2017年12月19日の芝生関連ニュースから、注目の2本をピックアップしてお届けします。1本目は河北新報が報じた、宮城県栗原市による東京オリンピック事前合宿招致がオーストラリアのホッケー代表から断られた件。2本目は西日本新聞が報じた、芝生広場を持つ北九州市立公園グリーンパークの入園者数が好調な件です。いずれも「芝生の規格」や「園内の環境整備」が施設運営に大きな影響を与える事例として参考になります。
宮城・栗原のホッケー合宿地、人工芝の違いでオーストラリアのホッケー代表から断られる #スポーツ #アイスホッケー #東京オリンピック
宮城県栗原市は、東京オリンピックの事前合宿地としてオーストラリアのホッケー代表チームの誘致を進めていましたが、断りの連絡を受け、別の代表チームへの誘致方針へ転換を迫られることになりました。断られた理由は、栗原市が用意していた人工芝が、東京オリンピックの競技場で使用される人工芝とメーカーが異なっていたことにあります。
栗原市が合宿候補地として想定していた築館多目的競技場の人工芝は、アメリカのアストロターフ社製です。この人工芝はバルセロナ、アトランタの両五輪でも採用された実績を持つ製品です。一方、東京オリンピックでは、リオ五輪に続いてドイツのポリタン社製の人工芝が使用される予定です。これは、国際ホッケー連盟とサプライヤー契約を結んでいるポリタン社が、東京都に人工芝の寄付を申し出たことが背景にあります。
| 項目 | 築館多目的競技場(栗原市) | 東京オリンピック会場 |
|---|---|---|
| メーカー | アストロターフ社(米国) | ポリタン社(ドイツ) |
| 過去の採用実績 | バルセロナ五輪、アトランタ五輪 | リオ五輪 |
| 採用の背景 | 2013年に張替え済み | 国際ホッケー連盟との契約に基づく寄付 |
栗原市は2013年に築館競技場の人工芝を更新したばかりであり、費用面から再度の張替えは容易ではありません。そこで市は、過去のオリンピックでも採用された実績を持ち、グローバル規格も取得している高品質な芝であることと、他の候補地よりアクセスが良好である点を強みとして、別の国のホッケー代表チームの誘致を目指す方針です。
<東京五輪>宮城・栗原のホッケー合宿地、豪チームが敬遠 他国誘致へ | 河北新報オンラインニュース 2017/12/18
【2017/1/1追記】オリンピック合宿誘致に向け岐阜県内3施設の整備進む
宮城県栗原市がオーストラリアのホッケー代表から断られた理由は、人工芝が東京オリンピックの競技場と異なるメーカーの製品だったことでした。これに関連する動きとして、岐阜県各務原市の川崎重工ホッケースタジアムの事例が挙げられます。同施設は2000年から使用が始まったホッケー専用施設で、オリンピックのホッケー会場で使う芝の仕様が年度内に決まる見込みであることを受け、更新時期を迎えている川崎重工ホッケースタジアムも、芝の仕様が確定次第、全面張り替えに踏み切る予定です。
先の栗原市のケースと今回の岐阜県のケースは、内容が微妙に異なる点に注意が必要です。栗原市が断られたのは「メーカーそのものが違う」というレベルの話であり、岐阜県各務原市のケースは、ドイツのポリタン社製品の中で「どの型番の製品を採用するか」という、より具体的な選定の話にあたるようです。
ホッケーで使われる人工芝の規格
Jリーグに天然芝の使用規定があるように、各競技にはそのスポーツで使用する芝の種類について競技団体ごとの規定が存在します。日本ホッケー協会が定めるホッケー競技運営規程では、「JHA公認ピッチは、ショックパッドを敷設した人工芝ピッチとする」と明記されており、人工芝の使用が前提となっています。国際大会においては、国際ホッケー連盟(FIH)が認証した人工芝サプライヤーFIH Preferred Suppliers | FIHの製品が使用されます。(参考:芝生の用途と利用シーン)
ホッケーも、人工芝が存在しなかった時代は天然芝でプレーされていました。転機となったのは1976年のモントリオールオリンピックです。この大会では天然芝の調達が困難だったため人工芝が使用されたところ、球速が速くスピード感のある試合展開が実現し、これをきっかけに人工芝が主流になったという経緯があります。
芝生広場を持つ北九州市立公園グリーンパークの入園者数が好調 #九州 #公園 #芝生広場
福岡県内でも最大級の広さを誇る北九州市立公園グリーンパーク(響灘緑地)は、北九州市若松区の頓田貯水池を中心に整備された、市内最大の広域公園です。開園した1992年度には約62万人が来場していましたが、2011年度には約36万人まで減少し、下降傾向が続いていました。しかし2017年度は目標の45万人達成が見込まれるまで持ち直しています。
| 年度 | 入園者数 | 状況 |
|---|---|---|
| 1992年度(開園時) | 約62万人 | 好調な出発 |
| 2011年度 | 約36万人 | 減少傾向のピーク |
| 2017年度 | 目標45万人(達成見込み) | V字回復 |
北九州市立公園グリーンパークの入園者数が好調な要因は、年間を通じたイベントの開催や積極的なPR活動にあります。冬季はプロジェクションマッピングを実施し、夏季はウオータースライダーを導入することで、季節を問わず楽しめる公園であることを打ち出しています。加えて、市内約100校の小学校をはじめ、近隣市町にもチラシを配布するなど、PR活動を強化してきたことが、来園者数の回復という成果につながっているようです。この事例は九州の芝生事例に追加しました。
「一年中遊べる公園」好調 若松区の市立「グリーンパーク」 夏冬を強化、年度内45万人へ [福岡県] – 西日本新聞 2017/12/17









