芝張り後すぐ子供に使わせたくなるものですが根付くまで養生期間を設ける必要があります。一般に芝張りや種まき、エアレーションの後は「養生」として芝生に立ち入らないようにします。養生が必要な理由や期間の目安について。
芝生の養生期間とは
芝生を保護するため一定期間入らない期間を設けることを「芝生の養生」と呼びます。人が立ち入ると踏圧や擦り切れが発生しますが根付く前だと芝生が回復できずに枯れてしまうこともあります。
▼GINZA SIX屋上庭園の芝生。
GINZA SIXは2017年4月20日開業だが夏傷んだのか踏圧を避けるためか10末でも芝生を立ち入り禁止にして養生。
芝張り後根付くまで養生:芝張りした直後は見た目はきれいな芝生でも切り芝のマットが床土の上に乗っているだけです。芝が生長して根が下の土まで入り込むのを待つ必要があります。高麗芝で言えば、暖かく生育が活発になる春と寒くなり生育がにぶくなる秋で異なりますが養生期間として1ヶ月程度みます。芝張り直後に遊んだりすると切り芝がずれたり剥がれたりします。
種まき後の養生:種まき後は養生期間1ヶ月程度設けます。不織布、保護シートなどを使う場合物理的に使用できない期間が出ます。種まきの場合、覆土した目土が無くなってしまう、踏みつけで芽が切れてしまう、抜けてしまうなどイメージしやすいと思います。
養生期間は草取りできませんので種まき前に芝生の区画の周辺含め念入りに雑草の草取りをしておきましょう。発芽にムラがある場合は「追いまき」しますが改めて養生期間が必要になるので芽が3〜5cmくらいになり最初の芝刈りをしてからにします。
エアレーション後の養生:何年か経つと土壌が踏み固められ水はけや通気性が悪くなり、また地下では根詰まりして芝生の勢いがなくなってきます。更新作業として芝生に穴をあけ根切りし目土を入れる「エアレーション」で再活性化しますが根を切るわけですから数週間〜1ヶ月の養生期間を設けます。
公園のエアレーション例:芝生のエアレーション作業 | 草津市スポーツ情報
ゴルフ場のエアレーション例:エアレーション始まりました! | 栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部
芝生を張替えた後の養生:大きく凹んでしまった、一部分だけ日当たりが悪い、人通りや花見で踏みつけられた、などの理由で芝が枯れてしまった場合、その部分だけ芝生を張り替えることになります。芝張り同様ロープなどで立ち入り禁止にします。
▼新宿御苑で立ち入り禁止の一角を作って芝生を養生している様子。芝生は冠水が続く場所では生育できません。
芝生の養生マット・養生シート
特に種まきの後の養生では保温・保湿、目土の流出、鳥の食害防止を目的として不織布やポリエチレン製の養生マットを敷く場合があります。
芝生の養生事例
報道で見る養生に関する話題と各地の公園の養生実例。スポーツ競技場では全面張り替えなどの大規模工事でどのくらいの養生が必要かがわかります。
報道で見る養生期間
ニュースで確認できる事例。スポーツ競技場系でスタジアムを全面張り替えすると3ヶ月くらいは養生期間が必要です。
芝生の養生各地の実例
傷んだ芝生を張り直して補修、あるいは使用休止して養生している事例。
▼芝公園で春の養生。張り直して補修したエリアを囲っている。
▼横浜・日本丸の土手沿いで芝生の補修と同時に芝生アートしている例
▼古くなって雑草も増えたエリアを張り直して補習した例(東京都)
▼西洋芝のグラウンドを冬季に使用休止して養生している(茨城県)
枯れた面積の方が大きくなっている。
混合西洋芝で枯れた部分は夏芝でポツポツと緑の部分が常緑の冬芝。ペレニアルライグラスなど。