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高校サッカー上位校は人工芝+照明設備の練習環境が多い?

ティフトン

 

 

年末年始の風物詩、全国高校サッカー選手権。今回の男子決勝も好試合の評判が高かった。J1では天然芝またはハイブリッド芝の使用が義務付けられているが、高校サッカーの現場ではむしろ練習機会を安定して確保できる人工芝グラウンドの存在感が増している。強豪校の練習環境を見渡すと、人工芝グラウンドに加えて照明設備、さらにサブグラウンドまで備える構成が目立つ。

天候や日没に練習時間を左右されない環境は、選手の成長スピードにどう影響するのか。今大会で結果を出した高校の練習環境から、その手がかりを探ってみたい。

この記事でわかること

人工芝と照明設備がなぜ強豪校の練習環境として重視されるのか、そして天然芝や土のグラウンドとの違いがどこに現れるのかを、実際の高校の事例をもとに整理する。

目次

創部2年で全日本高校女子選手権に初出場 六甲アイランド高女子サッカー部の例

2018年頭にかけて兵庫県各地で開催された全日本高校女子選手権。地元兵庫から出場したのは、サッカー部創立が2015年という新しいチーム、六甲アイランド高女子サッカー部だった。神戸新聞はその要因を「人工芝のグラウンドで練習できる環境」と「経験者の加入が続いたこと」の2点で説明している。

市立六甲アイランド高は、赤塚山高等学校と神戸商業高等学校という2つの神戸市立高校が、1994年の阪神淡路大震災の被災を契機に統合再編されて生まれた学校だ。震災からの再編という経緯を持つ学校が、創部わずか3年目で全国大会の舞台に立ったことになる。

練習には高校のそばにある「神戸レディースフットボールセンター」を使用している。人工芝と夜間照明を備えた施設だ。長時間の移動や、天然芝特有の養生期間による制約を受けずに練習時間を確保できたと推測される。移動時間のロスがなく、日没後も練習を続けられる環境は、限られた部員数のチームにとって練習量を積み重ねる上での大きな追い風になっただろう。

補足

神戸レディースフットボールセンターは人工芝と夜間照明を完備した施設で、女子サッカーの練習拠点として利用されている。天然芝のような養生期間の制約がなく、放課後の限られた時間でも安定した練習が可能になる。

六甲アイランド高は約半数が小中学からのサッカー経験者で、澤穂希をはじめ日本代表を多数擁したなでしこリーグの強豪「INAC神戸レオネッサ」のユース出身者もいる。人工芝という練習環境と経験者の加入が重なり合ったことで、短期間での強化が実現したと見てよいだろう。残念ながら一回戦で松商学園高校に敗れてしまったが、3年目での初出場は快挙といえる。

この初出場に至る背景については神戸新聞NEXT|スポーツ|全日本高校女子サッカー 創部2年で六甲アイランド高が初出場でも詳しく触れられている。

全国高校サッカー選手権で上田西が長野県勢初のベスト4進出

サッカーが弱いとされてきた長野県勢として、初めて4強に進出したのが上田西高校だ。ベスト8進出も松本県ケ丘高校以来41年ぶりとなり、単なる一時的な躍進とは考えにくい。練習環境の違いに、その理由の一端があるのではないか。

スポーツ報知は高校サッカーの練習グラウンド事情について報じている。全国の名門私立高校の練習場は人工芝が主流であり、今大会のベスト4進出校も上田西以外は人工芝の立派なグラウンドを練習拠点にしていた。一方で上田西高校は私立ながら土のグラウンドを使用し、例年1月から3月は積雪のためグラウンドでまともな練習ができず、フィジカルトレーニング中心の冬を過ごしているという。

この対比は【高校サッカー】上田西、私立でも稀な土のグラウンドで鍛錬…雪にも、土にも負けず 長野県勢初4強 : スポーツ報知で報じられた内容に基づく。

  • 土のグラウンドのため冬季は積雪でシーズン中の実戦練習が難しい
  • 1月から3月はフィジカルトレーニング中心になり、ボールに触れる時間が限られる
  • 他のベスト4進出校が人工芝グラウンドを持つ中での相対的な不利が指摘されている

こうした条件下でのベスト4進出だからこそ、上田西の躍進は評価されている。設備面で不利な状況を選手個々の強さで乗り越えたことになり、練習環境がすべてを決めるわけではないという事実も同時に示している。

積雪地域の課題

積雪の多い地域では、冬場のグラウンド利用自体が制約される。人工芝であっても除雪や凍結対策が必要になる場合があり、地域の気候条件は練習環境を考える際に無視できない要素だ。

優勝校・準優勝校に見る人工芝グラウンドの整備状況

今大会で悲願の初優勝を遂げたのは前橋育英高校だ。人工芝を全面に敷設したサッカー専用競技場「前橋育英高等学校サッカー部高崎グラウンド」を自前で持ち、ナイター照明も完備しているため放課後も練習を続けられる。自前の練習場を持たないザスパ草津が最も多く利用しているグラウンドでもあり、地域のサッカー環境そのものを支える施設といえる。それだけの設備を持つ強豪校が今回初めて頂点に立ったという事実は、人工芝と照明設備の組み合わせが強豪校の標準的な条件になりつつあることを裏づけている。

詳しい設備概要はザスパ草津  前橋育英サッカー部高崎グラウンドで確認できる。

前橋育英と決勝を争った千葉・流通経済大柏高校も、人工芝のサッカーグラウンドを2面持ち、ナイター照明設備も備える。使用しているのは女子サッカーワールドカップのカナダ大会決勝ピッチにも採用されたポリタン社のロングパイル人工芝だ。国際大会で使われる規格の人工芝を練習環境に導入している点は、設備投資への本気度を物語っている。この点は"【法人】流通経済大学柏高等学校ロングパイル人工芝改修工事 ロングパイル人工芝 信頼と安全の施工実績 マルソル株式会社でも紹介されている。

準決勝で流通経済大柏と戦った栃木・矢板中央高校は、2008年に人工芝グラウンドを整備している。照明も完備しており、昼夜を問わず年間を通じて練習や試合が可能だ。全国高校サッカー選手権やインターハイの栃木県予選の公式会場としても使われており、地域を代表するサッカーグラウンドの一つに数えられる。この整備の経緯はサッカー部練習場に記録が残っている。

4校の練習環境を並べると、共通点がはっきり見えてくる。

高校名グラウンド照明設備特記事項
前橋育英高校人工芝(専用競技場)ナイター照明完備ザスパ草津も利用する地域拠点、今大会初優勝
流通経済大柏高校人工芝2面ナイター照明完備女子W杯カナダ大会決勝ピッチと同規格の人工芝を使用
矢板中央高校人工芝(2008年整備)照明完備栃木県のサッカー選手権・インターハイ予選公式会場
上田西高校土グラウンド記載なし1〜3月は積雪でフィジカル中心の練習

表を見れば一目瞭然だが、ベスト4に進んだ4校のうち3校が人工芝と照明の両方を備えている。残る上田西だけが土のグラウンドで、しかも積雪という気候的な制約まで抱えていた。それでも4強に食い込んだことを踏まえると、設備は結果を左右する要因の一つではあるが、絶対条件ではないとも読める。

人工芝+照明のメリット

人工芝は天然芝と違って養生期間が不要で、雨天後もすぐに使用できる。照明設備を併せ持てば、日没後や冬の短い日照時間でも練習時間を確保しやすくなる。放課後の限られた時間を効率的に使いたい部活動にとって、この2点の組み合わせは練習量の積み重ねに直結する。

人工芝は雨上がりでも使用可能で、天然芝のような養生期間を必要としない点が、部活動の限られた練習時間を確保する上で強みになる。

まとめ 強豪校の練習環境から見える傾向

今大会を振り返ると、ベスト4に進んだ高校の多くが人工芝グラウンドと照明設備の両方を備えていた。天然芝の養生期間や天候に左右されず、放課後や夜間でも安定して練習できる環境が、選手層の厚さと練習量の積み重ねを後押ししていると見てよいだろう。一方で上田西高校のように、土のグラウンドと積雪という不利な条件を抱えながらも結果を出した例もあり、設備だけがすべてを決めるわけではない。

まとめ

人工芝と照明設備の組み合わせは、練習時間の確保という点で強豪校の共通条件になりつつある。ただし上田西高校の躍進が示すように、設備の差を選手の強化や指導で補うことも可能だ。今後、人工芝と照明を備えた練習環境は、強豪校に限らず広がっていく可能性がある。

よくある質問

なぜ高校サッカーの強豪校は人工芝グラウンドを持つ学校が多いのか

人工芝は天然芝のような養生期間を必要とせず、雨天後もすぐに使用できる。放課後の限られた練習時間を有効に使えるため、練習量の確保を重視する強豪校で導入が進んでいる。

J1リーグと高校サッカーで芝の扱いが異なるのはなぜか

J1リーグでは天然芝またはハイブリッド芝の使用が義務付けられており、公式戦を想定した規格が求められる。一方で高校の部活動は日常の練習頻度と時間確保が優先されるため、人工芝が選ばれやすい傾向がある。

照明設備がある練習グラウンドにはどんな利点があるのか

日没後でも練習を続けられるため、冬場の日照時間が短い時期でも練習時間を確保しやすくなる。人工芝と組み合わせることで、天候や時間帯に左右されにくい練習環境が整う。

土のグラウンドの高校は設備面で不利になるのか

積雪地域では冬季の練習に制約が出やすい。ただし上田西高校の例のように、設備面の不利を選手の強化や指導方法で補い、上位進出を果たした事例もある。

 

 

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著者

「芝生の手入れ.com」のほぼ全ての記事を書いています。都内在住のブロガー/エディター。好きな芝はケンタッキーブルーグラス。育てている芝はコウライシバ・ノシバ、西洋芝のバミューダグラス・JターフⅡ。

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