室内で夏芝を一年中グリーンに育てる実験、いよいよスタートです。本記事では2017年10月1日を起点に、プランターへ日本芝(ノシバ)の種をまく工程をDAY1として記録しています。通常7〜10日で発芽するはずですが、室内という特殊環境でどうなるか——その変化を追っていきます。室内で芝生を育てることに興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。なお、このシリーズ全般の概要は芝生の種まきにまとめています。
前回の振り返り:なぜ室内で夏芝を育てるのか
夏芝(暖地型芝草)は冬になると地上部が枯れ込み、春まで休眠するのが一般的です。そこで「室内で温度を保ったまま育てれば、オーバーシードなしに一年中常緑を維持できるのでは?」という仮説を検証するのがこのシリーズの目的です。詳細は室内なら冬でも芝生が枯れないのでは?!【DAY0】をご参照ください。
通常、夏芝は冬に枯れるためオーバーシード(洋芝の上まき)で緑を保つのが一般的な方法です。しかし室内栽培では温度管理によって休眠を回避できる可能性があります。このシリーズではその可否を実際に育てながら確かめていきます。
タキイ種苗の日本芝「ノシバ 芝太郎」を選んだ理由
プランターに切り芝を敷き詰めるのはサイズ的に難しいため、今回は種から育てる方法を選択しました。一般家庭でもっともポピュラーな芝草といえば高麗芝ですが、高麗芝は発芽率が非常に低く、種苗メーカーでも種子販売がほとんど行われていません。そこで種から育てられる日本芝として、タキイ種苗の「ノシバ 芝太郎」を選びました。
タキイでは改良品種もさまざまラインナップされていますが、まずは基本的な品種で試すことにしました。「ノシバ 芝太郎」は耐旱性(たいかんせい=乾きに強い性質)や耐暑性に優れており、定着後の管理が比較的容易な品種です。なお、ネット上には「耐早性」という誤表記が散見されますので注意してください。
ノシバ 芝太郎の主な特徴
- 草丈が低く抑えられるため、管理が容易
- 地下茎と地上ほふく茎により横へしっかり広がる
- 定着後の耐旱性・耐暑性が強い
- 初期生育がやや遅く、雑草との競合には弱い傾向がある
初期生育が遅い点は雑草対策上のデメリットです。プランター管理では雑草の混入が少ないため比較的問題になりにくいですが、発芽後も油断せずこまめに観察しましょう。
播種(種まき)の適期と基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発芽適温 | 20〜35℃ |
| 生育適温 | 15〜35℃ |
| 草丈の目安 | 15〜25cm |
| 播種適期(冷涼地) | 5〜6月 |
| 播種適期(中間・暖地) | 4〜8月上旬 |
| 関東での育成期 | 〜11月前半まで |
| 関東での休眠期 | 11月後半〜4月末 |
プランターに芝生の種をまく:準備から播種まで
成長過程を卓上で観察できるよう、コンパクトなミニプランター(SELON ECOベビープランター コーヒーブラウン ネット限定商品)を用意しました。サイズはW32cm×D13cm×H10cmで、底面の網目が広く水はけに優れた設計です。付属の水受けトレーも便利。材質はバイオマスプラスチックで環境配慮型ですが、強度はやや低め(ぶつけると欠けることも)なので取り扱いに注意が必要です。
根腐れ防止のために底石も用意しましたが、メッシュが十分大きいため底石は省略し、直接エコクレイ芝の床土を入れました。「国立競技場メモリアルグッズ専用につくられた床土」という少しユニークな来歴を持つ製品です。芝生用の土は水はけ・通気性が重要で、この床土は粒が粗めに調整されており、余分な水分が素早く抜ける構造になっています。
「ノシバ 芝太郎」の種をプランター全面にバラまきします。本来は同量の砂と混ぜてタテ・ヨコ・ナナメの3方向にムラなくまくのが推奨手順ですが、今回は混ぜる道具が手元になかったため直播きしました。「全部発芽したらどうなるんだろう?」と思うほどの密度ですが、それで問題ないとのことです。
種をまいたままでは風で飛んだり、発芽までの保水が不十分になります。そこで孟宗竹由来の芝生の目土BLパウダー を種の上から薄くかぶせました。見た目は木くずに似たテクスチャーで、保水性と通気性を両立した素材です。
たっぷりと水をまき、表面を手で軽く押さえて鎮圧します。鎮圧とは種や目土が浮き上がらないよう固定する作業で、発芽率の向上にもつながります。これで播種作業はすべて完了です。
種まきって難しそうですが、プランターなら初心者でもできますか?
プランターなら土の管理も雑草の混入も最小限に抑えられるので、むしろ庭への直播きより管理しやすいです。「床土→種まき→目土→鎮圧→水やり」のステップさえ守れば、初心者でも十分チャレンジできますよ。
- 室内に置けるため温度管理がしやすい
- 雑草の混入リスクが庭植えより大幅に低い
- 成長過程を近距離で観察できる
- 水はけ・排水を底部の構造でコントロールできる
タキイ種苗「友の会」について
今回の種はタキイ種苗から購入しました。タキイには「友の会」という有料会員サービスがあり、季節ごとに様々な品種を育てる方には非常にお得なサービスです。タキイ友の会ご案内から詳細を確認できます。
- 年会費:2,400円
- カタログ・ネット通販が10%引き
- 購入金額にかかわらず送料無料
- 会員限定の園芸雑誌を毎月送付
- タキイ総合カタログを年2回送付
まとめ:DAY1の作業と今後の見どころ
2017年10月1日、プランターへの日本芝(ノシバ 芝太郎)の種まきが完了しました。通常の発芽目安は種まきから7〜10日で、今後は数日おきに状態を記録していく予定です。冬前に芝刈りが必要になるほど育ってくれれば実験は順調と言えますが、10月播種という遅めのタイミングがどう影響するかが最初の注目点です。
- タキイ種苗「ノシバ 芝太郎」の種を選定(種で育てられる数少ない日本芝)
- ミニプランター(W32×D13×H10cm)に芝生用床土を投入
- 種をバラまきし、孟宗竹由来の目土で覆土
- 水やりと鎮圧を行い播種作業完了
- 発芽予定は7〜10日後(DAY7〜10)
シリーズ全体の記事一覧は室内で冬でも芝生チャレンジのカテゴリーページからまとめて確認できます。ぜひ続きの記録もご覧ください。
よくある質問(FAQ)
- ノシバ(日本芝)の種はいつ植えるのが最適ですか?
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中間・暖地では4〜8月上旬、冷涼地では5〜6月が推奨される播種適期です。関東では11月前半までが育成期とされており、それ以降は休眠期に入ります。室内栽培であれば温度を保てるため、10月以降でも発芽・初期生育が期待できます。
- 高麗芝は種から育てられないのですか?
-
高麗芝は発芽率が非常に低いため、種苗メーカーでも種子としての販売がほとんど行われていません。一般家庭で種から育てたい場合は、ノシバ(野芝)やバミューダグラスなどの種子販売がある品種を選ぶとよいでしょう。
- プランターで芝生を育てる際、底石は必要ですか?
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プランターの底面メッシュが十分大きい場合、底石がなくても水はけを確保できます。ただし底穴が小さいタイプのプランターでは根腐れ防止のために軽石や底石を入れることをおすすめします。芝生用床土自体も通気性・排水性を考慮して選ぶことが重要です。
- 種まき後に目土を使う理由は何ですか?
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目土(覆土)には種が風で飛ばされるのを防ぐ役割と、発芽までの間に土が乾燥しすぎるのを抑える保水効果があります。また適度な重みで種と土の密着性が高まり、発芽率の向上にもつながります。孟宗竹由来の目土は通気性と保水性を両立した素材としておすすめです。
- 室内で夏芝を育てると、冬でも緑を保てるのですか?
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夏芝(暖地型芝草)は通常、気温が低下すると休眠して地上部が枯れ込みます。しかし室内で15℃以上の温度を維持できれば休眠に入らず、常緑を保てる可能性があります。このシリーズではその実証を目的として実験を進めています。ただし光量不足になりやすい点も課題のひとつです。









