MENU

芝生の殺虫剤おすすめ3選|オルトラン・スミチオン・フルスウィングの違いと害虫別の選び方

西洋芝の混合

庭の見張り番 動物よけ忌避剤シリーズ 

 

庭の見張り番をAmazonで見る

芝生の殺虫剤の定番は、オルトラン粒剤・スミチオン乳剤・フルスウィングの3つです。スジキリヨトウとシバツトガならどれでも対応できますが、根を食べるコガネムシの幼虫にオルトランは使えません。害虫別の早見表と、3剤の違い・使い分けを解説します。

この記事の結論:害虫別の選び方
  • 葉を食べるイモムシ(スジキリヨトウ・シバツトガ)だけ → まくだけで使えるオルトラン粒剤が手軽
  • 根を食べるコガネムシの幼虫もいる → スミチオン乳剤(価格が手ごろ)かフルスウィング(効きが長く続く)
  • どの薬剤も、ラベルの「適用作物」に「芝」があるかを必ず確認する。同じ名前でも芝に使えない製品がある
目次

害虫別の早見表|オルトラン・スミチオン・フルスウィング

芝の害虫オルトラン粒剤スミチオン乳剤フルスウィング
スジキリヨトウ(葉を食べるイモムシ)○○○
シバツトガ(葉を食べるイモムシ)○○○
コガネムシ類の幼虫(根を食べる)×○○
シバオサゾウムシ×○○
有効成分アセフェートMEP(フェニトロチオン)クロチアニジン
使い方そのまままく(粒剤)水で薄めてまく(乳剤)水で薄めてまく(水和剤)

表は、家庭園芸用のオルトラン粒剤、スミチオン乳剤、芝生用のフルスウィングについて、芝に登録されている主な害虫をまとめたものです(2026年9月時点)。同じ商品名でも製品ごとに登録内容が異なることがあるため、最新の内容は製品ラベルや農林水産省「農薬登録情報提供システム」で確認してください。

どの害虫か分からないときの見分け方

  • 葉がかじられている・夜に芝の上をイモムシが動いている → スジキリヨトウやシバツトガ
  • 芝が部分的に枯れ、引っぱると根ごと簡単に抜ける・土の中に白いイモムシ → コガネムシ類の幼虫
  • カラスや鳥が芝生をつついて掘り返す → 土の中の幼虫をねらっている可能性がある
  • 夜のうちに芝が広くめくられている → 幼虫をねらうアライグマなどの動物の可能性もある(アライグマ対策)

スジキリヨトウとシバツトガは、どちらも蛾の幼虫です。昼は土の中や、芝の葉と砂粒でつくった巣に隠れ、夜に出てきて葉や茎を食べます。コガネムシ類(マメコガネ・スジコガネなど)の幼虫は、土の中で根や地下の茎を食べるため、西洋芝では株が部分的に枯れ、日本芝では広い範囲で生育が悪くなります。

散布する時期の目安

害虫被害が大きくなる時期散布の目安
スジキリヨトウ年3回発生し、夏〜秋の2〜3世代目の幼虫による被害が大きい幼虫の発生初期。8月上旬〜下旬が目安
シバツトガ年3〜4回発生し、2〜3世代目の幼虫による被害が大きい幼虫の発生初期。8月上旬〜下旬が目安
コガネムシ類の幼虫夏に卵からかえった幼虫が、夏の終わりから秋に根を食べる幼虫が小さいうち。8月中旬〜9月上旬が目安

時期は、芝の管理向けに害虫の発生時期をまとめたエンビュー「スジキリヨトウ」、「シバツトガ」、「マメコガネ」を参考にした目安です。地域やその年の気温で前後するため、葉が食べられ始めた、芝が抜けやすくなったなど、被害の出始めを見て散布してください。

散布するときは、マスクと手袋をつけ、風のない日に行います。子どもやペットは薬剤が乾くまで芝生に出さないでください。

殺虫剤オルトランの特徴と芝生への使い方

オルトランはKINCHO園芸(2025年7月に住友化学園芸から社名変更)が展開する家庭園芸用殺虫剤シリーズです。有効成分のアセフェートは有機リン系の殺虫成分で、浸透移行性を持ち、葉や根から吸収されて植物の体内を移動しながら、汁を吸う害虫や葉を食べる害虫を退治します。効果が長く続くのが浸透移行性の利点です。

ポイント

浸透移行性の殺虫剤は、いったん植物に吸収されると雨で流れにくく、効果が長持ちします。散布回数を減らせる分、コストや手間を抑えやすいのが特徴です。

オルトランの適用作物・適用害虫

オルトランは菊や観葉植物、きゅうりやトマトなど家庭菜園向けにも使われる薬剤ですが、実は製品によって芝生に使えるものとそうでないものがあります。同じ「オルトラン」の名前でも、農薬登録上、芝に使えるのは一部の製品だけという点に注意が必要です。

製品名主な有効成分芝への農薬登録
GFオルトランC(スプレー)アセフェート・MEP(フェニトロチオン)・トリホリン(殺菌成分)登録なし
GFオルトラン液剤アセフェート登録なし
オルトランDX粒剤アセフェート・クロチアニジン登録なし
家庭園芸用GFオルトラン水和剤アセフェート登録あり
家庭園芸用GFオルトラン粒剤アセフェート登録あり

芝生に使えるのは「家庭園芸用GFオルトラン水和剤」と「家庭園芸用GFオルトラン粒剤」の2種類です。粒剤はスジキリヨトウ・シバツトガ・タマナヤガに、水和剤はこの3種に加えてケラ・シバオサゾウムシ成虫・アカフツヅリガにも、芝での登録があります(参考:農林水産省 農薬登録情報「家庭園芸用GFオルトラン粒剤」・「家庭園芸用GFオルトラン水和剤」)。

オルトランは芝生三大害虫のうち、コガネムシ類幼虫には効きません。コガネムシも駆除したい場合は、後述するスミチオンなど別の薬剤を検討してください。

  • スジキリヨトウ、シバツトガ、タマナヤガに芝での登録がある
  • 浸透移行性で効果が長く続く
  • コガネムシ類幼虫には効果がない
  • 製品によって芝への農薬登録の有無が異なる
注意

オルトランの製品には、芝以外の植物でコガネムシ類幼虫に登録があるものもあり、それを見て「オルトランは芝のコガネムシにも効く」と誤解した口コミも見かけます。芝の農薬登録ではコガネムシ類幼虫は対象外なので、混同しないよう注意してください。また、名前の似た「オルチオン乳剤」は、オルトランの成分(アセフェート)とスミチオンの成分(MEP)を混ぜたKINCHO園芸の殺虫剤です。適用作物はきく・ばら・樹木類・つつじ類で、芝には登録がありません(参考:農林水産省 農薬登録情報「オルチオン乳剤」)。

家庭園芸用として広く流通しているのが家庭園芸用GFオルトラン粒剤です。ホームセンターや通販で購入できます。

補足

有効成分がオルトランと同じアセフェート(5%)の粒剤に「スミフェート粒剤」があり、レインボー薬品などから販売されています。芝ではスジキリヨトウ・シバツトガ・タマナヤガに登録があり、使い方は家庭園芸用GFオルトラン粒剤と同じく、1㎡あたり10g(タマナヤガは5〜10g)を発生初期にまきます(参考:農林水産省 農薬登録情報「スミフェート粒剤」)。

オルトランの使い方と効果

水和剤と粒剤では準備の手順が異なります。水和剤は水で薄めてから散布し、粒剤はそのまま均一に撒きます。どちらも散布後の散水が効果を左右するポイントです。

STEP
薄める、または粒剤を用意する

水和剤は、芝に使う場合は水で1000倍に薄めます。粒剤はそのまま使えるので希釈の手間はありません。1㎡あたりの量(粒剤は10g)を量っておくと、まきすぎを防げます。

STEP
芝生全体に均一に散布する

ムラができると効果に差が出るため、なるべく均一に行き渡らせます。土壌が極度に乾燥しているときは効果が落ちるため使用を避けます。

STEP
散布後に散水する

粒剤でスジキリヨトウ、シバツトガ、タマナヤガを防除するときは、散布後に1平方メートル当たり0.5〜1.0リットルの散水を行います。粒剤が地中に行き渡り、根からの吸収も進みます。

水で薄めて使いたい場合は家庭園芸用GFオルトラン水和剤を選びます。なお、オルトランには独特のにおいがあるため、家の近くでまくときは風向きなどに配慮すると良いでしょう。

殺虫剤スミチオンの特徴と芝生への使い方

スミチオンは草花や庭木、野菜、果樹まで広範囲の害虫に使える代表的な園芸用殺虫剤です。有効成分は有機リン系のMEP(フェニトロチオン)で、KINCHO園芸からは「家庭園芸用スミチオン乳剤」の商品名で販売されています。

家庭園芸用スミチオン乳剤は、ホームセンターや通販で入手できます。

スミチオンの適用作物・適用害虫

スミチオンはオルトランと並ぶ代表的な園芸用殺虫剤で、適用作物・適用害虫のリストは列挙しきれないほど広範囲です。詳細な適用表は家庭園芸用スミチオン乳剤|KINCHO園芸で確認できます。

芝生では、コガネムシ類幼虫に登録がある点が最大の特徴です。家庭園芸用スミチオン乳剤の芝の登録は、シバツトガ・スジキリヨトウ(1000倍、1㎡あたり0.3〜2L)、コガネムシ類幼虫(1000倍、1㎡あたり3L)、シバオサゾウムシ(1000倍、1㎡あたり3L、幼虫の発生期)で、使用回数は6回以内です(参考:農林水産省 農薬登録情報「家庭園芸用スミチオン乳剤」)。オルトランでは駆除できないコガネムシに対応できる点で、三大害虫の対策を1剤でカバーしやすい薬剤です。

スミチオンの使い方と効果

スミチオン乳剤は水で1000倍に薄めて散布します。コガネムシ類幼虫を対象にする場合は、散布量を増やし、土壌にしっかり染み込ませることが重要です。

  • コガネムシ類幼虫には散布液が土壌中に十分しみ込むよう、ジョロなどで1平方メートル当たり3リットルを目安に散布する

水量が少ないと地表付近にしか薬剤が届かず、地中の幼虫まで効果が及ばないことがあります。コガネムシ対策では水量を惜しまないことがポイントです。

殺虫剤フルスウィングの特徴と芝生への使い方

フルスウィングは、ゴルフ場などでも使われている芝生用の殺虫剤です。農薬登録を持つのはレインボー薬品で(農林水産省登録第20733号)、有効成分はクロチアニジン、剤型は水で薄めて使う顆粒水和剤です。販売元の資料では、甲虫類(コウチュウ目)、チョウ目、カメムシ目、バッタ目など幅広い害虫に殺虫活性を示すと説明されています(参考:理研グリーン「フルスウィング顆粒水和剤」)。

フルスウィングはネオニコチノイド系の農薬です。ネオニコチノイド系の農薬はミツバチへの影響が問題とされ、EUではクロチアニジンについて2018年に屋外での使用が禁止され、その後承認も失効しています(参考:欧州委員会「Neonicotinoids」)。一方、日本では登録された使い方を守ることを前提に使用が認められており、国内の農薬メーカーである住友化学は2013年のEUのネオニコチノイド剤規制に対する見解で、ネオニコチノイド剤がミツバチの大量死・大量失踪の主たる原因ではないという立場を示しています。評価が分かれている点は知っておく必要があります。

使用上の注意

フルスウィングの使用上の注意には、ミツバチについて「巣箱及びその周辺にかからないようにしてください」、また「マルハナバチに影響を及ぼす恐れがあるので注意してください」との記載があります(理研グリーンの製品ページより)。近隣で養蜂が行われている場合は、使用前に確認しておきましょう。

フルスウィングの適用作物・適用害虫

フルスウィングは、芝のコガネムシ類幼虫・シバツトガ・スジキリヨトウの三大害虫に登録があります。そのほか、シバオサゾウムシ、タマナヤガ幼虫、ケラ、チガヤシロオカイガラムシにも芝での登録があります。薄め方は、5000倍に薄めて1㎡あたり0.5L(コガネムシ類幼虫は0.5〜1L)をまく方法のほか、1000倍で1㎡あたり0.1Lなど複数あり、使用回数は4回以内です(参考:農林水産省 農薬登録情報「フルスウィング」)。

販売元の資料では、コガネムシ類に対して、成虫の発生期から幼虫期まで、いずれの時期に散布しても効果があるとされています。コガネムシとシバツトガを同時に防除できる点と、効果の続く期間の長さが特徴です。日本芝・西洋芝のどちらにも使えますが、使用にあたっては製品ラベルの記載を基準にしてください。

フルスウィング(100g)は、通販などで購入できます。

フルスウィングの使い方と効果

フルスウィングは規定の倍率に薄めてジョウロなどで散布します。値段はスミチオンより高めなので、コガネムシへの効きが物足りないと感じたときの選択肢として位置づけるのが現実的でしょう。

オルトラン・スミチオン・フルスウィングを比較

3剤の違いを一覧にすると、選ぶ基準がはっきりします。コガネムシ対策が必要かどうかが、選び方の分かれ道になります。

薬剤名有効成分ヨトウ・ツトガコガネムシ類入手性
オルトラン(家庭園芸用水和剤・粒剤)アセフェート対応非対応ホームセンターで入手しやすい
スミチオン乳剤MEP(フェニトロチオン)対応対応ホームセンターで入手しやすい
フルスウィングクロチアニジン対応対応(残効性が長い)専門的な販路が中心で価格は高め

芝に使うときの量と、どのくらいの面積に使えるかの目安は次のとおりです(農林水産省の農薬登録情報から計算)。

薬剤名薄め方・使う量(芝)使用回数使える面積の目安
家庭園芸用GFオルトラン粒剤薄めずに1㎡あたり10g(タマナヤガは5〜10g)。まいた後に1㎡あたり0.5〜1Lの水をまく5回以内1kgで約100㎡
家庭園芸用GFオルトラン水和剤1000倍に薄め、1㎡あたり0.25〜2L(害虫によって異なる)5回以内薄めた液1Lに製品1g
家庭園芸用スミチオン乳剤1000倍に薄め、ヨトウ・ツトガは1㎡あたり0.3〜2L、コガネムシ類幼虫は1㎡あたり3L6回以内コガネムシ類幼虫なら100mLで約33㎡
フルスウィング5000倍に薄め、1㎡あたり0.5L(コガネムシ類幼虫は0.5〜1L)など4回以内5000倍・1㎡あたり0.5Lなら100gで約1,000㎡

ヨトウとツトガだけが問題ならオルトランで十分ですが、コガネムシ類幼虫が疑われる場合はスミチオンかフルスウィングを選ぶ必要があります。まずは入手しやすく価格も抑えられるスミチオンを試し、効きが不十分だと感じたときにフルスウィングを検討するという順番が、コストの面では合理的です。

粒剤・水和剤・乳剤の違いとは

同じ有効成分でも、製品には粒剤・水和剤・乳剤(液剤)といった剤型の違いがあります。有効成分そのものは変わらず、散布方法と使い勝手が異なると考えてよいでしょう。

粒剤

粉末が粒状に固められたもので、希釈せずそのまま散布できます。粒はすぐに溶けないため、散布後に散水して地面に浸透させると効果が安定します。

水和剤

水に溶けにくい粉末を、界面活性剤などで水に分散させやすくした製品です。水で薄めてから散布します。フルスウィングは、粉が舞いにくい顆粒状の水和剤です。

乳剤・液剤

有効成分をあらかじめ液体に溶かした製品です。乳剤(スミチオン乳剤など)は水で薄めると白く濁った液になり、液剤は水に溶けて透明な液になります。どちらも水和剤と同様に水で薄めて使い、溶け残りが少なく均一に散布しやすい傾向があります。

庭が広く手早く撒きたいなら粒剤、被害の出ている場所に水と一緒にしっかりしみ込ませたいなら、水で薄める水和剤や乳剤が向いています。

まとめ

まとめ

まず被害の出方から害虫を見分けます。ヨトウ・ツトガだけならオルトラン、コガネムシも含めた三大害虫対策ならスミチオン、スミチオンで効きが足りなければフルスウィングを検討する。この順番で選べば、無駄な買い直しを避けられます。

よくある質問

オルトランとスミチオン、どちらを先に使えばいいですか。

被害の見た目で判断します。夜間に葉や茎が食害されていてコガネムシの心配がなければオルトランで対応できます。芝が部分的または面的に枯れて根元にイモムシ状の幼虫がいる場合は、コガネムシ類幼虫にも効くスミチオンを選んでください。

コガネムシの幼虫には何を使えばよいですか。

コガネムシ類幼虫にはスミチオンかフルスウィングが選択肢になります。スミチオンは入手しやすく価格も抑えやすい一方、フルスウィングは残効性の長さが特徴です。スミチオンで効果が不十分な場合に、フルスウィングを検討するとよいでしょう。

芝生の殺虫剤はいつ撒くのが目安ですか。

どの薬剤もラベルの使用時期は「発生初期」です。芝の管理向けの資料の目安では、スジキリヨトウとシバツトガは8月上旬〜下旬、コガネムシ類の幼虫は8月中旬〜9月上旬で、被害が目立つ前の若い幼虫のうちにまくと効果的です。発生時期は地域や気候によって前後するため、被害の出始めを見て判断してください。

粒剤と水和剤はどちらが使いやすいですか。

広い庭で手早く済ませたいなら、希釈の手間がない粒剤が扱いやすいです。被害の出ている場所に水と一緒にしっかりしみ込ませたい場合は、水で薄める水和剤や乳剤のほうが向いています。

フルスウィングはミツバチに影響がありますか。

フルスウィングはネオニコチノイド系の農薬で、使用上の注意にもミツバチの「巣箱及びその周辺にかからないようにしてください」との記載があります。近隣で養蜂が行われている場合は、使用前に周辺への影響を確認することをおすすめします。

芝生のほかに、庭と家でこんな困りごとはありませんか?

庭の見張り番 動物よけ忌避剤シリーズ 

 

庭の見張り番をAmazonで見る

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

著者

「芝生の手入れ.com」のほぼ全ての記事を書いています。都内在住のブロガー/エディター。好きな芝はケンタッキーブルーグラス。育てている芝はコウライシバ・ノシバ、西洋芝のバミューダグラス・JターフⅡ。

目次