗立枯病対策に「ダコレート水和剤」
「ダコレート水和剤」がトリコデルマ菌かリゾクトニア菌両方に効く農薬ということで新たに購入しました。
- ダコニール(TPN)とベンレート(ベノミル)の混合水和剤で稲の箱育苗の苗立枯病の原因であるリゾープス菌、トリコデルマ菌、フザリウム菌に優れた防除効果を発揮します。
- 病原菌の胞子形成、発芽、菌糸生育を阻止することにより、予防と治療の両面のはたらきで的確な防除効果を示します。
【12月15日】白カビが全面に広がっています
うっすらと地表際に白いカビが広がっています。薬剤が届くまで我慢…。
【12月19日】バミューダグラス(リビエラ)のプランターが白カビで黄化、苗立枯病
薬剤待ちしていたらどんどん白カビが広まってしまいました…黄化して針のようにやせ細った葉もあります。苗立枯病で原因菌はリゾープス菌、トリコデルマ菌と思われます。
白カビは見えないものの黄化したエリア
「ダコレート水和剤」を500倍に希釈してスプレーしました。白色の粉で薬剤は乳白色です。1番被害が広いエリアは芝が枯れてまばらになってしまいました。