晩秋を迎える11月、芝生は種類によってまったく違う顔を見せます。コウライシバは穂を咲かせたあと休眠期に入り、地上部の枯れが目立ち始める一方、西洋芝はこの時期こそ生育のピークです。オーバーシーディングをしていた庭では、冬芝が芝生の主役に切り替わっていく季節でもあります。
この記事では、暖地型芝草(コウライシバ)と寒地型芝草(西洋芝)それぞれの11月の手入れ内容を分けて解説します。何をすべきで何をしなくていいのか、季節ごとの違いを踏まえて整理しました。
芝生が茶色くなってきたけど、これって枯れて死んでるの?




コウライシバなら心配いりません。これは冬に向けた休眠で、根は生きたまま春の再生に備えている状態です。ただ、西洋芝は逆にこの時期がもっとも元気な季節なので、芝生の種類ごとに見方を変える必要があります。
芝生の管理方法は気候によって変わります。この記事では暖地型芝草の代表であるコウライシバ、寒地型芝草の代表である西洋芝を対象に、関東以西の気候を想定して解説します。
11月の気候と芝生の状態
気象庁の平年値(1991〜2020年)によると、東京の11月は平均気温12.5度、日最高気温の平均は16.7度、日最低気温の平均は8.8度です。10月から一段階気温が下がり、朝晩の冷え込みがはっきり感じられるようになります。
コウライシバは春と秋の2回、穂を出して花を付ける性質があります。11月に入ると気温の低下とともに地上部の休眠が進み、緑色から枯れ葉色へと変化していきます。一方、西洋芝は寒さに強い性質のため、この時期になっても生育がおう盛です。9月・10月にまいた種が根を張り、ちょうど芝生として仕上がってくるタイミングでもあります。
暖地型芝草・コウライシバ(夏芝)の11月の手入れ
コウライシバは休眠に向かう時期のため、この11月は基本的に「何もしない」のが正解です。ただし、放置すると来春に困る作業がひとつだけあります。冬を越す雑草の草取りです。
刈り込み・水やり・肥料・病害虫の防除は不要
コウライシバは生育を止めているため、芝刈り、水やり、肥料、病害虫の防除はいずれも不要です。休眠中の芝に肥料を与えても吸収されず、むしろ翌春の芽出しに悪影響を及ぼすこともあるので、この時期は手を止めておきましょう。
冬雑草の草取りだけは早めに済ませる
11月はスズメノカタビラをはじめとした冬雑草が芽を出し始める時期です。この段階で抜かずに冬を越させると株が大きく育ち、根がしっかり張って抜きづらくなります。コウライシバが枯れ色になって地面が見えやすくなったこの時期こそ、雑草を見つけやすい絶好のタイミングといえます。
スズメノカタビラはイネ科の一年草で、放置すると種を落として翌年も繁殖を続ける難防除雑草です。小さいうちに根から抜き取ってしまえば、来春の芝生の仕上がりが大きく変わります。
- 芝生が枯れ色になり地面が見やすくなったら雑草チェックを始める
- スズメノカタビラなど冬雑草は株になる前に根から抜く
- 抜いた雑草は種を落とす前に処分する
寒地型芝草・西洋芝(冬芝)の11月の手入れ
西洋芝は11月もまだ生育期にあります。コウライシバとは対照的に、芝刈りと施肥という2つの管理を続ける必要があります。ここでは項目ごとに必要・不要を整理します。
芝刈りは月2回のペースを継続
西洋芝は生育がおう盛なため、2週間に1回、月2回のペースで芝刈りを続けます。刈り込みを怠ると草丈が伸びすぎて風通しが悪くなり、病気の原因にもなるので、11月もこれまでと同じサイクルを維持しましょう。
草取りは不要
西洋芝そのものの生育が旺盛なため、雑草が入り込む余地が少なく、この時期の草取りは基本的に不要です。密に生えた芝が雑草の発生を抑えてくれます。
化成肥料で追肥する
生育をしっかり続けさせるため、化成肥料を1平方メートルあたり30グラム施します。気温が下がる前に養分を補っておくことで、冬場の色つやが安定します。
水やり・病害虫の防除は基本的に不要
気温が下がり土壌の乾きも穏やかになるため、水やりは基本的に不要です。病害虫についても目立った活動は少なく、防除の必要は薄い時期といえます。
11月の作業の進め方
コウライシバと西洋芝が混在する庭では、どちらの作業を先にすべきか迷うこともあります。次の順番で確認していくと管理漏れがありません。
地上部が枯れ色に変わっているかを確認します。休眠に入っているなら、芝刈りや水やりなどの管理は止めて構いません。
芝生の地面が見えやすくなったタイミングで、スズメノカタビラなどの冬雑草を探します。見つけたら株が大きくなる前に根から抜きます。
西洋芝がある場所は月2回の芝刈りを継続し、化成肥料を1平方メートルあたり30グラム施します。
コウライシバと西洋芝、11月の管理項目の違い
同じ11月でも、芝の種類によって必要な作業は正反対です。表で確認すると、管理の手間がどちらにあるかが一目で分かります。
| 作業項目 | コウライシバ(夏芝) | 西洋芝(冬芝) |
|---|---|---|
| 芝刈り | 不要 | 月2回程度 |
| 水やり | 不要 | 基本的に不要 |
| 肥料 | 不要 | 化成肥料30g/m2 |
| 病害虫の防除 | 不要 | 基本的に不要 |
| 草取り | 冬雑草の草取りが必要 | 不要 |
11月はコウライシバの手を止め、西洋芝に手をかける月と覚えておくと管理がシンプルになります。
11月にやることとやらないこと
作業を混同してしまうと、休眠中のコウライシバに余計な負担をかけたり、西洋芝の管理を止めてしまったりすることがあります。庭全体を見渡しながら、次の点を意識してください。
- コウライシバの部分は冬雑草の草取りだけ行う
- 西洋芝の部分は月2回の芝刈りと化成肥料の施肥を続ける
- 休眠中のコウライシバに肥料や水を与える
- 冬雑草を見つけても株が大きくなるまで放置する
前後の月(10月・12月)との違い
11月の作業は、前後の月とセットで理解するとつながりが見えてきます。10月は西洋芝が秋の生育最盛期を迎える月で、コウライシバは生育が落ち着き、年内最後の芝刈りをおこなうタイミングです。12月に入ると寒さが本格化し、コウライシバは庭全体が枯れ葉色に染まり、西洋芝も生育の速度が鈍ってきます。
つまり11月は、コウライシバが完全に眠りに入る前段階であり、西洋芝にとってはまだ生育を続けられる最後のチャンスの月にあたります。この季節の切れ目を意識しておくと、翌月以降の管理計画も立てやすくなります。






11月はコウライシバが休眠に入り、西洋芝が生育のピークを迎える季節です。コウライシバの部分は冬雑草の草取りだけを行い、西洋芝の部分は月2回の芝刈りと化成肥料30g/m2の施肥を続けます。芝の種類ごとに必要な作業を分けて考えることが、この時期の管理を簡単にするコツです。
よくある質問
- 11月にコウライシバが茶色くなってきましたが病気でしょうか。
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病気とは限りません。コウライシバは春と秋に花を咲かせたあと、気温の低下とともに休眠期に入り、地上部が枯れ葉色に変わるのが自然な性質です。根は生きているため、翌春には再び緑を取り戻します。
- オーバーシーディングした庭は11月にどう管理すればいいですか。
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9月・10月にまいた西洋芝の種が根を張り、冬芝が優勢になってくる時期です。西洋芝の手入れに合わせて、月2回の芝刈りと化成肥料の施肥を続けてください。
- スズメノカタビラはなぜ早めに抜いたほうがいいのですか。
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冬を越して株が大きくなると根がしっかり張り、抜き取りにくくなるためです。また種を落とすと翌年も繁殖を続けるので、コウライシバが枯れ色になり地面が見やすくなったこの時期に、早めに根から抜いておくと来春の手間が減ります。
- 西洋芝の11月の肥料はどれくらい与えればいいですか。
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化成肥料を1平方メートルあたり30グラムを目安に施します。西洋芝はこの時期も生育が続いているため、養分を補っておくと冬場の色つやが安定します。
- 11月にコウライシバの芝刈りや水やりは必要ですか。
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基本的に不要です。休眠期に入り生育が止まっているため、芝刈り、水やり、肥料、病害虫の防除はどれもおこなわなくて構いません。必要な作業は冬雑草の草取りのみです。






