意識して見る方は少ないと思いますが、東京ディズニーランドはよく手入れされた芝生を間近で見られるスポットです。ディズニーランドのような遊園地では美観上の要請から常緑で雑草が少ないきれいな芝生が維持されています。排水のための傾斜やエッジの処理など、一般家庭でも参考になる点がありますよ。
芝生の中でも美観が求められるスポット
同じ芝生でも、用途や利用シーンにより要件が異なります。公園や公共空間の緑化など手入れの工数をできるだけ抑えたいニーズもあれば、今回のディズニーランドや東京駅の駅前広場のように手間をかけても美観が求められるスポットもあります。
例えば、東京の玄関口である東京駅の芝生が枯れていたり、雑草ぼうぼうだったらどうでしょうか?東京ディズニーランドの芝生がハゲていたらどうでしょうか?イメージが良くありませんよね。
東京駅駅前広場や東京ディズニーランドでは冬枯れする日本芝ではなく、西洋芝を使って通年緑化しています。
東京ディズニーランドで見られる芝生の例
ディズニーランドとシーには約6000種類、64万本余りの樹木や花が植えられ「東京ディズニーリゾート植物ガイド」という書籍が出ている程です。興味を持って見ればプロの手で維持管理された植栽に驚かれることでしょう。今回は2019年4月末の芝生状況からご紹介します。
日本芝と西洋芝の特徴の違いは以下参照。
芝生は水はけの良い土壌を好みます。排水対策として1mで1〜2cm低くなる程度に傾斜を付け芝表面を水が流れるようにします。
芝生と隣の植物との境界線の処理
芝生は放って置くと領地を拡大して隣のエリアに進出する問題、壁際など芝刈りしにくい所が伸びて見苦しくなる問題があります。
以下は数センチ根切りして隣との間隔を空けている例。数センチ空けることで芝刈り機が苦手な壁際もきれいに芝刈りできます。
芝刈り機で「際刈り」サポート機能が売りになっているくらいで、ランナーが飛び出したり刈り残しがあると見苦しくなります。
エッジの処理。自然にできた境界線ではなく、根まで人工的に切っていることがわかります。ご家庭では「根止め板」で物理的な境界線を作るのが簡単でしょう。
芝生で通年緑化するには夏は毎日の水やり、頻繁で長期間の芝刈りなど、一般に日本芝より手間がかかります。なかなかご家庭で実現するのは大変ですが、ディズニーランドでプロが手入れしたきれいな芝生を観察してみましょう。