- ムカデが庭に来る原因は湿気・隠れ場所・エサ(小さな虫)の3つ。まずは落ち葉や植木鉢の下など、湿った隠れ場所を減らす
- 家への侵入は基礎や窓まわりのすき間から。すき間をふさぎ、家の周囲に帯状に薬剤や忌避剤を置く
- 活動が活発なのは春から秋。暖かくなる前に対策を始めると効果的
- 刺されたら流水で洗い、腫れや痛みが強いとき・息苦しさなど全身の症状があるときはすぐ医療機関へ
- 刺されたら:ムカデに刺されたときの応急処置
- 家に入ってくる:ムカデの侵入口を特定してふさぐ方法
- 薬剤を選びたい:ムカデよけ忌避剤の種類別比較
- 子ども・ペットが心配:ムカデよけ忌避剤の安全性
芝生の庭がムカデを招く3つの原因
ムカデは、湿気があり、隠れる場所とエサがある環境に集まります。手入れされた芝生でも、条件によってはこれらがそろってしまうことがあります。
乾燥を嫌う習性と高湿度環境
ムカデは乾燥に弱い生き物です。密生した芝生は地表への日光や風をさえぎり、地面が暗く湿った状態を長く保ちます。梅雨どきのように空気そのものが湿っている時期は、芝生の内側の湿度がさらに高くなります。
潜伏場所として機能するサッチ層
刈りカスや枯れた葉が分解されずにたまった層を「サッチ」と呼びます。サッチは水分を保ちやすく、芝生の根元と地面のあいだにムカデが潜り込めるすき間をつくります。サッチが厚くなるほど、隠れ場所が増えます。
エサになる土の中の小さな生き物
芝生の土の中や地表には、ミミズやコガネムシの幼虫、ダンゴムシなど多くの小さな生き物がいます。これらはムカデのエサになるため、小さな生き物が多い庭ほどムカデも集まりやすくなります。
サッチが湿気を保ち、そこで小さな虫が増え、それを目当てにムカデが集まります。反対に、湿度が高いとサッチの分解が遅れ、層が厚くなります。3つの原因は、互いに住みやすい環境を強め合っています。
あなたの庭は大丈夫?ムカデがすみつきやすい庭のセルフチェック
具体的な対策に入る前に、庭がムカデの好む環境になっていないか確認しましょう。次の項目が目安になります。
| チェック項目 | リスクの内容 |
|---|---|
| 芝生の根元に枯れ草が1cm以上積もっている | サッチ層が厚く、潜伏場所が豊富 |
| 石・プランター・腐葉土袋が芝生縁に密着している | 日陰の湿った隙間が多数ある |
| 夕方以降に水やりをすることが多い | 夜間の地表湿度が高い状態が持続 |
| 庭灯に小虫が多く集まり、水はけが悪い箇所がある | 間接的な餌場と、湿度の高いエリアが存在 |
当てはまる項目が多いほど、ムカデがすみつきやすい環境といえます。とくに水はけの悪さとサッチのたまりは、環境から見直したいサインです。
当てはまる項目が少なければ、水やりの時間や物の置き方を見直すなどの予防的な管理から始めましょう。多く当てはまる場合は、環境の見直しに加えて、忌避剤や殺虫剤の併用も検討します。次の章では、組み合わせたい対策を紹介します。土の環境づくりについては ムカデが庭に寄りつかない土壌環境づくり も参考にしてください。
5つの対策:環境の見直しと薬剤を組み合わせる
対策は大きく「環境の見直し」と「薬剤を使う対策」に分かれます。環境の見直しは原因そのものを減らす対策、薬剤は今いるムカデや侵入を抑える対策です。両方を組み合わせると、効果が続きやすくなります。
1. サッチングとエアレーションで環境を整える
- サッチングレーキで枯れ草の層を取り除き、隠れ場所を減らします。
- エアレーション(穴あけ)で土の通気性と水はけを改善し、地表の湿りすぎを防ぎます。
- 春と秋の年2回が目安です。手間はかかりますが、環境そのものを変えられる方法です。
2. 水やりのタイミングと排水を見直す
ムカデが活発になる夜の湿度を下げるため、水やりは午前中に済ませます。夕方までに地表がある程度乾く状態が理想です。水たまりができる場所があれば、目土を入れたり排水溝を見直したりして改善します。
3. 物の置き方を見直し、すき間をなくす
芝生の縁に密着して置いた石やプランターは、下に湿ったすき間をつくります。少し離して置き直すだけでも、隠れ場所を減らせます。芝生と花壇などの境目に砂利や防草シートを敷くと、湿った隠れ場所ができにくくなります。
4. 土の中の害虫を減らしてエサを断つ
コガネムシの幼虫などが減れば、ムカデが庭にとどまる理由を1つ減らせます。小さな虫が目に見えて多い庭では、芝生に使える登録のある土壌殺虫剤(粒剤)を、ラベルの使用方法どおりに使うのも方法です。
対策1〜4は、どれも「ムカデが好む環境」を変える対策です。そのうえで、5つ目の対策として忌避剤を使います。
5. 忌避剤を使う:成分と剤型の選び方
忌避剤も薬剤なので、選び方と使い方が大切です。ラベルと違う使い方をすると、効果が出にくいだけでなく、芝生やまわりの環境に影響が出るおそれがあります。
| タイプ | 主成分例 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 天然成分系 | ヒノキ油、ハッカ油 | 殺虫成分を使わずに近寄りにくくする | 持続期間は製品や剤型によって異なるため、製品表示で確認する。屋外では雨や日光で弱まりやすい。ペットがいる場合は製品の注意表示を確認する |
| 化学成分系 (ピレスロイド系等) | フェノトリン、ペルメトリン | 触れたムカデを駆除できる。持続期間は製品表示を確認する | 規定の量を超えて使うと薬害のおそれがある。使用量と回数・間隔を守る |
殺虫成分を使いたくない場合は天然成分系、すでに数が多くすぐに減らしたい場合は化学成分系が候補になります。製品ごとの違いは ムカデよけ忌避剤の種類別比較、散布する場所や量は ムカデよけ忌避剤の正しい使い方 で詳しく紹介しています。
剤型による使い分け
- 粒剤:庭の外周や境界線に帯状にまく使い方に向いています。雨にある程度強く、一定期間効果が続きます。
- スプレー剤:基礎のすき間や玄関ドアの下など、侵入口のピンポイント処理に向いています。すぐ効く一方、効果は長く続きません。
- 置き型・シート型:玄関まわりや窓の下などに置き、定期的に交換する「置くだけ」の対策です。
ラベルに書かれた「使用場所」「使用量(希釈倍率)」「使用方法」「使用間隔」を守ってください。とくに化学成分系は、多くまけば効果が高まるわけではなく、薬害などのおそれが高まります。散布後の散水などの扱いも、ラベルの指示に従います。
年間の散布スケジュールの目安
忌避剤は定期的な補充が必要です。ムカデの活動に合わせて使うと、効果を切らさずに続けやすくなります。
- 梅雨入り前(5月下旬〜6月上旬):活動が盛んになる前に、粒剤などで家の外周を守ります。
- 梅雨明け後(7月下旬):雨で流れた分を補充し、侵入口もスプレーなどで処理し直します。
- 秋口(9月下旬〜10月上旬):冬越しの前の活動期に対処し、翌年に備えます。
応急処置と、家への侵入を防ぐ対策
庭仕事をしていて刺されることもあります。刺されたときの対処と、家に入られないための対策をあわせて知っておきましょう。
刺された直後の応急処置
刺された傷口を流水で洗います。口で吸い出さず、まわりを軽く押しながら洗い流します。
42〜43℃程度のお湯に、患部を10〜15分ほどつけます。熱すぎるとやけどのおそれがあるため、温度に注意します。ムカデの毒はたんぱく質を含み、温めると痛みや腫れがやわらぐことがあるとされています。
炎症やかゆみには、抗ヒスタミン薬やステロイドの塗り薬を使います。その後、症状が広がらないか注意して様子を見ます。
家への侵入をすき間の封鎖で防ぐ
庭の対策を進めても、家の中に入られることがあります。侵入口を見つけて、ふさいだり薬剤を使ったりして守りましょう。
- 基礎のすき間・ひび割れ:モルタルやコーキング材でふさぎ、外側に粒剤を帯状にまく。
- 排水管・配管まわり:壁とパイプのすき間にパテを詰めてふさぐ。
- 玄関ドア・サッシの下:すき間テープを貼り直し、マットの下や敷石の継ぎ目に定期的に忌避剤を使う。
ムカデ対策の方法を比較|自分でできること・業者に頼むこと
ムカデ対策にはいくつかの方法があり、それぞれ得意なことが違います。特定の商品に頼るより、環境の見直し→侵入口の封鎖→忌避剤や薬剤の順に組み合わせるのが効果的です。
| 方法 | ねらい | 手間・費用の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 隠れ場所・湿気の除去(落ち葉、植木鉢、雑草の片付け) | 発生源そのものを減らす | 手間はかかるが費用はほぼ不要 | まず全員がやるべき基本 |
| すき間の封鎖(パテ・すき間テープ・網) | 家の中への侵入を防ぐ | 材料費のみ。場所の特定に時間がかかる | 室内で見かけたことがある |
| 殺虫成分の粉剤・粒剤を家の周囲にまく | 触れたムカデを駆除する | 安価。雨で流れるのでまき直しが必要 | 数が多い、すぐに減らしたい |
| 天然香料タイプの置き型忌避剤 | 近寄りにくくする | 置くだけで手軽。効果の持続は製品表示を確認 | 殺虫成分を使いたくない(ペットがいる場合は製品の注意表示を確認) |
| 害虫駆除業者に依頼 | 発生源の調査から駆除・予防まで | 費用は見積もり制で作業範囲により異なる | 何度も家に入る、自分では手に負えない |
業者に相談したほうがよいケース
- 対策をしても家の中で繰り返し見かける
- 床下や壁の中など、自分では確認できない場所が発生源と考えられる
- 小さな子どもや高齢者がいて、刺される事故をできるだけ避けたい
業者に依頼するときは、作業の範囲(追い出し・封鎖・清掃のどこまでを含むか)と、再発した場合の保証の有無を確認し、複数社から見積もりを取って比べるのがおすすめです。
芝生のムカデ対策に関するよくある質問
- 芝生用忌避剤で芝は枯れませんか?
-
芝生に使えると表示された製品を、ラベルどおりに使えば枯れにくくなります。注意したいのは、ラベルより濃い濃度や多い量でまくことや、高温で乾燥した時期の使用です。使用量・希釈倍率と使用条件を守ってください。
- 最もムカデが出やすい季節はいつですか?
-
活動が活発になるのは春から秋で、とくに湿度の高い梅雨どきに多く見かけます。冬は越冬して姿を見せにくくなるため、春先の活動が始まる前に、サッチの除去や忌避剤の準備などの予防策を始めておくと安心です。
- 忌避剤と殺虫剤は一緒に使えますか?
-
目的が違うため、組み合わせて使うことはできます。たとえば、庭や家のまわりにいるムカデを殺虫剤で減らし、その後、侵入を防ぎたい外周や侵入口に忌避剤を使う方法です。同じ場所に重ねて使う場合は、それぞれのラベルの使用方法と注意事項を確認してください。
- サッチングはどのくらいの頻度が必要ですか?
-
芝生の状態によりますが、年1〜2回が目安です。春の生育が始まる前と秋の手入れのときに行うと、ムカデの隠れ場所を減らせ、通気性もよくなります。サッチが厚くたまっている場合は、まずそれを取り除きましょう。
芝生のムカデ対策は、1回の薬剤散布で終わるものではありません。「原因を知る → 環境を見直す(サッチの除去など) → 薬剤や忌避剤で守る → 定期的に見直す」を繰り返すことで、芝生を楽しみながらムカデを減らしやすくなります。
芝生の手入れ.com編集部が、公的機関の公開情報と市販製品の表示を確認して作成しています。忌避剤以外の方法や業者への依頼も含めて比較しています。法律や制度は変わることがあるため、捕獲などを行う前にはお住まいの自治体に確認してください。
最終確認日:2026年9月21日
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この記事のムカデ対策に使える忌避剤
ここまでに紹介した対策を実行するとき、ムカデが嫌う天然香料タイプの忌避剤を併用すると、侵入経路の遮断と環境改善の効果を補えます。置くだけ・吊るすだけで使えるものを選ぶと、庭仕事の負担を増やさずに続けられます。
対策する広さで選ぶ:効き目が切れる前に交換できるよう、範囲が広い場合や交換用もまとめて用意したい場合はセットがおすすめです。
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- 家のまわり、玄関先、窓ぎわなど、ムカデの侵入口の近くに置く
- 1袋のニオイが届く範囲は製品の表示を確認してください。間隔を狭くすると効果が高まる
- 室内やベランダでは、お皿などを敷いて置く
効き目は約30日です。ムカデが多い梅雨〜秋は、切らさないように交換しましょう。











