秋の芝生を眺めていたら、緑色だった葉がいつの間にか赤紫色に染まっていた。そんな経験はないでしょうか。「病気にかかったのでは」「このまま枯れてしまうのでは」と不安になる方は少なくありません。
結論から言うと、この赤色はコウライシバ特有の紅葉現象で、病気ではありません。気温が下がるにつれて休眠期へ入る前の自然な色の変化であり、生育への影響もほとんどないため、特別な対処は必要ないです。
芝生が急に赤くなってきて心配です。これって何かの病気でしょうか。




安心してください。それはコウライシバの紅葉で、冬に向けた自然な変化です。仕組みを知っておくと、病気との見分けもつきやすくなりますよ。
コウライシバの紅葉と病気の見分け方
芝生の紅葉は、樹木の紅葉と同じ仕組みで起こります。秋にイチョウが黄葉し、モミジが紅葉するのと同様に、イネ科の植物であるコウライシバも気温の低下に反応して葉の色を変えるのです。緑のイメージが強い芝生だけに、この変化に驚く方は多いようです。
| 特徴 | 紅葉(生理現象) | 病気による変色 |
|---|---|---|
| 色の変化 | 赤紫色に均一に変化 | 黄色や褐色の斑点・まだら |
| 広がり方 | 気温低下に伴い全体へ徐々に進む | 特定の場所から不規則に広がる |
| 必要な対処 | 基本的に不要 | 原因の特定と治療が必要 |
芝生全体がじわじわと同じ色合いに変わっているなら、まず紅葉を疑って大丈夫です。逆に、一部だけ極端に色が抜けていたり形が不提則なら、病気や害虫を確認したほうがよいでしょう。
紅葉するのはコウライシバだけ、あるいはノシバだけという情報が両方見られますが、どちらも紅葉するというのが正しいようです。鳥取県芝生産組合では、ノシバ系など葉幅の広い品種はコウライ系より早く紅葉が始まり、コウライ系もあと半月ほど経つと全体が紅葉色に変わると説明されています。品種によって進み方が違うだけで、紅葉自体は両方に起こる現象です。
実際にコウライシバとノシバが並んで紅葉する様子は、新宿御苑の最新情報: この植物も紅葉するって知ってましたか?でも確認できます。並べて見ると、色づく時期のずれがよくわかります。
芝生が赤くなる仕組み
紅葉の赤色は、アントシアニンという色素によるものです。気温が下がると葉の中でクロロフィル(緑色の色素)の分解が進み、糖分が蓄積することでアントシアニンが合成されます。モミジやブルーベリーの葉が赤く色づくのと同じ仕組みで、コウライシバの葉にもこの色素が現れるわけです。
紅葉のメカニズムそのものは、図解で納得:紅葉のメカニズム – 毎日新聞で詳しく解説されています。コウライシバ以外の植物で見られる草紅葉の例は、秋を探しに 草紅葉が美しい名所10選|トラベル|NIKKEI STYLEでも紹介されているので、あわせて見てみると色の違いが実感できるはずです。
紅葉しにくい改良品種もある
芝生には緑色のイメージが強く求められるため、緑色保持期間を長くし、冬枯れや紅葉の期間を短くする品種改良が進められてきました。市販されている改良コウライシバのなかには、紅葉しにくい、あるいは紅葉しない特徴を持つものもあります。
その代表例が、ニチノー緑化が開発したハイブリッドコウライシバ「ビクトール(Bictor)」です。紅葉の原因となるアントシアニン色素を遺伝子レベルで消失させているため、秋になっても葉が赤紫色に変わりません。鹿児島市電の軌道敷緑化にも採用されている品種です。



もう一つ、富士化学の改良コウライシバ「新芝草 わかば」も紹介しておきます。こちらは冬期の緑度維持期間の長さを特徴としており、紅葉が完全にないわけではないものの、色が保たれる期間が長く設計されています。



品種ごとの紅葉の違い
| 品種 | 紅葉の有無 | 特徴 |
|---|---|---|
| 通常のコウライシバ | 紅葉する | 秋にアントシアニンが生成され、葉が赤紫色に変わる |
| ビクトール(Bictor) | 紅葉しない | アントシアニン色素を遺伝子レベルで消失させたハイブリッド品種。鹿児島市電の軌道敷緑化に採用 |
| 新芝草 わかば | 紅葉しにくい | 冬期の緑度維持期間が長い改良品種 |
紅葉した芝生への対処は基本的に不要
紅葉は、コウライシバが休眠期へ入るための準備段階です。生育に悪影響を及ぼすことはほとんどないため、色が変わったからといって特別なケアを増やす必要はありません。
- 紅葉中も水やりや肥料を特別に増やす必要はない
- 落ち葉が積もった場合は取り除いておく
- 春になれば新しい葉が出て自然に緑色へ戻る
ただし、色の変化が斑点状だったり、一部だけ極端に枯れている場合は病気や害虫の可能性があります。範囲が不提則に広がっているようなら、原因を確認したほうがよいでしょう。
- コウライシバの紅葉は病気ではなく、休眠期前の生理現象
- 赤色の正体はアントシアニンという色素
- 紅葉しにくい改良品種としてビクトールや新芝草わかばがある
- 斑点状の変色や一部だけの枯れは病気の可能性があるため要注意
よくある質問
- 芝生が赤くなるのは必ず紅葉ですか。
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多くの場合は気温低下による紅葉ですが、斑点状に変色したり一部だけ枯れている場合は病害虫の可能性もあります。葉全体が均一に赤紫色へ変わっているかどうかを確認してください。
- 紅葉したコウライシバは春にまた緑になりますか。
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はい。紅葉は休眠期に入る前の生理現象なので、気温が上がる春には新しい葉が出て、自然に緑色へ戻ります。
- 紅葉するのはコウライシバとノシバのどちらですか。
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どちらも紅葉しますが、進み方には違いがあります。ノシバ系など葉幅の広い品種は、コウライシバより早く紅葉が始まる傾向があります。
- 紅葉しない芝生の品種はありますか。
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あります。ニチノー緑化のビクトール(Bictor)は、紅葉の原因となるアントシアニン色素を遺伝子レベルで消失させたハイブリッドコウライシバで、秋になっても紅葉しません。









