芝生の張り方で難しいのは傾斜のある斜面・法面。切り芝のマットを真っ直ぐ張れない、表土の流出、張った後ずれるなどの問題が起きます。傾斜のある斜面・法面で上手に芝を張るコツは筋張りしたり竹串などの目串で固定することです。傾斜のある斜面・法面で上手に芝を張る方法。
難しい斜面・法面の芝張り・芝刈り
芝張りで一般的な方法は切り芝のマットに目地を数cmずつ設ける「目地張り」だと思いますが斜面では目測が難しく上手に張れないことも多いようです。また芝張りの後雨で目土が流出してしまう、張った芝がずれてしまうのも心配の種です。
▼表土が流出してしまい芝生が定着しない悩み
また斜面は足場が悪く普通の芝刈り機では転倒や怪我のリスクが有ります。軽量で取り回しの良いポール柄付き芝生バリカンか草払い機がおすすめ。
斜面では一直線に張る「条張り」
斜面の芝張りで一番簡単なのは目地を設けず切り芝を敷き詰める「ベタ張り」ですがお金を節約したい場合、条張り(すじばり)が使われます。
条張り(すじばり)は5〜10cm幅に切った芝草を5〜10cm隙間をあけて1列に張る方法です。切り芝を切らずに並べても同じ効果が得られます。法面など傾斜地で無理なく張れるメリットがあります。市松張り同様、5割程度の切り芝で済みますが全面芝になるまで目地張りより時間がかかります。
▼マンションの法面に芝張りした例。隙間のないベタ貼りを基本に中央の空いた隙間を一部すじ張りしている。あまりメンテできない環境では一気に芝生を作れるベタ張りが楽。黄色い部分が切り芝、灰色の部分は目砂。
これは便利!切り芝を目串で固定する
切芝がずれないよう目串で固定する方法。芝張りの後、養生のため芝生に立ち入らない期間を設けますが斜面に切り芝が乗っているだけだと風や雨でずれてしまう問題。
業者が施工する場合は竹でできた15cm程度の「目串(めぐし)」で芝を固定します。「芝串」「芝 竹串」などで普通に市販されています。木槌や小型の金属ハンマーで、芝生の上から打ち込んで固定します。切り芝1枚に2本刺せばOK。竹串はいずれ腐食して無くなります。
「わら芝」などの不織布に種を付着させた製品を使う
ノシバや西洋芝なら種から芝生を作れて切り芝より初期コストを押さえられます。とは言え全面を目土で覆ったり種が生えるまで土のままというのは難しい所です。
そこで種子、肥料付の不織布をネットに装着した業務用品が出ています。
法面を保護する芝生
法面は「のり面」と読みます。人工的な斜面で河川の堤防のように盛り土する法面、切り通しのように掘り下げた法面の2種類あります。景観や表土流出から保護するため芝生で緑化されることがあります。
▼隅田川河川敷の堤防が芝生で緑化されている例
法面の芝生を保護する器具
角度のある斜面では植物が根付く前に表土が流出してしまいます。そこで網目状のネットやブロックを使って表土を固定します。
▼気象庁の法面に使われた網目状のネット